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銀魂 −アインクラッド篇−

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無味無臭―――ただの水にでも入れられると判別はまずできない。
いくら高レベルだとしても飲まされれば赤子同前。
始末する事など造作もない事だ。

「ふざけやがって!!一刻も早く連絡をしねぇと!嬢ちゃんでも誰でも良いッ!!あの男をとめねぇと―――――」

走る銀時に、そのスピードより速く『何か』が横切る。
その何かは銀時の目の前で轟音を立てて衝突し、煙が立ちあがる。
銀時は走るのを止めて煙の正体を確認する。

そして、その正体を見て絶句した。

先程、自分と話していた男だ。

男は呻きながら助けてと言わんばかりに銀時に手を差し伸べる。
体中が何かに切られたような無数の赤いエフェクトを表示させ、HPバーはほぼ0に近い状態、微かに赤いドットが見える。

銀時の後方からまた新しい足音が聞こえてくる。まるで、草履を履いているような足音だった。

「くわばらくわばら・・・・」
「っ!?」

低音の低い男の声が洞窟内に響き渡る―――。
男の姿が次第と鮮明になる。
声の割りには見た目は若くおよそ20代後半。身体はやせ細っており青い無地の一張羅に防具と呼べるものは何一つ装備していない。長い黒髪を後ろの首元で纏めており歩くたびに髪をなびかせる。そして右手には黒い『カタナ』。黒刀だ。そして一番特徴的なのは『青い眼』であり、とても鋭く、その眼から発せられる威圧に銀時すらも肌でピリピリと感じていた。男の頭上にはオレンジ色のカーソル。仲間か?

「我が名は『ライト』。今は亡きラフィン・コフィンの幹部だった」
「いや、誰も聞いてねぇんだけど」
「武士であれば名乗るのは当然の行為。貴様、名はなんと言う」
「なんで見ず知らずの野郎に名前を言わねぇといけねえんだ」
「名乗らない。それも良い。聞いたところで意味は無い。すぐにこの世界から消え去るから―――」

銀時の前に現れた『ライト』と名乗る男。
この男は『普通』ではない。なぜなら、先程から「今すぐ逃げろ」と身体が拒絶反応を示しているからだ。

銀時は急いでいるのだが、再びその足取りを止められてしまった―――。