ダンガンロンパ・ファンタジック/リロード-Chapt.1-1
北東の海岸に向かう道には、食事処のダイナーと、海岸のすぐ近くの公園があった。
「俺らは公園でのんびりさせてもらう事にする。少しエーエルと相談したいんでな」
「すみませんね、ダメ人間を管理するのも"アシスタント"の役目なんで」
ここで、海パンをはいた以外は元の服を着ている楓と、
モノキニと呼ばれるビキニの上と下が輪で繋がっているオシャレな水着を着たエーエルがそう言って公園に残ることになった。
「あー、まぁお話が終わったらでもいいですよー」
香達は落ち着いてからでいいですよ、等と笑顔で返し、
「すまない、そうさせてもらうよ。それじゃあ後で」
「失礼しますね」
一旦、楓とエーエルと別れたのだった。
そして海岸に着く。
町中にも、どこにでも監視カメラとモニターが見かけられたが、ここでもそれが存在した。
それを視認した時、既に
「おー、かわいこちゃん達の水着そろい踏みとか何これ天国じゃね……?」
洒落たハワイアンな海パンを着てきた、ちょっとぼーっとしたギィズと、
「ふふん、そんなかわいこちゃん達の視線は僕がいただく!」
妙に張り合う、ロングスパッツの競泳水着をはいてかっこよさげに振る舞う加藤が居た。
しかし……
「うわ、最悪だこいつ」
競泳水着では無く、ワンピース型の普通の水着を着ている華がジト目で加藤を睨む。
「な、なんだい"スイマー"の華くん?そんなに僕の体が気になるかい?
そうだろうそうだろ」
「いまどきロングスパッツなんてルール違反の競泳水着着てるのあんただけだよ」
しかしそれでも調子づく加藤に、華が毒舌で噛みついた。
なお、殆どの世界で男性のロングスパッツ型の水着は競泳だとルール違反の模様。
「な、ナンダッテー!?」
そんな加藤の超かっこ悪い反応に、
「私の世界だともう4年も前に禁止になってたわ……」
普通の赤い三角ビキニを着た霊はそうため息をついたそうな。
まぁそんな些細な事もあったが……
「うーみだー!」
意外と狙ってるのかハイレグの水着を選んだ雲隠が元気にそう騒ぐ。
絶対こういうの好きそう。
「いいですねー、南国に来た感じがします!」
その反応に香も元気になる。
「いいことだ」
骸は黒い海パン。鍛えられた肉体美、脱ぐと一番かっこいい。
「いやーいいわねー、骸とは一度バトりたくなるわ。
……って、清掃アンタ……」
赤いタンキニで今日も喧嘩上等の雪音だが、その隣に居る清掃が
「……悪い?」
何故か白いスク水なのに苦笑いになる。
「い、いや好きにすればいいけどさぁ、アンタ胸きつくないの?」
そう、清掃は胸が大きいのだ。隠れ巨乳なのだ。いつもの服じゃ全然判んないけど。
自分から着に行くとか人と関わるの苦手なくせに狙ってるのかこいつ……
「よく、着せられたから……慣れた」
「……あっそ……もういいわあんたと口論すると終わらない」
というわけでもないらしく、だめだこりゃと雪音はため息をついたのだった。
一方……
「どう……したの?いつになく、喋んない……じゃない、ギィズ」
香のようなスカート付きのワンピース水着を着たイティアが何も喋らないギィズに話しかけた。
「いやもう、これ見てるだけで凄いって言うかなんというか……」
「まあ、言いたい事は、少し判る」
ギィズが顔を少し赤らめるのは良く判る。
というか数人絶対狙ってる服装。
さっき言ったスリングショットの"グラビアアイドル"である牧園だけではない。
恵美なんかもどうせ幸運だから、って言って最小限の部分しか覆っていないビキニを付けていたり、
先ほどの自ら胸せまいアピールをしてしまっている清掃がいるんだから。
「流石に判るだろこれは……」
「女の、私から……見ても、ちょっと……異常。
香さんとか……雪音さんとか……霊さん、華さん辺り……見習うべき」
「だ、だよな……」
男性の目からしても、女性の目からしても、やりすぎは、よくない。
という共通結論に達したため、
「あ、ギィズとイティア、ビーチバレーやろうよー」
「流石に男性1人のハンデはきつかったんですよー」
「そのつもりで来たから心配すんなって」
"やりすぎではない"骸、霊、華、香の4人でやっていた普通のビーチバレーに参戦することにした、そんな二人であった。
なお、遅れてやってきた楓とエーエルが、
その状況を見て赤面なり困惑なりしたのは、また別の話である。
作品名:ダンガンロンパ・ファンタジック/リロード-Chapt.1-1 作家名:暗妖