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宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 2

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リニアはノンストップでトウキョウシティを目指している。ドレスを決めるのに余り迷っている時間はない。悠輝はユキのイメージをくずさず…だけどユキがより美しく見えるドレスをいくつか選んでいた。

  「森さん、これなんかどうでしょう?」

それは真っ赤なドレスだった。

  「え?これですか?ちょっとハデじゃありません?」

ユキは遠慮がちに言ったが

  「真っ赤ですが…まぁ確かにハデですがデザインをシンプルにまとめてるので
   決して下品にならないよう仕上げてあります。ただ、着る人を選ぶんです。
   誰でも似合うドレスじゃないんですよ。ためしにちょっと…あちらで…」

悠輝は試着室を即席で作ってもらったのでそこへユキを案内した。








  「うそ…」

真っ赤に見えたドレスだったが幾重にも重なったオーガンジーだけが赤で生地は緋桜を思わせるような色だった。そのドレス自体は体のラインにフィットしていてシンプルなものでそれに全体をふんわりと赤いオーガンジーで包んでいるような優しいイメージのドレスだった。

ユキは後姿を確認すると満足そうに試着室を出た。

  「あ、やはり似合いますね。」

悠輝は満足そうにうなずいた。

  「これ、森さんに会った後あなたをイメージして作った一枚なんです。」

悠輝はオーガンジーのふわふわ感を出すために少し整えながら話していた。

  「森さんの真っ直ぐな視線のイメージなんです。こう…女性ならではの
   強さ、といいますか何かを護るようなそんなイメージです。この緋桜のよう
   な赤に近いピンクはその強さを、オーガンジーで護る強さを表現しました。
   スレンダーな方だったのでそれも強調したかったんですが…イヤ、本当に
   ぴったりです。」

悠輝のほめ方が余りにも過ぎるものだったのでユキは“そんな事ありません”と言ったが

  「お気に召したでしょう?このドレスならほほ紅いりませんよ。では次はどれに
   しましょうか…」

悠輝は次のドレスを物色し始めた。












  <ユキ、そろそろ着くぞ。>

島が通信機を使ってユキに知らせた。ドレスを選んでいたのであっという間にトウキョウシティに着いてしまった感じだった。

  「了解です。」

ユキはすでに隊員服に着替え悠輝とお茶を飲んでいた。

  「須藤さん、どうもありがとうございました。式まで少しお借りします。」

ユキがお礼を言うと悠輝は嬉しそうに

  「お二人の記念に協力する事が出来て私も嬉しいです。ではまた…」

悠輝が右手を出して握手を求めるとユキもそれに応じた。リニアはトウキョウステーションに入りゆっくり止まった。  



  「それでは…」

悠輝はリニアを下りると少し離れた所にいる南部に手を振って行った。ユキの足元には写真撮りで使うドレスが入ったカバンがあった。そのカバンを南部が持った。

  「あ、それ、私が持つから…」

とユキは言ったが

  「写真撮るんですよね。どうせだからクルー全員で押しかけちゃいましょう。
   どうせ父のホテルです。遠慮する事はありません。」

南部はそう言って先頭に立ちカバンを持って歩き始めた。少し離れたところに進がいて藤堂と沖田と真田と一緒に付いてきている。

  (あら?長官と艦長…どちらへ行かれるのかしら…)

ユキは不思議に思ったがウェディングドレスの写真を撮る事で頭がいっぱいでホテルに着いたらどうしたらいいのかを考えていた。







  「康雄様、こちらが新婦になられる方ですか?」

南部のホテルに着くと係りの者が来てユキを見て南部に確認をした。

  「そう、森ユキさん。急ですみませんがお願いします。あ、これの中に入って
   います。よろしくお願いします。」

南部はそう言うと持っていたカバンを係りの者に渡して“じゃぁまた後で、”と言ってユキと別室へ行ってしまった。

  「森さまこちらへ…。新郎をお待たせしてしまいますので…急ぎましょう。」

ユキは係りの人に付いて行った。