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銀魂 −アインクラッド篇−

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そして、茅場の脳裏に一瞬だけよぎる『敗北』の二文字。
聖騎士が負けることなど絶対にありえない。
なので、茅場は禁じ手を再び使用する。

オーバーアシストを使用し、長剣でキリトの持つ二本の剣を弾き返す。一瞬だけ力が抜けたように二本の剣が宙に浮き、その隙を狙うように更にオーバーアシストでキリトの胸部に向かって剣尖を突き入れようとした。

「私に敗北の二文字は存在しない。・・・さらばだ、キリト君」
「まだだッ!!俺はもう―――『ソロプレイヤー』じゃないッ!!」
「なんだと?・・・ッ」

茅場の長剣が弾き返された。
気が付けば、キリトを守るように栗色の髪の少女と銀髪の天然パーマの男が茅場の前に立ち塞がっていた。この間、キリトは顔色を一切変えてはいなかった。何故なら、今の自分には、仲間達に絶対的な信頼があったからだ。

「信じていたよ・・・アスナ。それに、ギンさん!!」
「・・・遅く、なったわね・・・キリト君。約束は守ったわよ」
「よくここまで持ちこたえたな。安心しろ、もう一人じゃねぇ」
「何故だ!何故システムによる全身麻痺の束縛から―――」

その時、茅場の頬に衝撃が走る。大きく突き飛ばされた茅場はその正体に理解できないまま派手に床へと叩きつけられる。よろめきながら立ち上がると、そこには瞳孔を開かせた目つきの悪い男が立っていた。

「よ〜やくてめぇのツラに一発ぶん殴ることができて清々したぜ。まだ思うように身体を動かせねぇが、今のてめぇを潰すのには十分だ」
「アスナさんの信念、俺達にも伝わりましたよ。さて、こっからは俺達も参戦させてもらうぜ。さっさと終わらせて俺はお妙さんに会いに行かなくてはいけないからな!」
「ツラじゃない桂だ。システム等で俺達を制御できると思うなよ、愚か者め。お生憎、俺達は昔からお上の言うことをすんなりと聞き入れられなくてな・・・覚悟しろ」

「トシ。ゴリラさんと桂さん・・・」

土方を筆頭に近藤と桂もキリト達の横に並び立つ。茅場の表情には驚きの色が絶えなかった。それもそのはずだ。本来動けない筈のアバター達が信念という言葉のみで動いているのだから。

「あんたらばっかり良いカッコされたら俺達の立場がなくなるでしょーがッ!」
「ったく、一人で突っ走りやがって・・・俺達がいることも忘れるなよ?」
「クラインッ!!エギルッ!!」

更に、必死に己の身体と抵抗をしたのであろうクラインとエギルもキリト達の横に並び立つ。これで8対1、ルールなど問答無用となってしまったが、ここまできたのであればもう止まれない。キリト達は茅場に向かって愛用の剣を構える。

「これは驚いた。麻痺から回復する手段などなかったはずだが」
「んなもん、俺達の魂には効かねぇよ。なにもかもをデータで管理するなんて思うんじゃねぇ。俺達の魂は名前を付けて保存をすることもできねーし、上書き保存もできねぇ。複製もできなきゃ切り取りもできねぇ。自分―てめぇ―の魂を扱えるのは自分―てめぇ―だけさ」
「なら、それを証明してもらおうじゃないか。君達の信念とやら、ましてや魂の共鳴とやらの力でこの聖騎士を超えることができるのかを、ね」
「あぁ。見せてやるよ・・・覚悟しろよ茅場。―――



・・・行くぞ皆ァァァァァッッッ!!!!」

キリトの咆哮とともに銀時たちも声を挙げ茅場へと己の剣を繰り出す。
最期の、運命の戦いの火蓋が再び落とされる。

騎士たちの眼にはGM―ゲームマスター―茅場晶彦が映されていた。

全ての初まり。

全ての元凶。

このゲームを終わらせる最期の鍵。



騎士達の想いが一つになった瞬間でもあった。



「クラインッ!エギルッ!盾を攻撃するんだ!!茅場だって人間なんだッ!!盾より先にそれを支える左手に限界が来る筈だッ!!」
「クライン!息を合わせろッ!!」
「あぁッ!そらッ・・・よ!!」
最初に前に出たのはクラインとエギルだった。クラインのカタナとエギルの斧がほぼ完全に同期したような動きで茅場の十字盾に斬撃を与える。キリトの言う通り、茅場にも余裕が無くなってきたのか、やや辛そうな表情を浮かべた。
「こうしてゲームマスター様に一撃与える日が訪れるとはなあ!てめえのお陰でこのゲーム初日に頼んだピザを食べ損なっちまったんだ!期間限定だったんだぜ?責任とりやがれ!」
「俺は現実―リアル―で喫茶店を開店させたばかりだったんだよ!この2年でテナント料がどうなっているのだろうか・・・それより店がまだあるのかわからないが、そろそろ帰らせてもらおうか!」
「そんなこと、知ったことではない・・・ふん!」

茅場は力任せにその巨大な盾で二人の身体ごと突き飛ばす。だが、クラインとエギルに続くように今度は近藤と桂が同じタイミングで床との垂直線を描くように刀を振り下ろした。茅場の左手も限界が近づいていたためか、やむ無く右手の長剣のみでそれを防御し、鍔迫り合い状態となる。

「まさかあんたが黒幕だったとは今でも信じられねぇな!!・・・だが、何故だ。何故てめぇに関係のねぇ人達を巻き込んだ!」
「ゴリ=ラン。君には人を引き寄せる何か特殊な力を持っているみたいだね。それをもっと上手く活用すれば君のギルドは血盟騎士団以上にすることも可能だったというのに・・・非常に残念だ」
「貴様の目的は何だ。地位か。それとも名誉、名声か。いや・・・今更それを問う必要はあるまい。何故なら、・・・貴様は俺達に倒されてしまうからだ!」
「私はなにも欲していない。この欲望を君達には一生理解することができないだろう・・・しかし、君達の剣は本当に無茶苦茶だな。騎士としての品が無いな」
「武州上がりの俺達には、んなもん持ち合わせてねーよ。あと・・・覚悟しろよ?『バラガキ』の刀は俺達以上の品の無さだ。半端ねぇぐらいに無茶苦茶だよ」
「バラガキ?・・・ッ!!?」

次の瞬間、近藤と桂の間を割って入るように刀による高速の垂直斬りが茅場に押し寄せたため、オーバーアシストを使用して左手の盾で防御する。だがそれだけでは終わらず、床へと振り下ろされた刀は再び同じ軌道を描きながら振り上げられ、更にそれも盾で防御する。予想外の攻撃に身体が追いつかず、ついに節々より悲鳴に似た痺れが茅場を襲った。

「おいおい、もしかして天下の血盟騎士団ギルドリーダー様が疲れてんじゃねぇだろうな?あ゛?」
「君はッ・・・ッ!!」
「戦場で一服している時間なんかねぇんだよ。覚悟しやがれ団長様ァ!!」

土方は茅場を罵倒しながら両手で構えた刀を縦横無尽に振り回す。待っていましたと不敵な笑みを浮かべながら刀を振り降ろすものなので茅場は心の奥底で恐怖を感じた。

「やはり君とは最期まで分かり合えることはできなかったね」
「できねーな。全てにおいてテメェが気に入らねぇ。あと、この世界を作った野郎が現れたとこにどうしても言いてぇ事があったのを、今思い出したぜッ!!―――・・・煙草とマヨネーズぐらい実装しておきやがれェェェェェェッッッ!!!!」
「何?―――ぬ゛ぅッ!!」

土方の刀が盾によって止められた瞬間、軸となっていた左足で大きく弧を描きながら茅場の内腿に強烈なキックを放ち、直撃を受けた本人は思わず床に膝を着いてしまった。