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銀魂 −アインクラッド篇−

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近藤達の後方から割って出るようにエギルとクラインが前に飛び出し、厄介な脚を挟み込むように互いの刀と斧を交差するように拘束、その隙に近藤と土方は骸骨百足に接近し同時に脚の付け根へと斬撃を放つ。轟音を立てて脚が斬り落とされ百足より再び悲鳴を上げた。
「これならいける!全員、続けェェェェっ!!」
近藤の指揮の元、バラバラだったプレイヤー達が自然と纏まり始め、少しずつではあるも確実に骸骨百足へとダメージを与えていく。

(あれが、新撰組のリーダーの力なのか・・・っ!)
「キリト!右斜め上だッ!!」
「っ!ありがとう、ギンさんッ!」
ほんの少しだけよそ見をしたキリトに銀時から次にくるであろう骨鎌の軌道を指示され、二人同時にそれを止める。叩きつけられる度に身体中に衝撃が走る。止めるだけで精一杯だ。だが、一番恐ろしいのはそれを「単身」で対応するヒースクリフだ。今でさえ2〜3人で受け止めるのが精一杯だというのに、彼は今も骸骨百足の左側の骨鎌を一人で受け止めている。しかも、顔色一つ変えずに。
「キリト君、スイッチ!」
「頼んだ!アスナッ!!」
キリトはアスナと入れ替わり、体制を立て直す。
やはり、彼は化け物だ。
ヒースクリフの攻防自在の剣技を操るエクストラスキル「神聖剣」。
今、間近でそれを見ているが、とにかく圧倒的なその防御力は伊達ではない。
誰も彼のHPバーがイエローゾーンに陥ったところを見た者はいないのだ。大きな被害を出した五十層のボスモンスター攻略戦において、崩壊寸前だった戦線を十分間単独で支え続けた逸話は今でも語り草となっているほどだ。

ヒースクリフの十字盾を貫く矛なし。

それは、アインクラッドで最も堅固な定説のひとつなのだ。

「せめて、片方の鎌だけでもなんとかできれば・・・ッ!!」

―――呼吸を整えろ。
幾ら新撰組といっても無敵ではない。犠牲をこれ以上増やすわけにはいかない。
早く、俺達も加勢しなくてはいけないッ!

『あれ』だ。あのラフコフを倒したあの『ソードスキル』を使えば骨鎌を砕けるかもしれない!
いや、砕くだけでは駄目だ!・・・根本だ!根本から切断する!!

「ギンさん!アスナ!俺を百足の鎌の内側に入れさせてくれ!!」

奴の鎌の中へと入る!
そこで、間髪入れずにあの技を使う!!

「嬢ちゃん!呼吸を合わせろッ!!」
「アスナだって言っているでしょっ!!」

真上から振り下ろされた骨鎌をアスナと銀時は完璧に同期した動きで弾き返した。
弾き返された右の骨鎌は情けなく宙に浮いている。

(―――鎌に全く力が入っていない・・・ッ!!)

「今だッ!!」

キリトは限りなく己の身体を地面ギリギリまで近づけ、一気に加速する。それと同時に両手の剣に青白い光を纏わせた!

(いけるッ!これ以上の隙はもう無いッ!一気に叩きつけろッ!!)

加速しろッ!これが失敗すれば百足の骨鎌が俺の身体を斬り刻み、俺はおそらく死んでしまうだろうッ!!
必ず成功させるッ!ギンさんとアスナが俺の為に作ってくれた道だッ!!

「キリト!!」
「キリト君!!」

「はあァァァァアア゛ア゛ッ!!!!」

キリトから放たれた二刀流最上位剣技「ジ・イクリプス」は全方向から放たれた剣尖が全て骸骨百足に直撃、二十六連撃中の最後の一撃により右の骨鎌と胴体が別々となった。スキル後の硬直により動けなくなったキリトを守るべく、アスナが彼の身体を抱きかかえ、比較的安全な後方へと移動する。

「大丈夫!?キリト君!」
「ハァッ!ハァッ!・・・はぁッ・・・・はぁッ・・・・―――。」

違う・・・今のスキルじゃない!
遅い!遅すぎる!今のは、ラフコフに放ったあの技じゃない!

何故だ?スキルの選択は間違ってはいなかった。
もっと速くて、自分でも捉えられないぐらい剣が舞っていた。
何が違う?

今の技に、いったい何が足りなかった?

「キリト君!目の前の戦闘に集中して!まだ終わってないよ!!」
「っ!!ご、ごめん・・・だけど!」

己の世界に入り浸っていたキリトにアスナから喝が入る。
しかし、骸骨百足の攻撃手段の一つを喪失させることに成功した。これは大きな功績だ。
キリトは硬直が解け再び立ち上がり、同時に全線で戦っていた銀時がキリト達の元へと下がってきた。

「やるじゃねぇかキリト。だが、まだあの化物はピンピンしているみたいだな」
「着実に、確実にHPを奪う。それだけさ」
「このペースで戦おう!これ以上、犠牲を出さないために!」

三人は剣を構えなおす。
自分の身体を喪失し続ける骸骨百足は、最初からそれが無かったかのように再び暴れ始めた―――。