宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 2
<極秘作戦Ⅱ>
ヤマトを下りるとクルーは用意されていたリニアに乗せられた……がメインクルーは一本時間をずらしたリニアが用意された。
「あら?全指定?全員乗れなかったの?」(ユキ)
ユキはひとり一番後ろの部屋に案内された。
(先に行ったリニアもグリーンのあるものだったかしら?)
ユキがホームに着いたときにはすでに出て行ってしまった後だったので赤いテールランプしかみえなかったのだった。
(それとも長官がいるからVIPルームのあるこの車両が用意されたのかしら?)
などと思いながら案内された部屋に入ると以前お世話になった南部のいとこが乗っていた。
「森さん、お久しぶりです。」(悠輝)
「!あら…びっくりしちゃ…って…須藤さんでしたっけ?その節はお世話に
なりました。今回急にまたコレを着る事になりまして…用意していただいて
ありがとうございました。」
ユキが丁寧にお礼を言うと
「いえいえ、お気に召していただければ光栄です。康雄から披露宴のドレスを
見立ててほしいと言われまして…未発表のドレスをお持ちしました。」
そう言ってVIPルーム奥にある一部屋にドレスが並べられていた。
「え…すごい…これ、って…」(ユキ)
「康雄から連絡があって時間がないからリニアの中で選んでもらってって。
でもトウキョウシティに戻ったら写真を撮るからウェディングドレスを
持って降りてきてほしい、って言ってましたよ。親父さんのホテルの
写真館、借りられたそうです。」
悠輝がドレスをみながら言った。
「え…写真も撮れるんですか?」
ユキは驚いて悠輝を見た。
「えぇ、なんでもメイクもちゃんとしてくれるらしいですよ。せっかくの
記念ですから…一気にしちゃったほうがいいですよ。」
悠輝は“これなんかどうですか?”と言いながらドレスを当てた。
「ユキさん、どれ選ぶかなぁ~」
南部が思いをはせる
「きれいだろうなぁ~」(太田)
「何着ても似合うからなぁ~」(相原)
「でも一番見入っちゃうのアイツだろうな。」(島)
進は全く何も知らされないまま藤堂と沖田と真田と先頭車両VIPルームにつめていた。
「これぐらいハデにやってもバチ当たらないだろうよ。」
南部が嬉しそうに言った。
「そうそう、真田さん嬉しそうでしたね。」(島)
「真田さんが泣いてる所初めて見ました。サーシァの時、絶対クルーの前で
泣かなかったじゃないですか。やっぱり嬉し泣きはガマンできない、って
ことですね。」(相原)
「そうだな、真田さんも人の子、って事だ。」(島)
島はどれだけ真田がユキをかわいがっていたかを知っている。古代が現れる前は真田がユキを守っていた。
「真田さんも一段落できるよな…」
島の一言にクルーは頷いた。
作品名:宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 2 作家名:kei