二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

銀魂 −アインクラッド篇−

INDEX|13ページ/155ページ|

次のページ前のページ
 

・・・

『ソードアート・オンライン』
・アインクラッド 第一層 はじまりの街 中央大広場・

「な、なぁ…大丈夫かギンさん?凄い汗の量だ…」
「はっ…ははは!大丈夫…な訳ねけだろォォォォォ!!!!最ッッッ悪な事態じゃねぇかァァァァ!!!!この作品完全に大長編クラスだよね!!?どっかに『映画 銀えもん キリトと剣の世界』みたいな副題出現してるよね!!?物語の大半は元の時代に帰れなくて困ってるけど終盤でようやくド○ミちゃんかタイムパトロール的な存在が助けに来てくれるパターンだよね!!?」
「ギンさん、言っている意味がわからないんだが。落ち着…」
「落ち着いていられる訳ねぇだろォォォ!!?大体なんなのお前!!?さっきから落ち着き過ぎだろ!!?あれですか!!?お前、映画ドラ○もんに出てくるゲストキャラポジションなんだろ!!?リルルとかエルみたいなポジションなんだろ!!?どうせ最後は悲しいお別れが待ち受けてんだろォォォ!!?」
「とりあえずこの世界は映画じゃなくてゲームの世界だし、そのドラ○もんっぽい題名すらないから安心しろよ。…というか俺はの○太くんポジションなんだな」

もし、この作品がドラマCD化されれば複数のピー音が流れるであろう危険な単語を次々と放つ銀時は頭を何度もかき回し、キリトは一筋の汗を流して目の前で暴れるおじさんをなだめていた。
ちなみにこの作品は銀魂とソードアート・オンラインのクロスオーバー作品であってドラ○もんの大長編とは一切関係無い。

「あ〜もう勘弁してくれよぉ…最近ジャンプでも長編尽くしでこちとらクタクタなんだよぉ〜銀さんにも休みくれよぉ。花澤さんも妖狐のイベントで休み無くて流石にぼやいてたよ?私にも休みほすぃ〜って」
「は、はぁ。そうだな」
「………。」

(あれ…なんだこの感じ…この物足りない感じ……気のせいか?)

「とりあえずキリト…そのっなんだ…銀さんあれだから。記憶喪失とか言ってたけどあれ嘘だから。銀さんは映画ドラ○もんと同じパターンで別の世界から来た部外者だから。今のうちに謝っとくから」
「ははっ。冗談だろ?」
「………。」

(あれっ…やっぱり物足りない。なんだこの感じ?何なんだ、この感じ!?)

「ギンさん、何もかも忘れてしまったんだな…根本的なことまで」
「いや、だから俺ぁ別の世界から…」
「いや、もう大丈夫だ。そんなトリップしてきたとか、変に中2臭い設定考えて冗談まで言って俺を困らせなくても良い」
「あれ、こいつ今さらりと酷いこと言わなかった?見た目から中2病臭い奴に中2臭いって言われたんだけど」
「俺も冷たくして悪かった」

困り果てた銀時を見たキリトはやれやれ…と手を横に振り、うなだれて地に伏せている銀時に手を差し伸べた。

「ギンさん、まぁ本当に困ってるみたいだから少しの間だけ一緒に行動してやるよ。どうせ行くあてなんてないんだろ?とりあえずと言ってはなんだけど、まず最初に俺の用事に付き合ってほしい。これから馴染みの店に行かなきゃいけないんだ」
「あ?馴染みの店だぁ?」
「まぁ移動しながら説明するよ。その後に戦い方とか基本的な行動とか教えてあげるから。…っとその前に、ギンさん、まず武器を装備するんだ」

銀時は先程覚えた動作でメニューウインドウ(ファミコン風)を開く。

「装備を選んで武器を選ぶんだ」
「装備…お、なんかあるぞ」
「見せてくれ…うっ…」
「え、何?」

キリトは思わず目を見開いた。
銀時の装備欄にあったのはただ一つ。
だが、その武器があまりにも使い物にならなかったのだ。

「『洞爺湖の木刀』…しかもStaminaKill(非殺傷)専用武器じゃないか。モンスターを気絶させるだけの武器がSAOにあるとは知らなかった。武器スキルはモンスターを倒したときのアイテムのドロップ率が高いってだけか」
「ばっかお前ぇ非殺傷武器舐めるな。縛りプレイ時には重宝するだろ。敵兵士を一人を殺さないでクリアすれば良い称号や無限バンダナとか手に入るし」
「いや、そういうゲームじゃないから。この世界」

銀時はキリトの指示のもと、ようやくこの世界で己の武器となる木刀を装備することに成功する。
キリト曰く、このゲームの世界には魔法という概念は存在せず、己の剣とスキルのみで攻略を進めていくらしい。
心の片隅で「ゲームの世界ならもしかしてかめはめ波とか打てるんじゃね?」とか期待していた銀時の夢はあっけなく崩れさったという。

「キリト、これからどこに行くんだ?」
「50層、アルゲードだ。一応アインクラッドの中で一番大きい都市なんだが、まぁギンさんは覚えてないか。実は俺、ギンさんに会う前まで74層で戦ってたんだ。本来ならそのままアルゲードに行く予定だったんだけど…まぁ知り合いから野暮用を頼まれてな、わざわざ最下部のこの1層まで降りてきたんだ」
「と、なると…お前さんの用事とやらの丁度帰りに…」
「そう、レベル5の雑魚モンスター達に襲われているギンさんを見つけたってことだ」
「え、嘘?あの猪って雑魚モンスターだったの?ド○クエでいうスライムだったの?銀さん普段は絶対見せないキメ顔で戦うつもりしてたんだけど」
「ははっ!なんだか例えがよくわからないけどそういうことだよ」

銀時はキリトに連れられて大広場の一角にそびえ立つ独特なオブジェクトの前に辿り着いた。説明によればこのオブジェクトの名前は『転移門』
ようするにこのオブジェクトと同じ物がある別の場所へとワープができるらしい。

「ギンさん、転移門の使い方…は、覚えてないよな。ただ門の前に立って『転移、アルゲード』って叫べば良いだけだ」
「転移、アルハザードだな」
「アルゲードだ」
「あ、あぁ…」
(…やっぱなんか違う。いつもの銀魂だったらここでなにかインパクトの強いものが…一体何だ?)

銀時は訳のわからない悩みで首を傾げつつ、転移門の目の前に立つ。

「いくぞ…ギンさん」
「あぁ!」

「「転移!アルゲード」」
叫んだ瞬間、二人の身体は青い光に包まれ周りの大広場の風景が溶け崩れるように消滅していく。光がひときわ眩しく輝き、消え去った時には転移が完了していた。
先程の1層『はじまりの街』の雰囲気とは打って変わり、甲高い鍛冶の槌音と賑やかな喧騒が耳朶を打つ。

「すげぇ、本当に移動しちまった」
「ここが、アインクラッド最大級の都市、アルゲードだ」

・アインクラッド 第50層 アルゲード 転移門前・

二人は円型の広場に到着した。
二人の後ろには高さ5メートルはあるはじまりの街と全く同じ形をした転移門がそびえ立つ。二人の周りは他の街に転移する者やどこからかやってきた者達がひっきりなしに消滅や出現を繰り返していた。
銀時の目に映るのは自分達の立つ円型の広場から四方に伸びる町並みだった。はじまりの街とは打って変わり、無数の商店街が隙間なく並ぶ、そう、この街を一言で説明しようとすれば猥雑だった。

「お、おぉ・・・まるで大江戸のターミナル付近の町並みみてぇだ。そういやキリト、これからどこに行くんだ?」