ダンガンロンパ・ファンタジック/リロード-Chapt.1-1
そんなゴタゴタもあったとはいえ、今日も16人が揃った。
今日はあのゴタゴタの間に、楓が良い焼き加減のトーストに目玉焼きとベーコン、
という一般的なモーニングを作ってくれていた。
「楓さん凄いですね!美味しそう!」
その朝食に香のテンションが元に戻ってくる。
「楓と私は喫茶店を経営してたんですよ。
だから、こういう軽食くらいなら苦も無く作れますよ」
と、内心香のテンションが元に戻りホッとしているエーエル。
「へー、楓さん結構多才なんですねー。いろんな世界旅してるだけあります」
「い、いやぁそれほどでもないが」
べた褒めの香に、ちょっと照れる楓。
「ま、割と隙だらけなダメ人間なんで多才が非常に霞みますが」
てれた所でエーエルが毒舌。
「ちょ、折角ほめてくれたのに相変わらずだなぁお前は……」
それで楓、意気消沈。
「まぁまぁ……人それぞれ得手不得手がありますから;」
「フォローありがとな、香……」
苦笑いで何とか立ち直る楓は、そうして皆に朝食を配り終えた。
……さて、朝食の間も、
「か、香は怒らせるんじゃねぇぞ……絶対、絶対に怒らせるんじゃねえぞ」
……加藤はずっとこんな調子である。
「フラグでござるか?」
ニヤニヤしながら雲隠がそう言ってみる。
「ガチだよ!?なんで死亡フラグ立てちゃうの!?」
……もはや、挙動不審だ。
「あっははー、香ちゃんに弱みでも握られてるでござるか?
人間って精神攻撃に脆いでござるからなぁ」
しかし雲隠は動じない。さらに煽る。
「うっせぇ!そんなら実際にやって殺されてこい!」
そんな感じのまま、ササッと食事を取った加藤はそそくさと食堂を後にした。
「俺は朝風呂に行ってくるぜ〜」
とギィズも立ち去ろうとする。
「また、変な……癖、付けたね?ギィズ」
イティアは朝風呂の件を知らないらしい。香もまたしかりだが。
「気持ちいいぞ?朝風呂。
仮にも"王子"だし、そう勝手な行動できなかったからな」
「ふむ……ギィズさん、元の世界では大変なんですね」
その言葉に、そう察する香。忙しい人だからこそ、"自由"が嬉しく感じる。
それは誰だって同じだから。
「……まぁ。うん。王子、やってるときは……女たらしでも、ないから」
イティアも補足する。まぁ危険な事でも無いし、特に覗きがらみでも無い。
「そういうことだぜ、それじゃな、また夜の水泳勝負の時に会おうぜ―、うひゃひゃー」
ギィズは割と高いテンションで食堂を後にした。
「僕もそろそろ失礼するよ。また花をいけに行かないとね。」
次に
「今度一輪さんの作品、見せてくださいよ。ちょっと興味あります」
「あ、いいけど。
まぁ、今真面目に結構大事な所いけてるからさ、また今度でよかったら」
「はい、楽しみにしてます!」
そういうやりとりのあと一輪が自室に向かって行った。
なお、骸は気付いたら居なかった。
「それじゃあ、俺らはデパート5階の武器を何とかしてくるんで、それじゃあな」
「また夜にお会いしましょう」
その後、そう言って楓とエーエルが食堂を出て行った。
作品名:ダンガンロンパ・ファンタジック/リロード-Chapt.1-1 作家名:暗妖



