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ガルマンガミラス滅亡の危機5

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  「タラン様がそのような事を?」

デスラーがタランが出て行った直前の話を詳しくサランに伝えた。

  「まぁ…デスラー総統も…」

サランがくすくす笑う。

  「私もリィ様がいなくてとても寂しいです。侍従たちはどうしようもないし。」

サランの言葉にデスラーが不思議そうな顔をする。第一サランとリィ以外の侍従はこちらに顔を出す事はない。

  「ご存じないですわよね?リィ様が宮殿にお仕えするようになってから他国の
   要人の娘が侍従として宮殿に参りまして…今、そのままパレスに入っています。
   総統、お分かりになりますか?この意味が?」

サランに言われてデスラーが我に返る。

  「そうです、要人達は自分の身の保全のために総統に娘を差し出す覚悟なんで
   ございます。」(サラン)
  「そのような…。」(デスラー)
  「リィ様はタラン様がぜひデスラー総統に、と思いお連れした方と伺って
   おります。総統はリィ様を慕っておいででないのですか?私はてっきり
   総統はリィ様をお慕い申し上げていると思っておりました。就寝前の酒は
   絶対おひとりで飲まれていたのにリィ様にご一緒するよう命じておられ
   ましたね。誰が好まない人と寝る前の酒を飲みますか?それもだんだん
   お時間が長くなられました。一度酔いつぶれてしまった事も。」

デスラーは一瞬サランに話したのを後悔した。

  「別によいのです。あなた様は総統なのですから命令とあれば誰もが一夜を
   共に過ごすでしょう。」(サラン)
  「いや、サラン、あの時は何もなかったのだ。あの時に限らずリィ殿と余は
   なにも!」

デスラーが急に言い訳っぽい事を言い出した。

  「何を焦っておいでですか?総統なのですから気にしませんと申しているでは
   ありませんか。それに今までの総統でしたらそんな事全く気になさらなかった
   のに…いかがされたのですか?」

サランが静かにデスラーに聞いた。

  「まぁ…リィ様の事を見初めた兵もいる事ですし…総統もリィ様の恋路を
   邪魔なさらないでくださいませ。」

サランが“せっかくのお茶が冷めてしまいます”と言いながらカップに口をつける。

  「リィ殿を見初めた?」(デスラー)
  「そうですわ、リィ様普通に美しい娘でございます。育ちもよく気品がある。
   宮殿の中を歩いているんですから下級の兵士などと顔を合わす事などない
   ですから上級の兵士がそれなりに…」

サランの言葉に宮殿でのリィとラージベルの姿が思いだされた。

  (ラージベルが?リィを?)

サランはデスラーの顔の変化に気付いたが敢えて気付かないふりをした。

  「リィ様も不安をたくさん抱えておいででございます。そんな男性も必要なの
   ではございませんか?」

サランはそう言うとカップのお茶を飲み干した。

  「総統…カップはいかがいたしましょう?」

サランは一向に減る気配のないデスラーのカップを見てそう言ったがデスラーは心ここに非ず状態になってしまいサランの言葉など耳に入っていない。

  (まぁいいでしょう。)

サランは心の中でにっこり笑うと静かに執務室を出た。