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ガルマンガミラス滅亡の危機6

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  「リィ!」

デスラーがリィの為にしつらえた部屋にノックもしないで入って来た。

  「総統、どうなさったのですか?」(リィ)
  「今、ウルフから連絡があった。」

リィはウルフの名前を聞いてアッ思った。

  「そうだ、新天地が見つかった。ウルフが…探し出した。ガルマンガミラスは
   本当の意味で救われた…何年もかかるかもしれないと思っていたが…。」

デスラーが不意にリィを抱きしめる。

  「そなたが余の傍に来てからいい事が続いている…リィが運を運んで来たの
   かもしれんな。」

その姿を見てしずかにラージベルが部屋を出る。

  「総統…」

リィはその広い胸に抱かれながら涙が出てきた。自分の母星じゃないのになぜ涙が出るのか一瞬不思議に思ったがすでにデスラーの星が自分の母星になっている事に気付いた。

  「うれしい…私も嬉しいです。総統とずっと一緒に暮らしていける星が
   見つかったのですね。」

デスラーは“そうだ”と言わんばかりに更に強く抱きしめる。

  「私は幸せでございます。総統にそう想われるだけで心から嬉しいと思えるの
   ですから。」

ふたりはしばらく抱きしめあった。











  「どうした?」

護衛兵の控室にラージベルが戻って来た時、ちょうどフィールが休憩でいた。

  「リィ様は?大丈夫なのか?」(フィール)
  「今お傍に総統がいらっしゃる。」(ラージベル)
  「…そうか。」

フィールはラージベルの胸の内を考えそれ以上は何も言わなかった。

  「(傍にいるのが)辛いんだが…だが傍にいないと心配で仕方ない。他の
   誰かにこの仕事を任せる事も出来ないし…。」

ラージベルが深いため息をつく。

  「罪な姫様だ…こんないい男を虜にして傍に置きながら本命と…なんだからな。」

仕方ない、と言いたげなフィール。…と、その時徴収がかかった。

  「なんだ?」(フィール)
  「あぁ、新天地が見つかったらしい。多分その報告だろう。」

ラージベルとフィールは護衛兵の控室を出た。















  「デスラー総統、万歳!」

群衆がデスラーを見上げ声を上げる。先ほど国民放送がされ、デスラーが演説を行う広場に人が集まっていた。

  「いつみてもすごい人ですね。」

これからデスラーが演説を行う。新天地が見つかった報告を国民に知らせるためだ。リィは広場を見渡せるガラス張りの部屋からその群衆を見つめていた。先日の婚約発表の時はデスラーが立つ位置で自分も同じ風景を見たが緊張の余り何も覚えていない。ずっと“デスラー総統万歳”が聞こえていたが一瞬でピタリと止んだ。みれば総統が右手を挙げて演説台にいた。

  「諸君…よい報告をしたく、急きょこの場を作った。」

まだ広場は静かだ。誰もがデスラーに注目する。

  「移住先が見つかった…ガルマン人はこの星を後にする事に抵抗があるかも
   しれないが住んでみて分かっていると思うが天候が安定しない…異次元から
   きた銀河の影響がまだ残っている状態でずっと住むのは危険と判断し
   新天地を求めていたのだが…思ったより早く新天地が見つかった。
   余は、皆に感謝したい。不平不満を持っているものもいるだろうが余の
   判断について来てくれた…。移住にはまだ時間がかかるが余の結婚式が 
   終わったら計画を進める事になるだろう。」

デスラーの言葉が終わった瞬間、広場にいた誰もが息を飲んだ。そして一瞬を置いて誰もが叫ぶ

  「「デスラー総統、万歳!ガルマンガミラス万歳!」」

リィは一瞬、デスラーと目が合ったような気がした。離れているから気のせいだと思ったがデスラーがこちらを見てくれたかもしれないと思うとリィの胸は熱くなった。