宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 1
「やったな!島!」(進)
「古代!」(島)
「…これでアクエリアスはワープできない…。」(南部)
「地球は救われるぞ!」(太田)
第一艦橋のクルーが進と島の間に集まりお互いの肩を叩きあった。そこへ医務室からユキが戻って来た。
「「ユキ、やったぞ!」」(進・島)
ユキは進の先にウルクが崩壊する様子が見えた。
「…本当…すごいわ。さすが、ヤマトね。」
言葉とは裏腹にユキの表情は暗かった。進は重傷者が多数出て疲れていたのかと思ったがユキはあのディンギルの少年の事を思い出した。
(私たちは…あの子の故郷の人々を…)(ユキ)
「相原、地球と…長官と連絡を取れ。」(沖田)
「了解。」
相原は防衛軍に連絡を取るためにコンソールを叩いていたのですぐに藤堂がビデオパネルに現れた。
「…沖田…」(藤堂)
「長官、期待に答えられてよかったよ…と言っても私はほとんど何もして
いないがな…アクエリアスは最後のワープが出来ず…地球に最接近するのは
300年後…」(沖田)
藤堂が頷く。
「ひょっとしたら他の惑星の重力や磁場でコースが変われば地球との最接近
も太陽系をかすめる程度かもしれない。これから観測衛星をアクエリアスに
残す…それを常に計測していくようにすればいいだろう。」
沖田の言葉に藤堂は涙をこらえて頷いた。
「…ありがとう、沖田。心より無事の帰還を祈る。気を付けて戻ってきて
くれ。」(藤堂)
「…了解。」(沖田)
二人は静かに敬礼をするとクルーも敬礼して藤堂はビデオパネルから消えて行った。
作品名:宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 1 作家名:kei