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ガルマンガミラス滅亡の危機4

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  「まぁ…そんな理由があるので新しい侍従には注意してくださいね。何をするか
   わかりません。総統の身の回りの事は変わらず私達で行います。それ以外を
   お願いするようにしましょう。決して信用しないでください。」

サランの眼が厳しくなった。

  「総統は行先のない私を救ってくださいました。母方と誰もが卑しむ中自分の
   従姉だと言って庇って下さいました。私は恩返しをするだけですわ。」(サラン)
  「あの…ご結婚とかはお考えにならないのでしょうか?」(リィ)
  「そうね…父上が亡くなった時思いました。一人で生きて行けないと…ならば
   結婚、という考えもありました。…が、総統の従姉と言うのがずっと付きまとい
   私と結婚すれば総統に近付ける、という人が多くてなかなか本当に私だけを
   見て下さる方は現れませんでした。総統はそこもわかっていたようすで。
   それにもう、年ですし…。」

しかしリィはサランをいつもきれいにしてるし年齢など気にした事はなかった。

  「リィ様のお肌を見ているととてもうらやましいですわ。」

サランはそう言って立ち上がると“そろそろ戻りましょうか”とリィを促し私室を出た。









リィは初めていろんな憶測が欲が蔓延しているのだと思った。自分の父は自分たちがよくしてもらっているから、と私を送り出した。まさかそれが発端でこうなるとは思ってもいなかっただろう。

  「リィ様、いつもと変わりなく…で、お願いしますね。」

サランがリィの耳元で小さな声でつぶやいた。リィは小さくうなずく。

  「総統に朝食を運びます。」

サランがそう言うとリィが“ご一緒します”と言おうとした。が、我先にと他の侍従が

  「私も運びます!」

と何人も押し寄せる。リィはこれの意味が初めて分かった。誰もがデスラーに会い、自分をアピールしたいのだ。よく見ると朝から気合の入ったお化粧を施している。

  「結構です…。総統の食事は私とリィ様で運びます。他のお仕事の手を抜かない
   よう、しっかりなさいませ。」

サランは少し強い口調でそう言うとリィに目配せして厨房を出て行った。







執務室の前に立ちふと今朝の事を思い出した。

  (ヤダ…私どんな顔で総統のお顔を見たらいいのかしら…)

まさか昨日は大変失礼いたしました、なんて言えない。そんなこと言ったら昨日の事全部サランに話さなくてはいけない…まさか朝までデスラーの私室にいたとなればそれなりの事があったのではないかと思われても仕方ない…が何もないゆえどうしようか狼狽した。



しかしサランはリィがそんな事を思っているなどと露にも思わず扉をノックし護衛兵に扉を開けさせる。




リィの眼に真っ先にデスラーの顔が入って来た。デスラーもリィを見ている。…が、デスラーは静かにリィの眼を見て小さく頷いた。何も言うな、とそう言っているようだった。リィはサランの少し後ろで小さく頷くといつもと同じようにタランと二人分の朝食を用意して執務室を辞した。