銀魂 −アインクラッド篇−
・・・
「最期まで俺を呪っていただろう・・・な」
自分の声が詰まるのを感じた。
心の奥底に封印したつもりの記憶だったが、初めて言葉にすることによってあの時の痛みが蘇ってきた。
話し終えたと同時に、座っていたアスナが不意に立ち上がり、両手でキリトの顔を包み込んだ。穏やかな微笑を湛えた美しい顔が、キリトのすぐ目の前まで近づいた。
「わたしは死なない・・・わたしは、君を守るほうだもん」
「・・・っ!こ、こんなとこ、ギンさんに見られたら怒られるよ」
「構わないわよ。それでも怒るならギンさんにも同じことする」
「それは――!!」
「冗談よ。だっておじさん臭いもん。・・・それに、
こんなことするの、君だけだから―――」
胸の奥が苦しくなる。
目頭が熱い。
何故か、泣きそうになった。
今にも、声を出して叫びたくなった。
キリトは無意識にアスナの背中に手を回し、強く、彼女を抱きしめる。
アスナはそんなキリトを受け入れる。
お互いデータの身体なのに、とても温かい。
アスナは今にも崩れそうな彼を、優しく抱擁した―――。
作品名:銀魂 −アインクラッド篇− 作家名:a-o-w