二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

銀魂 −アインクラッド篇−

INDEX|80ページ/155ページ|

次のページ前のページ
 

・・・

昔、とある迷宮区で偶然助太刀した縁で誘われたギルドがあった。
ギルドと言っても、5人しかいない小さなギルドだった。
そのギルドの名前は『月夜の黒猫団』。

正直、彼らのレベルは俺よりも低く、自分のレベルを言ってしまえば皆遠慮して引きさがっただろう。だが、当時の俺は単独で迷宮に潜る毎日にやや疲れていたため、彼らのアットホームな雰囲気がとても眩しく、ネットゲーム特有の距離感のないやりとりに強く引き付けられた。

彼らは俺に、ギルドに2人いる槍使いの片方が盾剣士に転向するコーチをしてくれないかと言った。預けられた槍使いは、黒髪で肩まで垂らしたおとなしい女の子だった。
俺と彼女は良く似ていた。自分の周囲に壁を作る癖。言葉足らずでそれでいて寂しがり屋な所まで。

ある時、彼女は俺に、唐突に内心を吐露した。死ぬのが怖い。このゲームが怖くてたまらない。本当はフィールドに出たくない。俺はその告白に対して「君は死なない」としか言えなかった。本当のレベルをひたすらに隠していた俺にそれ以上の何を言う事もできなかった。彼女はそれを聞いて、少しだけ泣き、そして、笑った。

ある日、俺達はリーダーを除く5人で迷宮に潜る事になった。リーダーは貯まった資金でギルドホームにする家を購入するべく交渉に出かけていた。

既に攻略されていた迷宮区だったが、未踏破部分も多く、そろそろ帰ろうとした時になってメンバーの1人がトレジャーボックスを見つけた。

俺は手を出さないことを主張する。
だが、反対したのは俺と彼女だけで3対2で押し切られた。

運悪く、それはアラームトラップだった。

けたたましい警報が鳴り響き、部屋の入口から無数のモンスターが湧き出し、咄嗟に転移結晶で逃れようとするも、そこは、結晶無効化空間でクリスタルは作動しなかった。

メンバーはパニックを起こし逃げ惑う。
恐慌状態に陥ったメンバーは通路に脱出することもままならず、1人。また1人とHPをゼロにして悲鳴と破片をまき散らしながら消えていく―――。

彼女だけでも救わなければ。
そう思って俺は必死に剣を振るい続ける。

しかし、間に合わなかった。

こちらに向かって手を差し伸べる彼女をモンスターの剣が無慈悲に切り倒し、儚く砕け散るその瞬間まで、彼女は俺を信じきった目をしていた・・・。


―――その後、俺は『1人』で迷宮区を後にした。

帰った矢先、リーダーは何があったのかを説明を求める。
俺は話す。



話し終える・・・そして、一言だけ口にした。

「なぜお前だけが生還できた」

リーダーは、異物を見るかのような無感情な一瞥を俺に浴びせた。


そしてリーダーは、アインクラッドの外周から飛び降り、『自殺』した。