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銀魂 −アインクラッド篇−

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・・・

キリトはその後、明日の朝九時、七十四層のゲートでアスナと待ち合わせの約束をして現在男二人でアルゲードへと戻ろうとしていた。
「随分遅い時間まで居座っちまったな」
「あぁ、時間は・・・もう8時か。帰るついでにギンさんの装備揃えないとな」
「あ?俺ぁ別に防具なんざいらねぇよ。せめて剣だけで良い」
「馬鹿言うな!七十四層のダンジョンで丸腰装備なんて冗談きつすぎる!金あんましないけど、まぁ顔見知りの店寄って少しでも安く済ませるか」
「っと、そうだったな。このソードアート・オンラインっていうゲームはゲーム内で死んだら最後、復活することのできない超危険な生と死のRPGっつったな。まあジャンル的にはRPG以外にもありそうだが」
「?」

それでも、こんな恐ろしいゲーム内でも恋愛は存在するのだなと銀時は思った。
アスナ・・・キリトは気づいていないが完全に気になっているに違いない。これでも銀時は様々な出来事を歩んできたのだ。恋愛沙汰も少しだが見てきた。
もちろん、万事屋内ではそんなこと許せない銀時なのだが邪魔をしようとまでは思わない。幸い、アスナ自身もその気持ちが恋だとは気付いていないようだが、あの異様までのキリトの執着心、誰が見たってわかる。問題は間違いさえ起こさなければ・・・。まぁこの二人に限ってそんなことはありえないか。大体、何故キリトなのだろうか?こんな根暗で一人が大好きな奴とは・・・。

「どうした?ギンさん。俺の顔になんか着いてるか?」
「いや、別に・・・良かったなキリト。また一人大切な『友達』ができてよ」
「そうだな。アスナはあんなんだけど・・・まぁ、大切な『友達』・・・かな」

自分で言うのも気持ち悪いが、一瞬銀時は軽く自然と微笑んでしまった。
今はそれで良い。いずれ、何もしなくてもきっとアスナはキリトが守るべき大切な存在へと変わっていくだろう、と。
そんな時だった・・・・。

事件というのはいつだって、そう。突然起きる。

『あ、キリトさ〜ん!』
「ん?」
「あ?」

「あ、やっぱりキリトさんだ!お〜い!」

突如、自分達の目の前におおよそ13〜14才程度のアスナのとはやや薄い栗色のツインテールのまるでアイドルのような美少女がキリトの名前を何度も連呼してこちらへとパタパタとやってくる。その彼女のそばには全身をふわふわしたペールブルーの綿毛で包み尻尾の代わりに二本の大きな尾羽を伸ばした小さなドラゴンがピィピィと声を漏らしながら滞空している。

「お久しぶりですキリトさん!」
「シリカか、久しぶりだな。元気だったか?」
「はい!ピナもこの通り!」
『ピィ!ピィ!』

自然と、銀時の目が少しずつ死んでいく。
あれ?さっきまでのあの良い空気何だったんだ?と、銀時の脳内が混乱していく。
会話から察するに、・・・知り合い?

「こんな遅い時間に一人で歩いてたら危ないじゃないか。はやく家に帰るんだぞ?」
「ちょっとピナが好きなお花がこの層に咲いててつい遠出しちゃいました!もう帰りますよ?ってキリトさん!!?い、いきなり何を!!?」
「…ッ!あ、あぁ済まない…その、小さいころよく妹に頭撫でてて、ついクセで…」
「もう!わたしはキリトさんの妹じゃありません〜!」

あれ?おっかしいな…さっきまでのシリアスってなんだったっけ?シリアルだったっけ?
銀時の顔が引き吊り始めた。
もう一度おさらいしよう。ソードアート・オンラインっていうゲームはゲーム内で死んだら最後、復活することのできない超危険な生と死のRPG。
ジャンルはRPG…の筈。

「あれ、そういえばキリトさん。となりのおじさんは?」
「あぁ、紹介するよ。ギンさんだ」
「あ・・・あぁ、ギンだ。よろしく」
「わたし、シリカって言います!この子の名前はピナ!むかし、キリトさんに色々お世話になってたまにこうして会ってるんですよ!まぁ今日はたまたまですけど、えへへ・・・」
「へ、へぇ〜たまぁにね〜・・・はははッ」
「これからもよろしくお願いします!ギンおじさん!」
「え、何?ギンおじさんって何?もしかしてこの子軽く俺のこと馬鹿にしてんの?」

ちなみに、公式設定では銀時は20代後半である。
それは置いといて、キリトと銀時はシリカに別れを告げゲートを通り第四十八層『リンダース』という街に訪れた。

『ソードアート・オンライン』
・アインクラッド 第四十八層 リンダース・

アルゲードとまではいかないが中々活気のある街並みだった。
銀時はキリトに連れられるように後を追う。

「この先に知り合いが経営している店があるんだ。武器も防具も、なかなかリーズナブルで扱いやすいんだ」
「ほんとは銀さんこの一張羅と木刀で戦わなきゃいけねぇ気がするんだけどな。特徴無くなるし。まぁ死んだら元も子もねぇか」

せっかくキリトが特別に立て替えてくれると言うものなので銀時はその善意をありがたく受け取ろうとした。さっきの出来事が何気に引っかかっていたがまぁ忘れよう。彼女も言っていたがキリトとはあくまで知り合いの中らしい。ただ、去り際に頬を赤らめていたのがやや引っかかっていたのだが・・・。
そんな思考の中、目的の店に到着しキリトは何の躊躇もなく中へと入っていく。
「へぇ〜ここか、なかなか洒落てる店じゃぁ」
『いらっしゃいませ〜!って!キリト!!?』
「…あ?」
また、男にしては随分と高音域な声が銀時の鼓膜を刺激する。いや、一発で男ではないことがわかった。

「すまない、リズ。こんな夜遅くに」
「もう今何時だと思っているのよ!あと10分で店閉めるとこよ?」
「今日は一つお願いがあってきたんだ」

銀時の目には檜皮色のパフスリーブの上着に同色のフレアスカート、その上には純白のエプロン、胸元には赤いリボン。アスナとほぼ同い年ぐらいの女の子なのだろうか、ベビーピンクのふわふわとしたショートヘア…まあ説明はもう良い。つまり、また美少女だ。

「今日は何?また試し斬りとか言って店の商品壊さないでよ?」
「違うよ。防具が欲しいんだ」
「あんたが?防具?」
「いや、俺じゃなくてこっち、ギンさん」
「あ、あぁ。キリトの友達?珍しいわね〜。私の名前はリズベット!まぁ皆から気楽にリズって呼ばれてるわ!」
「あ、あぁよろしく、嬢ちゃん」

ただの…そう、ただの知り合いだよな?
うん。そう思うことにしよう。
銀時の怒りゲージが少しずつだが溜まりつつあるがこれでも自分は大人。多めに見ようとしていた。

「頼むリズ!七十層以上を攻略できる防具!立て替えてくれないか?必ず払うから!」
「は、はぁ!!?七十層クラスとなるとそこらへんの安物なんて通用しないってのに立て替え!!?うちだって商売なのよ!!?」
「じゃあせめて少しだすよ!ギンさんでも戦えるアーマーなんでも良いから!なぁ頼む!この通り!」
「まぁそのなんだ・・・別に銀さん安物でも良いから、嬢ちゃん悪ぃ、俺からも頼む」
「そ、そこまで言われるとな・・・」

リズベットは頬をポリポリとかき店内に陳列されている防具を片っ端から選び始めた。
どうやら銀時とキリトの必死なお願いが通じたらしい。
リズベットは防具を選びながらキリトと会話を続けた。