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ガルマンガミラス滅亡の危機5

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  「ガルマンガミラスだ!」

異次元走行が終わると目の前にガルマンガミラス本星が現れた。

  「「帰って来たんだ!」」

どの艦からも歓声が上がっている。

  「「デスラー総統万歳!ガルマンガミラス万歳!!」」

次々と通常空間に現れたガミラスの戦艦、民間船は静かにエアポートに降り立つ。エアポートに降り立った船は次の船に場所を譲るべく急いで飛び立ち入れ替わりでどんどん市民が地上に降り立った。

  「奇跡だ…戻れるなんて…。」

軍により混乱がないよう、地域別に市民を運び元の住処に戻って行った。






  「あ…」

リィはサランと共にデスラーとタランと一緒にデスラー艦に乗っていた。初めてデスラー艦に女性が乗るという事で立ち入り禁止の部分が多かったのは仕方ないと思うが食堂やラウンジがあったのでそこでふたりでいる事が多かった。

  「サラン様…戻ってきましたね。」(リィ)
  「はい…ようございました。」

リィはそう言いながら眼では見えない遠い母星のある方角を見つめる。

  (伯父様…伯母様…)

国王の家族はどうしたのか…せめて国王だけでも脱出できていればいいが国民を捨てて国王だけが脱出など決してそんな事をする伯父ではない事、リィはよく解っていた。

  「リィ様…。」

サランはリィが何を考えているのか知っている。サランは声を掛ける事が出来ず名だけを呼ぶとそっとラウンジをでてリィをひとりにしてあげた。




  「あ…ラージベル様。」

ラウンジの前にはふたりの護衛が立っていた。

  「サラン様、リィ様は?」(ラージベル)
  「えぇ…少し気分が伏せってしまったので少しおひとりにした方がよろしいかと
   思って…じっと母星の方角を見てらっしゃったの。連絡が取れた星も余り
   状況はよくないと聞いたわ。どうなのかしら?」(サラン)
  「そうですね、宇宙の状態は星々の衝突の時の今まで観測した事のないような
   放射線が発生している箇所があります。その影響を受けないという保証は
   どこにもありません。ガルマンガミラスはシャルバートから頂いた放射能
   除去装置があるので万一の時はすぐに対応できますが他の星が大丈夫かと
   聞かれてもすぐに答えを出せる状態ではないと思います。その危険を承知で
   母星に戻るというのであれば我々はそちらへ送り届けるだけですが…。」

余り、お勧めできない、という顔をラージベルはする。

  「あなた様も…リィ様が戻る、と言ったら反対しそうね。」

サランが笑顔で言うとラージベルは少し顔を赤らめた。

  「…何をおっしゃいますか。リィ様のご意志でございますゆえ…。」

ラージベルの語尾が濁る

  「ラージベル様のご家族は?」(サラン)
  「私の家族はヤマトがガミラスに来た時…」

その後ラージベルは口を閉ざした。

  「そうですか…」(サラン)
  「でも同じだと思うのです…ヤマトのクルーの中にきっと我々に家族を殺された
   ひともいたと…。だからヤマトが、地球が憎いと思いません。」

ラージベルはすっきりした顔をしていた。

  「それに私がここにいて助かっているのは明らかにヤマトのおかげですから。」

ラージベルの整った顔でにっこり笑われるとサランもついにっこり笑ってしまう。



  <<デスラー艦はこれより着陸態勢に入る。総員、配置に着け>>


艦内放送が入りサランはラージベルの顔を見る。そして静かにラウンジの扉を開けリィの隣へ歩み寄った。

  「リィ様、間もなくガルマンガミラスに着陸いたします。危険ですので部屋へ
   お戻りください。」

リィとサランは貴賓室に部屋を置かれていた。リィは静かに頷くとサランと共に貴賓室に戻った。




  「総統、サラン様とリィ様を貴賓室へご案内しました。」(ラージベル)

貴賓室の廊下で通信士に連絡を取る。通信士はラージベルの報告を聞きデスラーに指示を仰ぐ。

  「デスラー総統、本艦、着陸態勢整いました。」(通信士)

この間にもパイロットは計器を見ながら着陸へ向けて準備を怠らない。

  「…よし。デスラー艦、ガルマンガミラスのエアポートへ着陸せよ。」

デスラーが右手を挙げて指示を送る。通信士はそれを聞くと頷き管制官と連絡を取り始めパイロットは耳でそれを聞き右手を挙げるとパネルの操作が忙しくなった。





しばらくして少しのショックを体に感じデスラー艦がガルマンガミラスに着陸した事が分かった。