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ガルマンガミラス滅亡の危機6

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ふたりが寄りそう姿をラージベルは複雑な心境で見つめていた。もし自分がリィに告白していたら…リィが自分を見ていてくれたなら、と“もしも”ばかりを考えてしまう。以前と違い美しいドレスを着ているリィを見るとつい心の中でため息をついてしまう。
 
  (だめだ、私は総統に忠誠を誓っている…)

ラージベルは襟を正し中庭からパレスの外に出る二人の為に準備が整うのを待っていた。

  「総統、エアカーの準備が整いました。」

フィールがデスラーに声を掛けるとデスラーも頷きリィを促すとエレベーターに乗った。そのエレベーターにラージベルも乗る。

  「そなたか?リィが尾行された時に運転していたのは?」

デスラーがフィールに聞いた。

  「左様でございます。」

フィールが右手を挙げて返事をする。

  「そうか、今日も同行するのか?」(デスラー)
  「はい、後ろからついて参ります。」(フィール)
  「余が乗っているから大丈夫だと思うが頼む。」

デスラーがそう言うとラージベルを見た。

  「そなたがリィを護ったそうだな…ふたりにはまだ礼を言っていなかった。
   こんな場所ですまないが礼を言う。」

フィールとラージベルは慌てた。長くデスラーに仕えているがこのように声を掛けられたりまして礼を言われたのは初めての事だった。

  「あ…いえ…あの、ガミラス人として当然の事をしたまでです。」

ラージベルは慌てたが右手を挙げ何とかそう返事をした。その時エレベーターの扉が開いた。エレベーターがの扉が開くと重鎮たちがずらりと並び用意されているエアカーまでレッドカーペットが敷かれていた。デスラーとリィはその上を静かに歩きその後ろにフィールとラージベルが続く。パレスの中とはいえ誰かが狙撃して来るかもしれない、常に危機感を持って護衛の任務に就いていた。

  「あっ…」

デスラーの横を歩いていたリィが慣れないドレスとヒールに気を取られカーペットに足を取られた。


と、その瞬間…パン!と何かがはじけるような音がした。


  「きゃ…」


その音と同時にリィが右の肩を抑えながら後ろへ倒れた。とっさにデスラーがリィの体を支える。

  「リィ!」

護衛兵とまわりにいた兵が二人を囲む。辺りは騒然となった。

  「大丈夫か?」

デスラーの叫ぶような問いかけにリィは頷く。美しいドレスはリィの血で赤く染まっていった。