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銀魂 −アインクラッド篇−

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ギンさん・・・間違いなく、SAOに囚われて以来の強敵だ。
そんな強敵だと断言できる相手に、キリトはかつてないほどの加速感を味わっていた。
まだだ。まだ上がる!
全能力を開放して剣を振るう法悦がキリトの全身を包んでいた。

「さあ来やがれキリト!てめぇの本気とやらを全部受け止めきってやる!!」
「あぁいいぜ!俺はあんたに勝ってアスナを連れて行く!!それが、アスナとの約束だァァァァアアアッ!!」

――――全集中。
防御は捨てろ!
ありったけの全てをぶつける!!

スキルを使え!
ギンさんに一矢報いるには、もう『あれ』しかないッ!!

キリトは体を何度も捻り、己の剣に勢いをつけつつ変則な軌道を描いて銀時との間合いを詰める!銀時はその場から動かず、ただ、自分の元へと駆け寄ってくる男に一撃を入れる為、両手で剣を構えるのみだった。
「スターバースト・ストリームッ!!」
身体を捻りに捻った為、多方向からの変則な斬撃が銀時へ殺到する。
「なにっ・・・」
初撃から続く斬撃は全てガードされてしまうが、次第に銀時の身体がその斬撃に追い付かなくなり、少しずつ焦り始める。たとえ、一撃でも当ってしまえばその場で試合は終了。
「あ゛ぁァァァァァァァアアアッ!!」
(止めるなッ!叩き続けろッ!何も考えるなッ!考えてしまえば刀身の軌道が全てギンさんに読まれてしまうっ!)
この技はキリトにとって最後の攻撃でもあった。もし、この十六連撃が一度も当らなければキリトはソードスキルの使用による長い硬直が発生。言わずとも敗北が決定してしまう。過去に一度、この技を銀時に見せてしまったために同じ攻撃方法では絶対に当たらない。だから、変則的な動きを取り入れることによって、その問題を解決へと導いた―――全て、銀時のおかげでもあった。
「くッ・・・強くなったな・・・キリト・・・これ以上は、本当にやべぇかもなッ!」
(駄目だッ!最後の残り五撃ッ!このままじゃ全てギンさんにガードされてしまうッ!)
キリトが押しつつもそれに適応する化物染みた銀時の直感を前にキリトも焦り始める。キリトはわずか一瞬であったが色々な手を考える。どこからどの方向へ叩きつけば最適か―――。
(駄目だ駄目だ!また考えている!!考えるなッ!!考えるより先に身体を動かせッ!!)
残り二撃、うち一撃が銀時の頭上に振り下ろされ、銀時は両手でそれをガード。銀時の顔はとても辛そうであり、互いに神経をすり減らし続けている事を知ったキリトは、身勝手の如く右足で仕返しと言わんばかりに銀時の腹部に蹴りを入れた!!さすがに銀時本人も予想外だったらしく、わずか一瞬であったものの、己の剣に込める力をほんの少しだけ抜いてしまったのだ。

(見えたッ!!ギンさんの隙ッ!!ここだァァァァァァアアアッ!!!!)

一瞬だけ宙に浮いた銀時の身体にキリトは最後の一撃が通ることを確信し、最後の右斜め斬りが放たれる。
これが当たれば確実に銀時のHPは半分を割り、デュエルが決着する。


鈍い音が響き渡る。

だが、それは決め手の一撃ではなかった。



「う゛っ・・・あぶねッ・・・」
「な゛ぁッ!!?」



止められた。
最後の一撃が、右斜めからの音速の斬りは銀時の剣の『柄』で止められた。

(なんて男だ・・・ッ!!スターバースト・ストリームでも、ダメなのかッ!!?)

スキル後の硬直が発生し、キリトの身体は無防備になる。
しかし、銀時もキリトの放った十六連撃をまともに受け続けた為に思う様に身体が動かない。
わずか数秒の出来事なのだが2人にとっては、とても長く感じていた。

「悪ぃが、お前ぇの負けだ」

銀時は柄でキリトの剣を押し返し、キリトの頭上目掛けて突きを放つ。





駄目だ、負ける。

少しでも良い、身体を動かせッ!


動けッ!スキル後の硬直に負けるなッ!!



動けッ、動けッ!動けッ!!




次の瞬間。
再び鈍い音が響き渡った。だが、先程の金属と金属がぶつかりあった音ではなく、まるで人体を切断されたかのような嫌な音だった。

「んだとッ!?」



銀時は思わず声に出して驚いてしまった。
放たれた突きにキリトは左手の剣を捨てて手の甲で防御。データ上の自分の身体に入り込み、無残にも突き刺さったその剣はいくら抜こうとしてもピクリとも動かない。




――――アスナは、俺が連れて行く・・・・・ッ!!連れていくんだァァァッ!!!!



「・・・・ァァァァァァァァアアアア゛ア゛ア゛ッ!!!!」



キリトは残った右手で硬直をもろともせず大きく剣を振り上げる。
その剣の重みに任せて銀時の頭部に目掛けて振り下ろす!!





その一瞬の世界でキリトの目に銀時の顔が映った。



その目に先程の鬼は映っていない。

どこか、とても満足そうな笑顔だった。




―――しかし。



それはキリトも、ましてや銀時もが予測が出来ず、意外な最後を迎えたのだ。