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ガルマンガミラス滅亡の危機4

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リィはなかなか眠れずにいた。

  (総統が想いを寄せいていた女性がいた…でもその女性はすでに他の男性の
   妻になってしまっていた、という事よね?あの総統の想いが通じないなんて
   ありえない…。それにヤマトのユキと言う女性も気になるし…。女性なのに
   戦艦に乗る、なんてありえない事だわ。総統は本当にユキと言う女性の事、
   愛していないのかしら?それとも気付いていないだけ?)

リィはいろんなことが頭の中を駆け巡りだした。

  (だってレーザーガンで撃てなかった、って…どういうことなのかしら?)

愛していたから撃てなかった、と思うのが普通の考えだろう。

  (でもユキという人には恋人がいる、って言ってた。)


スターシァという女性…どんな女性なのかしら?リィは想像しながらいつの間にか深い眠りについた。








  「おはようございます。」

リィはいつもの朝と変わらずサランと一緒に執務室で朝食の準備をしていた。朝食の準備を済ませると二人は執務室を辞する。今までは護衛兵が食事が終わった連絡をサランに入れ二人が片付けに来るようになっていたが侍従が増えてしまった今、彼女たちに仕事をさせるため片付けは日替わりで他の侍従が行っていた。ふたりは淡々と仕事をこなすと深々と頭を下げて執務室を出て行った。



サランとリィが執務室を出た所でひとりの兵が二人が出てくるのを待っていた。そしてリィの手を取り何かを握らせるとそのまま何も言わず走ってどこかへ行ってしまった。一瞬の事でリィは訳が分からずその兵が走って行った先をぼんやり見つめている。

  「リィ様、行きましょう。」

サランはその様子がおかしくてクスクス笑ったまま。リィが笑わないでください、とお願いしてるにもかかわらず侍従の詰めている部屋に戻って来るまでずっと笑っていた。




ふたりはそのままサランの侍従頭の部屋に入った。

  「リィ様、私はこの部屋を少し開けますからその手に握られているものを
   じっくり見てくださいね。」

笑いの止まらないサランは一瞬笑いを堪えてそう言うと再びにっこり笑いながら部屋を出て行った。

  「サラン様!」

リィが叫ぶが全く気にせず部屋を出て行くサラン。リィは小さなため息を一つつくと握らされたものを広げた。

  「一度お話させてください。」

一行だけ、そう書かれていた。名前も何も書かれていない。リィはその文章を見てため息をついた。

  「名前ぐらい書いてくれないと…」

からかわれてるのかしら?と思わなくない。アンダンなんて星はガルマンガミラスに比べれば雲泥の差だ。リィはその握らされた紙切れをきちんとたたむとポケットに入れた。







  「サラン様。」

侍従頭の部屋を出たリィがサランに声を掛けた。

  「ご用事はお済ですか?」(サラン)

サランの言葉に無言でさっきのメモを見せる。

  「あら…お名前も書かれていないのですね?まぁ毎朝同じ時間に執務室に
   行くのわかっているのだからまた別のアプローチがあるかもしれませんわ。
   待ちましょう。」

サランが余裕の笑顔を見せる。

  「あの…サラン様…。」(リィ)
  「いいのですよ?リィ様はとても美しい方でらっしゃいますから…あの方は
   見る眼があると私は思います。」(サラン)
  「え?私が?美しい??」

リィが驚いてサランを見る。

  「えぇ。その白い肌…とてもうらやましいですわ。」

リィの星の人はほとんどの人が白い肌に茶色の髪だった。

  「そうですか?私の星だったらごくごく一般、なんですけれど…。」

今思うとベムラーゼへの献上品だったからなのか身の回りのもので足りなかったものはない。なに不自由なく育てられた。

  「まぁ…次回は少しお話でもなさいませ。」

サランはそう言うとリィを連れて昼食の下ごしらえの相談をしに厨房へ向かった。