チビエド事件簿
「なんかもう、ちょっとこう、工夫がほしいところだな」
とかすき放題言われる。
いやいや、でもここで怒ったらまた向こうの思う壺だ。
ここはきっぱり無視をして、俺はようやく本題に入った。
つまり、この現状をどうにかできる方法がないかどうかを、聞いたのだ。
「こんなことは異例だからな。むしろどうやってこんなことになったのか興味はそそられるな」
「申し訳ないけれど」
「つうか、錬金術なんて理解できねぇし」
「以下同文」
「ごめんね兄さん~~~っっ!!」
返ってきた返答はそれ。
最後のアルの返答は一緒にできてしまった(らしい)俺の人形を抱きしめて、半ば楽しそうに言ったから、ゲンコひとつおみまいしてやった。
「まあ、私のほうでも調べてみよう」
大佐はそう言ってはくれたものの、その目が笑っているところを見ると、とても期待できそうには無い。ああ、俺はいったいどうなってしまうんだろう…。
とりあえず、今日は遅いということで解散が言い渡される。
貴重な1日が着せ替えで潰されただけなんて考えると、もうやるせなさしかないが、今の俺にはどうしようもなかった。錬金術も使えないわけではないが意図しないものを錬成してしまうようでは、使えないと同じだ。
今は、東方司令部の皆が頼みの綱だった。
はあ。