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銀魂 −アインクラッド篇−

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「これ以上抵抗するというなら容赦はしないわ。だけど、もしここで降参するのであればあなたの身の安全は保証します。だから教えて・・・何故あなたはキリト君を狙うの?『頼まれた』と言っていたわね。依頼したのはどこの誰?答えてっ!」
「こ、こわいよ〜っ!そんなおっかない顔しないでっ!お姉さんはきっと笑った顔が一番似合っているとおもうなっ!」
「聞いているのは私よっ!答えなさい!!」
「ごめんなさいっ!怒ったならあやまるよっ!・・・・でも私はねっ、





――――そもそもあなたに用がないのっ!だから、もうこれでおしまいにしようっ!」
「っ!!」

バネとなる足を負傷させたのにもかかわらず、開戦当初と同じ、いや、それ以上のスピードでアスナへと間合いを詰める!
何故だ?何故それができる?
―――違う。利き足を『変えた』のだ!
右足をバネとして負傷している左足で第一歩を踏みしめる。一張羅からちらりと見える彼女の左足は誰がどう見ても重症だ。だがそれを忘れたかのように『当たり前』に酷使するその姿に見ていられなくなる。
レフティは右手の長剣を自身の左肩まで持っていき構え、アスナに一太刀入れようとする。
(ただの右から来る垂直斬りっ!)
そう確信したアスナは単純に突っ込んでくるレフティに一撃を入れる為、姿勢を低くして彼女の攻撃を避け、再び腹部に一撃を与えようと考えていた――――。

だが、キリトはレフティの剣を見逃さなかった。
アスナに斬りかかろうとしたとき、その刀身が赤く光った事を!!

まずい、普通の斬撃ではない!!

「駄目だアスナっ!!避けろォォォォォォっ!!」
「えっ?」

まるで、時代劇の1シーンで剣豪が侍相手に一太刀入れた時のような綺麗な音が響いた。
とても綺麗な音だった。

アスナは大きく目を見開く。
そこには満面な笑みをするレフティがいる。
その間に自身の愛剣―――『レイピア』の中心から剣先までの刀身が舞っていた。

更に、自分の身体を凝視する。
両膝に深く、鋭い一撃を受けていた。
血液じみた鮮紅色の光点を切断面から無数に振り撒きながら、両足をやられたアスナは無残にもその場に倒れてしまった。

「ぐうっ!!あ゛・・・・はぁっ・・・・・ぁ・・・・」
「ア・・・アスナァァァァァァァッ!!!!」
「はいっ!残念ながらお姉さんの負けっ!だけどギリギリ回避したみたいだねっ?本当は両足無くす勢いで斬ったんだけどっ!本当にすごいよっ!」

アスナは這いつくばりながらレフティにこれ以上近づけさせないと手を伸ばすが、そんなことお構いなしに今度は当初の目的通り、キリトに向かって歩いていく。しかし、そんな必死なアスナに気が付いたレフティは一旦歩くのを止めくるりと振り返り、ふたたび満面な笑みでアスナに話し始めた。

「せっかくだから、お姉さんに私の『エクストラスキル』を教えてあげるっ!『斬鉄斬』って言ってね?『どんなもの』でも綺麗に斬ることができるんだっ!たとえそれがプレイヤーでも一刀両断することができるのっ!すごいでしょっ!」
「な゛っあっ・・・・」
「安心してっ!お姉さんが大好きなキリトくんには嫌な思いをさせない様に、首をすぱっ!と斬り落として何も感じさせない様に終わらせちゃうからねっ!」

――――エクストラスキル持ち?斬鉄斬?どんなものでも斬ることができる?
そんな・・・自分はそのような相手と一戦交えていたのか?
最初から、勝ち負けは決まっていたようなものではないか。

「アスナっ!アスナ゛ァァァァァァアアアッ!!」
「大丈夫だよキリトくんっ!別にお姉さんを殺すつもりはないから安心してっ!何回も言うけど、私は君を殺すためだけにやってきただけなんだからっ!」
「お前ッ!お前ェェェェッ!!!!」

駄目だ、まだ動けない!!
ここで終わるのか!?
まだだッ!まだこんなところで終われない!!
抵抗しろッ!何もできないとしても己の身体に抵抗し続けるんだッ!!

「君を殺したあと、ちゃ〜んとお姉さんを回復させてギルドに帰してあげるからさっ・・・・それじゃ、バイバイっ!キリトくんっ!!」

レフティは満面な笑みのまま長剣をキリトの首目掛けて薙ぎ払おうとする!
そんなレフティに殺されそうになるにも関わらず、キリトはひたすらに彼女の名前を叫びつつ動けない自分に抵抗する!

レフティの持つ無骨な長剣に再び赤い光が灯る。アスナにも与えた同じスキルを発動している!
あと10センチ・・・5センチ・・・1センチ・・・10ミリ・・・ッ!!

ブォン、と空回りをしたような音が響く。
瞬間、キリトの後ろにあったゴツゴツとした巨大な岩が一刀両断され、その切断面があまりにも綺麗だった。

「――――――ッ!!?」

アスナが言葉を失う。
動きたくても、助けに行きたくても、何もできない。
這いつくばった地面からは、どうなっているのか確認できない。

――――次第に、大切な人を失ってしまったという喪失感が生まれ、涙腺が熱くなってきた。
しかし、レフティの腑に落ちない一言に一筋の希望が生まれた。

「・・・あれっ・・・動けたんだねっ!」
「えっ!?」

彼女は空を見上げていた。
アスナもその先を見つめる――――そこには、彼の姿があった。

「ぬ゛あァァァァァッ!!」

キリトは剣を抜刀し、降下する勢いを上乗せさせレフティ目掛けて二連撃を放つ!彼女はそんなキリトにも微笑みながらそれを容易く回避、その斬撃は地面に直撃し地響きを鳴らした。

「ハァッ・・・ハァッ・・・」
(う・・・動いたッ!麻痺も毒も無くなったッ!・・・だけど、まだ完全じゃないッ!麻痺の後遺症なのか身体が思う様に動かせないッ!!)
「へぇ〜!それが噂のエクストラスキル『二刀流』かぁっ!かっこいいねぇ〜っ!」
「ハァッ・・・ハァッ・・・っ!!」
キリトは大地を蹴り、一気に間合いを詰め、右手の剣を左斜め下から右斜め上に向かって振り上げる!レフティはそれを己の剣でガード、それと同時に今度は左の剣をキリトの身体の後方から前に突き出す。彼女はそれも回避をしようとするも間に合わなかったのか右肩にヒットする。
「なるほどっ!これは厄介だねっ!」
(攻撃を続けろっ!彼女にあのスキルを使わせるなっ!使わせればガードをすることができないッ!)
アスナとの戦いを見ていたキリトにはおおよそ彼女の立ち回り方を把握していた。
しかし、一番の問題は『斬鉄斬』というエクストラスキルだ。
予測ではあるが、この技を使われればガードは無意味、それどころか一撃必殺と言っても過言ではないだろう。
それを対処するには、とにかく攻撃を与え続けること。スキルを使わせる隙を発生させないこと。

本当であれば今すぐ逃げたいっ・・・1人で相手をできるような状態ではない。
だけど許せない――――。アスナをここまで痛めつけた彼女を許せない!!
今、ここで勝負を着けるんだ!!

右、左、右―――と、止まることなくキリトの両手の剣が唸る。
レフティも同時に攻撃を続けるがキリトにまともにダメージを入れる事ができない。