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銀魂 −アインクラッド篇−

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部屋に全員が侵入した直後、背後で轟音を立てて大扉が閉まった。もはや開けることは不可能だろう。ボスが死ぬか、自分達が全滅するか―――。

数秒の沈黙が続く。
周りに注意を払うがボスが出現しない。一秒、また一秒と時間が過ぎていく。

「・・・どういうことだ、なぜ出現しない?」

桂が耐え切れないというふうに声をあげた、その時―――。

「上よ!!」

アスナが鋭く叫んだ。
皆がはっとして頭上を見上げる。
天井部に―――『それ』が貼りついていた!


巨大だ。
とてつもなくでかい、長い!
ムカデ―――ッ!?


キリトが見た瞬間、そう思った。
全長は十メートルあり、複数の体節に区切られたその体は、しかし、虫というよりは人間の背骨を思い起こさせた。灰白色の円筒形をした体節ひとつひとつからは、骨剥き出しの鋭い脚が伸びている。その体を追って視線を動かしていくと、徐々に太くなる先端に、凶悪な形をした頭蓋骨があった。これは人間のものではない。流線型にゆがんだその骨には二対四つの鋭く吊りあがった眼窩があり、内部で青い炎が瞬いている。大きく前方に突き出した顎の骨には鋭い牙が並び、頭骨の両脇からは鎌状に尖った巨大な骨の腕が突き出している。

『The Skulleaper』―――骸骨の狩り手。

無数の脚を蠢かせながら、ゆっくりとドームの天井を這っていた骨百足は、全員が度肝を抜かれ声も無く見守る中、不意に全ての脚を大きく広げ、パーティーの真上に落下してきた!
「まずいッ!!全員散れェェェェッ!!!!」
近藤の鋭い叫び声が、凍てついた空気を切り裂いた。我に返ったように全員が動き出す。だが、落ちてくる骨百足の丁度真下にいた三人の動きが、わずかに遅れた。どちらに移動したものか迷うように、足を止めて上を見上げている。
「何をしている!こっちだ!!」
桂は慌てて叫んだ。
呪縛の解けた三人が走り出す―――。
だが。その背後に百足が地響きを立てて落下した瞬間、床全体が大きく震えた。
足を取られた三人がたたらを踏む。そこに向かって、百足の右腕―――巨大な骨の鎌、刃状の部分だけで人間の身長ほどもあるそれが、横薙ぎに振り下ろされた。
三人が背後から同時に切り飛ばされた。宙を吹き飛ぶ間にも、そのHPバーが猛烈な勢いで減少していく・・・黄色の注意域から、赤の危険域へと・・・。
そして、あっけなくゼロになった。まだ空中にあった三人の体が、立て続けに無数の結晶を撒き散らしながら破砕した。

おそらく、その場にいた全員が同じ事を思ったであろう。

一撃・・・だと?

やられてしまった三人は決して弱いプレイヤーではなかった。
むしろ、選りすぐりの先鋭であった。

「無茶苦茶よ・・・」
かすれた声でアスナが呟く。
一瞬にして三人の命を奪った骸骨百足は、上体を高く持ち上げて轟く雄叫びを上げると、猛烈な勢いで新たなプレイヤーの一団目掛けて突進、その方向にいたプレイヤー達が恐慌の悲鳴を上げ、再び骨鎌が高く振り上げられる。と、その真下に飛び込んだ影があった。

「―――ッ!」
影の正体はヒースクリフだった。
巨大な盾を掲げ、鎌を迎撃する。耳をつんざく衝撃音が鳴り響き、火花が飛び散った。
だが、鎌は二本あった。左側の腕でヒースクリフを攻撃しつつも、右の鎌を振り上げ、凍りついたプレイヤーの一団に突き立てようとする。

「トシィッ!!」
「わかっているッ!!」

近藤と土方は他のプレイヤー達を守るべく飛び出した。宙を飛ぶように瞬時に距離を詰め、轟音を立てて降ってくる骨鎌の下に身を躍らせる。二人の剣が鎌を受け止めた。
「踏ん張れッ!トシィィィィッ!!」
「ぐッ・・・ぬあぁぁアアアッッッ!!!!」
途方もない衝撃が二人に襲い掛かる。だが、鎌は止まらない。火花を散らしながら二人の剣を押しのけ、眼前に迫ってくる。

その時、新たな剣が純白の光芒を引いて空を切り裂き、下から鎌に命中した。
「アスナさんッ!」
「ゴリラさん!トシさん!今よっ!!」
勢いが緩んだその隙に、二人は息を合わせ全身の力を振り絞り、骨鎌を押し返す。

「助かったぜ、パルテナ様・・・だが、奴は想像以上だ。少し足りとも気が抜けねぇ」
「えぇ、そうみたいね。だけど・・・私たちは」
「そうさ。一人じゃない!行くぞアスナッ!!ギンさんッ!!」
「俺達の出番だな、ちょっと引っ込んでろトシ」
「な゛ッ!!てめぇら!!」

次に前に出たのはキリトを筆頭とした万事屋一団だった。
再び、今度は横薙ぎに繰り出されてきた骨鎌に向かって、キリトとアスナは同時に右斜め斬り降ろし攻撃を放つ。完璧にシンクロした二人の剣が、二筋の光の帯を引いて鎌に命中する。

(いけるッ!アスナが隣にいてくれるだけで無限に気力が湧いてくるッ!)

激しい衝撃。
今度は、敵の鎌が弾き返された。その隙に銀時は大きく飛び立ち、落下の勢いに上乗せするように時計回りに体を急回転、骨剥き出しの鋭い脚目掛けて垂直斬りを与えた。
綺麗な斬撃音が辺りに響き、骸骨百足の脚の一つが体に綺麗な切断面を残し、銀髪の侍によって失われた。悲鳴にも似た叫びを上げつつ骸骨百足はその場でのたうち回る。

「良い切れ味じゃねぇか。今まで木刀で戦っていたのが馬鹿らしくなるな」
「大鎌は俺達が食い止める!!みんなは側面から攻撃してくれ!!」

万事屋の活躍に、ようやく全員の呪縛が解けたようだった。雄叫びを上げ、武器を構えて骨百足の体に向かって突撃する。銀時に続くように数発の攻撃が敵の体に食い込み、ボスのHPバーが減少を始めた。
だが、直後、複数の悲鳴が上がった。鎌を迎撃する隙を縫って視線を向けると、百足の尾の先についた長い槍状の骨に数人が薙ぎ払われ、倒れるのが見えた。
キリトとアスナにも、少し離れて単身左の鎌を捌いているヒースクリフにも、これ以上の余裕はない。
「軍曹殿ッ!もしや俺の存在を忘れてはいまいかッ!?」
「桂さんッ!」
桂は刀に電撃を纏わせ、骸骨百足の後方に移動。上空彼方から振り降ろされた槍状の骨と桂の刀がぶつかり合う。
「ぐっ・・・硬、すぎるっ!貴殿らは俺の後方で待機してくれ!俺の合図で手伝ってほしい!」
倒れたプレイヤーは桂のお陰でなんとか最悪の未来を回避することができた。桂の指示通り、再び剣を構え、すぐにスイッチできるように体制を整えておく。

骸骨百足の体に攻撃を与えようと複数のプレイヤーが突撃をしているが、相手も黙っているわけではないので思うように近づくことができない。その先頭で戦っていた近藤と土方は少しずつ自身のHPバーを減少させていく。

「駄目だ、キリがねぇ!あの脚が邪魔だ!」
「こうなりゃ一本ずつ斬り落としていくしかねぇ!近藤さん、俺が前に出てあの無数の脚を止める!その隙に脚の付け根を攻撃してくれ!」
「駄目だトシ!お前一人じゃ支えきれねぇ!あの力だと二人は必要だ!」
「だったら俺達が前衛に出る!行くぞクライン!」
「あんたらは百足の脚の切断を頼む!」