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銀魂 −アインクラッド篇−

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・・・

「さぁ〜てっ・・・ひっく!・・・どうです?ヒースクリフさま・・うっく・・・酔いも良い感じで回ってたことですし、そろそろ『団長様ゲーム』でもはっじめましょ〜ッ!!キヒヒヒヒっ!」
完全に泥酔のような状態と化したクラディールの提案にアスナは心底面倒くさそうな表情で大きなため息をする。
――――『団長様ゲーム』とは、用意するものは男性と女性と割り箸のみ。
「団長」と番号を書いたくじを割り箸でつくる。くじをみんなで引き、団長様を引き当てた人は団長になり、様々な命令(拒否不可)を下す事ができる大人のゲーム・・・というか、王様ゲームである。
「クラディール、ゲームにかこつけて変な事するつもりなら容赦しませんからね」
「ごあんしんくださいアスナさま、うっく・・・私はそのような下心など一切ございませぬ・・・ひっく・・・ニヒヒっ」
((いやっ・・・ていうか・・団長いるんだけど))

銀時にいたっては『デジャブ』という物を体感していた。
前に、このような場面が確か銀魂本編内でもあっただろうに・・・まさか、まさかと思うがあのような大参事にはならないだろうか?・・・最悪の事態になる前にこっそりとキリトに耳打ちをする。

「いいかキリト・・・ここで団長の身になにかありゃ、相当やべぇぞ。何が何でも団長に団長を引き当てるんだ。それが不可能であれば俺、もしくはお前が団長になって団長を楽しませるんだ。いいか?」
「団長団長言うなよ。訳わからないから。それより明日、決闘―デュエル―する相手に何しているんだろう俺。今俺たちの事がバレたら明日どうなるか想像つかないんだけど」
「だから、なおさら団長の機嫌を損なわせないようにしねぇといけねんだよ!ここで機嫌悪くさせて明日の決闘にそのストレス持ち込ませたらお前ぇが不利な状況になるだろうが!」
「そ、そうだよな・・・ここが正念場だ!」

クラディールは準備ができたのか、左手に割り箸の束を持ち早速「団長様ゲーム」を始めようとする・・・しかし、少しでも団長が不快にならない様にするためには、もう少し策を練らなければならない。そう考えたキリトは大急ぎでクラディールの左手を止めた。
「クラディールさま!そのような役目は私がさせていただきますわ!変わりにくじを持ちますので一緒にゲームに参加してくださいませッ!」
「おお、気が利くではないか!」
(でかしたキリト!お前の手に割り箸のくじが渡れば小細工することが可能となる!)
「それでは皆様、わたしの『せーの』の掛け声で来てください・・・・せーのォォォォッ!!」
クラディールから半ば強引に割り箸のくじを持つ役を引き受けたキリトは怒号の叫びにも似た「せーの」と同時に、「団長」と書かれたくじをあからさまに見えるようにヒースクリフの元へ突きつける!団長が団長を引き当てれば団長に被害が及ぶことは一切無い。しかし、キリトの考えは甘かった―――ヒースクリフがくじに手を伸ばした瞬間、キリトの手の中にくじはもう無かったのだ!

「遅い―――ッ!」
「私が団長だァァァッ!団長になって!アスナ様とあんなことこんなことをッ!」
「おやおや・・・アスナ君もクラディールも何をそんな本気に・・・」

(なにぃぃぃ!?は、速いィィィ!だ、団長は!?)

アスナは閃光が如く、キリトにも目で追えない速さでくじを引き抜き、クラディールにいたっては先程の泥酔が嘘かのようにアスナへの執念だけでヒースクリフより先にくじを引き抜いた。キリトの持っていた最後の一本は数字、団長棒ではない。なら、他の誰かが団長となる。誰だ・・・誰が団長なのだ・・・ッ!!

「あ〜私団長だわ」
(ッ!ギンさん!!)

アスナをも上回る音速の引きで銀時は団長棒を手にした。―――銀時は察知していた。最悪の展開を予知し皆の気配を感知、誰よりも早く団長棒を引き抜いていたのだ。
しかし、銀時が団長となっても意味がないではないか・・・だが、キリトの心配は一瞬で吹き飛んだ。

「え〜と、じゃあ、4番引いた人。下着姿になってもらえますぅ?」

(そうかッ!この命令であれば団長が団長でなかろうと視覚的に楽しませることができる!流石ギンさんだ!)

ちなみに、銀時は団長棒を引くと同時にアスナの引いた棒の番号を見ていた為、アスナにも被害が及ばないように考慮していたのはキリトに内緒である。

(残念ながらクラディールさんよ。あんたの破廉恥な考えはこちとら全て御見通しなんだよ。悪ぃがあんた自身が破廉恥な恰好になってもらうぜ!)

―――同じ失敗はしない。
前は全く同じ場面で、かの『将軍様』を裸にして大参事となった。
銀時はアスナの引いた棒と一緒にクラディールの引いた棒の番号もしっかりと把握していたのだ。銀時はにやりと心の中で微笑んでいた・・・・が。

「ふむ、私か」

ガラスがはじけ飛ぶような音を鳴らしてヒースクリフは自身の血盟騎士団の制服を解除。

ブリーフ一枚となった。

((団長かよォォォォォ!!))

あれ、うそ、なんで?
銀時の額から滝のように汗が噴き出す。
目が虚ろとなり焦点が定まらない。

おかしい・・・絶対おかしい!
自分は間違いなく、指定した番号を変態・・・いや、クラディールが引いていたはずだ!

「やべーよ。たしかにあの変態が4番引いたのになんで4番持っているんだよあのバカ団長。やべーよ怒ってるよあれ絶対、勘弁してくれよ、悪気はなかったんだよ。しかも、よりによってもっさりブリーフの日にあたっちまったよ。恥の上塗りだよ」
「ふぅ・・・懐かしいな。私が今日の血盟騎士団を立ち上げる前だったかな・・・当時はあまりにも資金難が深刻化していて、恥ずかしい話、下着の一枚を購入するお金も無かった時期があったな。何故か今、思い出したよ」
「やべーよ聞こえてたよ。今の状況を欺くために恥ずかしい昔話を出してきたよ」

キリトは考える・・・今も相当大変な状況なのだが、これ以上団長の身に何かがあれば自分たちの身の安全が保証できない。こちらの状況に気がついた周りにいる他の団員の視線が先程から突き刺さる。一刻も早く団長をなんとかしなければ!!

「よ、よ〜し!この勢いで次行くわよ〜・・・団長様だァァれだァァァァァァッッッ!!!!」

次は失敗しない。ソードスキルが使えない今、自分に出来る事はシステムの限界まで自身を加速、さらに加速!何がなんでも団長に団長棒を掴んでもらう。あからさまに掴んでくれと自己主張する団長棒を団長の右手目掛けて突きを放つ!
「キリコ!その程度じゃ駄目だ!」
「ギ―――ッ!!」
・・・それでも、『彼女』にとっては遅かった。
アスナはボス攻略時でしか見せないであろう鋭い眼で正確に団長棒を人差し指と中指で捉え、銀時すら指を一歩も動かせない速度でそれを取り上げた。

「ふふっ!私が団長様ね」
「アスナ君、意外と乗り気だね」
「そんな!また私は平民だというのか!?」
「嘘だろっ・・アスナにあそこまでの速さを持つソードスキルを隠しもっていたなんてっ」
「いや、違うと思うよ・・・たぶん」