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宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 1

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<プロポーズ>
  「遅くなりました。」

ユキが少し息を切らせて第一艦橋へ入った。

  「お疲れさん、あの子と一緒だったのか?」(島)
  「えぇ…随分表情が明るくなって…今、幕の内さんと勉強してるわ。」(ユキ)
  「幕の内さんは勉強教えるの得意だから…ちょうどいいな。」(進)
  「そうなの、適任だわ。…ところで急ぎ、って?」(ユキ)
  「あぁ、そろそろ地球に戻ろうか、と話してたんだ。重水を汲み上げる装置
   の解体工事も終わったし衛星もちゃんと地球へデーターを送れてるの確認
   できた…サンプル採取が済めば、っと思ってるんだが?」(進)
  「そうね…真田さん、どうですか?まだ何か調べたいものありますか?生活班は
   サンプル採取が済めばいいのですが…今日一日で終わる予定で動いています。
   そちらはどうでしょうか?」(ユキ)
  「あぁ、生活班がいいなら大丈夫だ。」(真田)
  「では明日の出航と言う形で艦長に報告する。」(進)

クルーはヤマトの外の風景を見た。

  「静かだな…」(島)
  「あぁ…300年後アクエリアスはどうしてるんだろう…どの星の誰にも悪用
   されず回遊できるだろうか?」(進)

ヤマトはアクエリアスの見渡す限り碧い海の上にぽっかりと浮かんでいた。上空には浮遊大陸があって豊かな水が流れ落ちている。

  (生命の源を与えた星…アクエリアス……どうか地球を避けて下さい。)

ユキは静かに祈った。








  「古代です。」
  「入れ。」

進は艦長室に入った。以前の航海の終わりには命の火がいつ消えてもおかしくない状態だったのを思い出す。

  「イスカンダルを思い出すな…こうしてマザータウンの海に浮かんでいた……
   懐かしいな…つい数年前の事なのに随分前のような気がする。ワシも年を
   取ってしまった。」

沖田も眼下に広がる海を眺めていた。

  「意識を取り戻して……しばらくは誰もいない地下で生活をしていた。誰にも
   会わずひっそりとな………時々藤堂が…いや、長官が様子を見に来てくれた。
   気を使わんように私服でな。ワシと長官は同期だった…お互い階級が上がる
   となかなかスケジュールが合わず話す機会も減っていた。メールや電話は
   よくしたが……なんだか昔に戻ったみたいで楽しかった。長官はよくヤマトの
   話をしてくれた。航海日誌も読ませてもらった。お前…古代はワシが思った
   以上の男になった。もう、なにもいう事はない…。」

沖田は振り返って上着を脱いだ。

  「地球へ戻ろう。任務は全て完了したな?」

沖田の言葉に進が“ハイ”と返事をすると

  「よし、出航準備が整い次第出航とする…そして相原に地球到達時刻を長官
   に伝えろ、と。そして…古代、お前に最後の命令だ。」

進は沖田に対して背筋を伸ばし敬礼をした。

  「古代進、この航海が終わったら森ユキと挙式せよ。」

進は一瞬何のことかわからず復唱できなかった。

  「聞こえなかったのか?ちゃんと聞いて復唱せよ…“古代進、この航海が
   終わったら森ユキと挙式せよ!”」
  「はい、古代進、この航海が終わったら森ユキと結婚します!」

この時沖田は艦長室にある艦内放送用のマイクをONにしていたので進の復唱が全艦に流れた。沖田は満足そうにマイクを口元へ持って行くと

  「ユキ、聞いたか?乗組員も一人残らず全員聞いたな?」

沖田の言葉に第一艦橋からワーっと盛り上がる声が聞こえた。

  「沖田艦長!」

進が真っ赤な顔で叫ぶがもう遅い。沖田は進が復唱するところだけを放送できるようマイクのスイッチを後ろに手を組んだふりをしてその部分の時だけ放送したのだ。

  「ユキ、聞いてるだろう?艦長室に来なさい。古代が待ってるぞ。」

沖田はそう言うと静かにマイクを切った。