宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 2
「古代、ユキ…そろそろ私たちは失礼するよ。」
沖田と藤堂と佐渡が二人の所へ来た。
「え?帰られるんですか?」(進)
「あぁ、久々の航海だったし…ゆっくり休もうと思う。」(沖田)
「わしもじゃ…後は若いのだけで盛り上がればいいじゃろう。」(佐渡)
三人が話してるのを見て山崎が来た。
「どうしたんですか?」(山崎)
「いや、そろそろ…と思ってな。」(藤堂)
「そうですか、では私も…」(山崎)
「山崎機関長まで…」(ユキ)
「妻が待っていますので…」
山崎が愛妻家というのは暗黒星団との戦いの後クルー全員でユキのリハビリがてら行った南部の保養所でみんなが知っている事だった。
「山崎機関長の“妻が待っています”を聞くと何も言えません。」
進が頭を掻きながら言った。
「妻もお二人の式をよろこんでいました。近いうちに我が家にご招待したい
と妻が申しておりましたので…今日は失礼します。…ユキさん、今日はいい
眼の保養ができました。」(山崎)
「山崎機関長…」(ユキ)
4人は軽く手を上げてひっそり出て行った。
「ふわぁ・・・」
少年の大きな欠伸がユキの視界に入った。
「ボク、眠い?」(ユキ)
「うん、なんだか体が重くて…」
ユキは重力が強すぎるのかしら?と思った
「南部くんにお願いしてお部屋を一つ用意してもらうわね。」
ユキはすぐそばにいた相原に南部を連れてくるようお願いした。すぐに南部はやってきた。
「具合悪いか?ボウズ。」
南部が椅子に座ってる少年を抱き上げて廊下のソファーに座らせると窓を開けた。
「ヤマトも地球の重力と同じで設定されてるけど…身体が重い、って言って
るからひょっとしたら重力がディンギルより強いんじゃないかしら?と
思って…辛そうだから早めに休ませてあげたいの。お部屋あるかしら?」
ユキがそっと少年の髪を掻き上げると額にうっすら汗をかいていた。ユキが心配そうに少年の顔を見てる間に南部がフロントに連絡をとり一つ部屋をとってくれた。
「ユキさん、301が取れました。私が連れて行きます。主役がいなくなると
困りますから…後は任せて…相原、幕の内さんにも伝えてくれよ。」(南部)
「了解…じゃぁ私はユキさんと戻りますね。」(相原)
南部は少年を抱くとエレベーターホールに向かった。
「大丈夫かしら…」(ユキ)
「ヤマトの中であれだけ元気だったんですから…大丈夫でしょう。子供だし…
もう、時間も遅いし寝た方がいいかもしれません。」
相原が時計を見るとすでに夜の11時を回っていた。フロアーに入るとすぐ幕の内がいてキョロキョロしていた。
「幕の内さん」
相原が声を掛けると
「あの少年、探してます?」
と声を掛けた。
「そう、ちょっと目を離したらいなくなって…」(幕の内)
「少年なら少し具合が悪そうだったから301で休ませています。今南部が
一緒にいますよ。行きますか?」(相原)
「そうか、じゃぁ行くよ。」(幕の内)
幕の内はユキに“あいつ、かわいいんですよ”といって相原と一緒にフロアーを出て行った。ユキは進の所へ行って少年の具合が悪くなった事を告げた。
「…そうか。様子を見に行ってくるよ。」
ユキはドレス姿なのでホテルをうろうろする事が出来ない。
「お願いね。」
進は幕の内と相原と一緒に301へ向かった。
作品名:宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 2 作家名:kei