二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

敵中横断二九六千光年1 セントエルモの灯

INDEX|4ページ/131ページ|

次のページ前のページ
 

レーザー通信は名前の通り、レーザー光線で信号を送る通信手段だ。ピンポイントで相手めがけて送れるので、敵などに傍受されにくいとされる。また、たとえされるにしても、敵が遠くにいるのなら傍受に時間がかかるとされる。古代が今いるのは火星から光の速さで二分ほどのところ。レーザーは光速で進むので、敵が二倍の距離にいるなら届くのに倍の四分かかるわけだ。そしてそんなに届かないよう光の強さを調節すれば、傍受のリスクをかなり減らせる――ということになっている。

超光速での交信はできない、かなりかったるい方法だ。だからおおむね内容も、メールのような文章のやり取りになるのが普通ではある。

「なんて言ってんだ?」

アナライザーがトレイを開けた。受信文が画面に出る。

《貴機のメーデー受信した。無事か? 状況を知らせよ》

「なんだこの野郎」古代は言った。「ガミラスに追われながらメールなんて打ってられると思ってんのか?」

「ソウ返信シマスカ?」

「いや」と言った。「どう応えたらいい?」

「ソウデスネ」

アナライザーが文を考え画面に出した。古代は頷いて言った。

「それでいいんじゃないの」

返信を送る。やはりレーザー。

「これ、返事が来るまでに、五分くらいかかるんだろうな」

「ドウシマショウ」

望遠カメラの画像を見た。古代は言った。

「この船んとこへ行ってみるか」