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ガルマンガミラス滅亡の危機6

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ラージベルはデスラーを見つめるリィの後ろで護衛についていた。リィの横にはサランがいる。念のため、とフィールも一緒だ。

  「大変すばらしい演説でございました。」

ラージベルがリィに伝える。

  「えぇ、本当に。」

リィの顔は紅潮している。ラージベルは自分の前では絶対見せない顔なのだと思った。総統を想う時だけほほを染める…それがどれだけ美しさが増すのか当の本人は知らないだろうと思いながら。

  「あ、総統が戻られました…私も戻ります。」

リィは慣れないドレスの裾を踏まないように部屋を出ようとした。フィールが扉を開き先に出て何もないか確認をする。

  「リィ様、どうぞ…。」

リィはフィールに軽く会釈をするとドレスの裾に気をつけながら急いで執務室に戻った。その姿をサランが嬉しそうに見ている。

  「リィ様、急ぎますと転びます。総統はお逃げになりませんよ。」

後ろから追うサランが笑いながら言う。

  「サラン様、からかわないでください。」

リィはそう言いながらも急ぎ足。デスラーのあの広い胸が恋しい。ラージベルはリィの嬉しそうな後姿を複雑な気持ちで追いかけた。











デスラーは重鎮に囲まれていた。リィは声を掛けられず離れた所からデスラーを見ていた。ラージベルはフィールに眼で“リィ様を頼む”と合図してデスラーの元へ向かった。デスラーもラージベルが近付いて来たのが見え周りを右手ひとつで抑えるとラージベルの方へ歩き出した。

  「リィがいるのか?」(デスラー)
  「はい、総統の演説に感動した様子で…お目にかかりたい、と。」

ラージベルが右手を挙げて報告する。

  「案内せよ。」

デスラーが一言そう告げるとラージベルはリィのいた方へ向かって歩き出した。







  「デスラー総統…。」

リィはほほを赤く染め眼は潤んでいた。フィールとサランは静かにその場から離れた。

  「とても素晴らしい光景を拝見しました。国民が一つとなり総統に忠誠を
   誓い…言葉では言い表せません。二つの民族がひとつになった瞬間を
   見たような気がします…いえ、二つに分かれた民族が一つに戻った瞬間
   だったのですね。」

リィの言葉を聞いてデスラーはそっとリィを抱きしめた。

  「そなたが見ていてくれると思うだけで余は安心できる。」

リィは自分を見ていてくれたんだと思うと嬉しくなった。

  「これからは余と同じ風景を見るのだ。別れ別れだった民族がひとつになり
   新天地で更なる発展を目指すのだ。」

リィは静かに頷いた。