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銀魂 −アインクラッド篇−

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・・・
『ソードアート・オンライン』
・第五十五層 グランザム主街区 血盟騎士団本部

血盟騎士団の本部の地下。
どこからか獣が唸る声が聞こえてくる石造りの廊下。
その廊下に無数に並ぶ鉄格子で閉ざされた地下牢の一室に銀髪の男は幽閉されていた。
あの決闘―デュエル―の後、血盟騎士団の団員達に拘束をされた銀時は事情について一切聞かれず、そのままここへと送られてしまい2日間なにもすることがなかったので、ひたすら天井に空いている穴の数を数えて暇を潰していた。
そんな時、遠くからカツ、カツ・・・と金属音を立ててこちらへと向かってくる足音が聞こえてくる。足音を聞く限り1人らしい。その人物が銀時の幽閉される牢獄の前に到着し、ぶっきらぼうに銀時は問いかけた。
「おう。もう解放してくれんのか?」
「はッ!良い様だな。ヒースクリフ様に無礼な行いをするからこのような事になるのだ!」
「んだよ・・・あんたか」
「良かったな。貴様の悪事がアインクラッド中に知れ渡るのは時間の問題だ。今日からお前は今までのように我が物顔で道を歩く事ができなくなるぞ」
銀時はその人物を良く知っている。
この世界に移動してきてからずっと仲間をストーカーしている人物だったからだ。
「クラディールさんよ。ここにきても嬢ちゃんはいねぇぞ?」
「別にアスナ様に会いに来たわけではない。貴様に用があってわざわざ足を運んだのだ」
クラディールはロックを解除し、牢獄の中へと入る。
「おいおい、嬢ちゃんを諦めて今度は俺?勘弁してくれよ。俺、別に男に興味ないんだけど。これ以上フラグ管理もしきれねぇよ」
「ようやくこの時を待ちかねたぞ・・・貴様に良い事を教えてやろう。この牢獄の中ではな、抜刀をすることができないのだ。システムがそれを管理している」
「・・・だから、何?」
「逆に・・・抜刀以外の行動に関してはこの牢獄の中でどのような事が行われてもシステムはそれを感知しない。その変わりに所有するギルドがそれを管理・もしくは監視する権限を与えらえる」
「さっきから何が言いてぇんだ?」
「牢獄の中でどのような事が行われても感知しない。それに加えて所有するギルドが管理できる・・・ここは血盟騎士団が管理している。そして私は血盟騎士団・・・つまりだな。




・・・・こーいうことが、好き勝手出来ちゃうんだよっ!キヘヘヘヘヘッ!!」

―――その瞬間、銀時の頭部が石造りの地面に思いきり叩きつけられた。
自分はデータなので痛みは感じないが、頭部には痛みに変わる嫌な不快感だけが残される。
「痛ぇな・・・こんなことして何の意味あるんだよ」
「黙れ黙れ黙れッ!!俺は何度もこの場面を夢見ていたッ!!よーやくてめぇをボッコボコにしてやれるんだからよォォォォッ!!」
クラディールは銀時の髪を掴み無理やり立たされ、何度も何度も顔面に拳を入れられる。抵抗をしようと試みるも、牢獄内ではシステムが掌握されている為か思う様に身体を動かす事ができなかった。銀時のHPバーが微量ではあるも少しずつ減らされていく。そのバーが黄色になった瞬間、銀時は顔面を掴まれたまま、再び地面に叩きつけられた。
「おいおい。天下の血盟騎士団様は拷問をするようなギルドだったんですか?」
「うっせーな黙れよ天パー。てめぇさえ俺の前に現れなかったら俺はあの『女』の前でここまで恥を晒すようなことはなかったんだよぉ。全部てめぇとあのガキの責任だ。罪を償いやがれ」
「へっ。嫉妬か?まさか本当の変態だとは知らなかっ―――」
銀時の口が閉ざされる。
クラディールが自身の右足でおもいきり銀時の後頭部を踏みつけ、口が開けなくなった。
「良い様だな。そういえば、俺は本来この場でお前に報告をするために来たんだ。言うの忘れてたぜ。たった今、てめぇは拘束を解除、晴れて自由の身だ。その変わり、血盟騎士団が所有するとある層の練習場に最近湧き出るモンスターの討伐の任に就くことが条件。拒否権はねぇ強制だ。そして・・・お前はそこでモンスター共の餌食になって殺される。なぜだかわかるか?キヒヒヒッ!特別に教えてやるぜ―――」
クラディールは銀時の頭を押さえながら、ひっそりと耳元で呟いた。
「俺が今からそこに連れていく。俺が自分から志願したんだ。ありがたく思え・・・だが、連れて行くのは練習場でもなんでもねぇ・・・・お前が行くのは、最大最凶のPK―プレイヤーキル―ギルド『ラフィン・コフィン』の残党が根城にする薄暗〜い洞窟の中だ!ヒャハハハハハッ!!」
「・・・・?」

残念ながら、銀時にはクラディールが言っている意味が理解できなかった。
この世界に来て日が浅い為に専門用語に疎く、おそらく自分はとんでもない所に連れていかれるのだなと思ったが、そもそも知らないのであまり恐怖感が湧いてこない。

「おいおい、ビビッて言葉が出なくなったか?」
(いや、よくわからないんですけど・・・あとしゃべれないんですけど)
「まあ良い。ほら立ちやがれ」

銀時はクラディールに胸倉を掴まれ、再び無理やり立たされる。
クラディールは慣れた手つきで銀時の両手を後ろに回し、何もできないように両手に青白く光る輪を装着させられ拘束される。
クラディールは牢獄の外に出ようとした瞬間、何か思いだしたかのように再び銀時に話し始めた。
「そういえば、もう一つてめぇに言っておくことがあったな。俺はこの後、てめぇが御守していたあのガキと一緒に任務に就くことになっている」
「・・・キリト?」
「ヒヒっ!丁度、そのパーティのリーダーが脳筋馬鹿でなぁ・・・一体、どのような任務になるのかねぇ・・・楽しみだねぇ!ヒャハ――――」
牢獄内には笑い声ではなく何かを叩きつけられたような鈍い音が響き渡る。
クラディールが高笑いをしようとした瞬間、銀時の頭突きがクラディールの額に直撃。受けた本人は焦点が合わずふらふらと千鳥足になりその場で気絶しそうにもなる。
「てめぇッ!あいつに一体何をするつもりだ!!答えやがれッ!!」
銀時は吠える―――だが、クラディールは壊れたように肩をしゃくらせながら笑い始め、その勢いで銀時の口に無理やり瓶を突っ込んだ!
「―――ッ!!?」
「・・・ってーな。今のは痛かったぞぉ〜・・・ふざけんじゃねぇよ。せっかく使おうとしていた貴重な『麻痺毒』を今ここでてめぇに使っちまったじゃねぇかァァァァァァアアア!!」
「な゛・・・あッ・・・」
視界が朦朧とする。
全身の力が抜け、その場に崩れ落ちる。

意識が途絶そうになる。
薄れゆく意識で唯一確認できたのは、自分の身体は何度も何度も踏みつけられていた姿だった――――。