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銀魂 −アインクラッド篇−

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「最初におかしいと思ったのはギンさんと同じ、例のデュエルの時だ。あんな動き、いくら何でも速すぎたよ。人間のできる動きじゃない」
「やはりそうか。あれは私にとっても痛恨事だった。君たちの勝手な行いを止めるためについシステムのオーバーアシストを使ってしまった」
「わざわざルールを破ってまで俺達を止めた理由は?」
「『聖騎士』に敗北されると困るのだよ。その後の事を思っての行動だ。私に変装した君はあの時、キリト君に負けるつもりだったろう?まだ君には十分に抵抗できたというのに」
「っ!・・・そうなのか?ギンさん」
「ああ。でもな、キリト・・・お前ぇが嬢ちゃんの事を想う『信念』には本当に負けていたよ。その想いには俺でも勝てねぇ」
「ギンさん・・・」
「それより・・・その後の事ってのは一体どういう意味だ、説明しろ」

彼はゆっくり頷くと、はじめて表情を見せた。唇の片端を歪め、ほのかな苦笑いの色を浮かべる。

「予定では、攻略が九十五層に達するまでは明かさないつもりだったのだがな」
ゆっくりとプレイヤー達を見回し、笑みの色合いを超然としたものに変え、紅衣の聖騎士は堂々と宣言した。
「―――確かに私は茅場昌彦だ。付け加えれば、最上層で君たちを待つはずだったこのゲームの最終ボスでもある」
キリトの隣でアスナが小さくよろめく気配がした。キリトは視線を逸らさぬままそれを右手で支えた。

「趣味がいいとは言えねぇな。お天道様が一転最悪のラスボスってとこか」
「なかなかいいシナリオだろう?盛り上がったと思うが、まさかたかが四分の三地点で看破されてしまうとはな。君たち『二人』はこの世界で最大の不確定因子だと思っていたが、ここまでとは」
「だから俺達二人の抹殺を目論んだってことか・・・邪魔なウイルスはさっさと駆除しちまおうって根端だろ?」
「それだけではない。特に君だ。君は一体どこからやってきた?いや、君に限らず彼らもそうだ。どのような理由かは知らないが君たちはこの世界にとってのイレギュラーな存在だ」
「ヅラやゴリラのことか。別に、俺ぁストパーにしようとしたらここに来ただけだ。てめぇが一体何の目的でこんな事をしたのかなんて、最初からやってる訳じゃねぇから詳しくは知らねぇよ・・・―――だがな」

銀時は一歩、前に出る。

「てめぇの都合で手元に置いておけるほど、―――『魂』ってのは、軽くねぇんだよ」

黒刀を構えなおす。
既に、銀時には迷いはなかった。
同時に、キリトも一歩前へと出る。

「ギンさん」
「キリト、ここで決着つけようぜ。こいつの言い訳なんざ、もう聞きたかねぇ」
「奇遇だな。俺も同じ気持ちさ」

このゲームの開発者にして一万人の精神を虜囚した男。茅場昌彦は笑みをにじませたまあ言葉を続けた。

「最終的に私の前に立つのは、キリト君。君だと予測していた。数種類存在するユニークスキルのうち、二刀流スキルは全てのプレイヤーの中で最大の反応速度を持つ者に与えられ、その者が魔王に対する勇者の役割を担うはずだった。勝つにせよ負けるにせよ。だが君は私の予測を超える成長を見せた。攻撃速度といい、その洞察力といい、な。まあ、この想定外の展開もネットワークRPGの醍醐味と言うべきかな」

その時、万事屋一行の背後から二つの影が飛び出した。
エギルとクラインは己の武器を握りしめ、茅場に一太刀入れようとそれで切り刻もうと試みる。

「正体がわかればさっさと終わらせる!」
「この人数で勝てると思ってんのか!茅場ァァァァッ!」

止める間もなかった。大きく振りかぶった武器を茅場へと・・・。
だが、茅場の動きのほうが一瞬速かった。左手を振り、出現したウインドウを素早く操作したかと思うと、二人の体は空中で停止し次いで床に音を立てて落下した。
「クラインッ!エギルッ!・・・ッ!!?」

HPバーにグリーンの枠が点滅している・・・!
麻痺状態だ!体が動かせない!!

「管理者権限による身体への強制麻痺のコマンドを入力した。どうだね?キリト君、私の正体を看破した報酬を―――」

その時、一筋の閃光が茅場へと解き放たれる。
しかし、茅場は当たり前のように咄嗟にそれを左手の十字盾で防御。
その正体は、銀時だった。

「・・・やはり君たちには効かないようだね。それもそのはずだ。君たちは部外者なのだから」
「てめぇ!あいつらに一体何をした!!」
「ただの麻痺だ。命に別状はないよ」

銀時に続くように後方から桂、近藤、土方が刀を構えて茅場へと突撃、無数の斬撃が放たれるもその強固な十字盾の前には何も意味を為さなかった。

「万事屋ッ!!このまま押し切るぞ!!」
「チッ・・・前々から気にくわねぇ野郎だと思っていたが、もう容赦しねぇ!!覚悟しやがれ!!」
「銀時!今の俺達なら奴を倒せる!!共に戦おう!!」

四対一・・・茅場が圧倒的に不利な状況だ。
だが、彼は何故か恐れることなく、確実に全ての斬撃をガードする。その表情にどこか余裕を余していた。口元にニヤリと笑みを浮かべ、数歩後ろに下がった瞬間、茅場は何故か剣を納めた。

「どういうつもりだ、団長様」
「全く・・・まだ話している最中だと言うのに君たちは落ち着きが無いな。ここはゲームの世界だ。ゲームであればゲームらしく君たちにチャンスを与えよう。今、この場で私、いや、・・・私『達』と一対一の勝ち越し戦―サドンデス―をしようではないか」
「一対一だぁ?俺達四人とてめえ一人、計算が合わねえだろ」

土方の問いに答えるかのように、轟音を立ててボス部屋の大扉がゆっくりと開かれる。
四人は思わず、その後方で開かれた扉を見据えた。




「くわばら・・・くわばら・・・・」




草履を履いているのか、ぺたぺたと足音を立てて一人の男がこちらへと歩いていく。


銀時、土方、近藤はその男の姿によく見覚えがあった。




「まさか・・・・野郎は・・・・ッッッ!!?」




次の瞬間。
銀時の周りに風が通り過ぎた。

あまりの速さに反応をすることができなかった。



気が付けば、土方、近藤、桂は宙を舞っていた。
身体中に、ダメージを受けたことを主張する赤いエフェクトを無数に浮かばせていた。


「どうだ?これで一対一・・・そして、今から君が戦う相手だ」


黒曜石の床に轟音を立てて三人の体が落ちた瞬間に、茅場の隣にはあの男が立っていた。




「安心しろ。まだ生きている。ただし、あと一撃受ければ生は無い」

「て、てめぇ・・・・!!」

「紹介しよう。彼はこの世界『アインクラッド』に君たちのような不確定因子を取り除く番人・・・アンチウイルスソフトウェアとも言うべき存在」
「わが名はライト・・・茅場、彼らにはもう説明をしている。これ以上は不要」

やせ細った体に青い無地の一張羅、長い黒髪を後ろの首元で纏めており歩くたびに髪をなびかせ、そして右手には黒刀。そして一番特徴的な『青い眼』。

この世界の宿敵ともいえる存在だ。

「やっぱりてめぇの配下だったのか」

銀時の額から一筋の汗が流れる。

以前、戦った時より速かった。

あの時より、成長をしている。