宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 2
写真を撮り終えた二人はユキの両親に声を掛けた。
「…すみません、勝手に…式を挙げてしまいました。」
進が頭を下げると
「艦長命令ですってね。私たちも長官からの指令で動いたのよ。反対もなにも
命令ですものね…。おめでとう。こうでもしない限り二人はなかなか式、
挙げられない人ですものね。」
母もユキの晴れ姿を見て涙ぐんでいる。
「まぁ…生きてる間に娘の晴れ姿を見れてよかったよ。」
父が進の肩を叩いた。進とユキが両親と話をしてるうちに誰もいなくなってしまった。
「あれ?みんなどこへ行った?」
進がキョロキョロしていると
「新婦さまはこちらへ…新郎とご家族の方は私がご案内します。」
ユキは?と思いながら空いている扉の部屋に向かい進は最初の写真の部屋に、ユキの両親はエレベーターホールに案内された。
「どうも」
ユキが部屋に入ると先ほど別れた須藤悠輝が待っていた。
「須藤さん…」
ユキが驚いていると
「さぁ準備しましょう。また写真を撮るんですよ。」
須藤は係りの人にユキを案内するよう頼んでハイヒールとブーケを用意していた。
「ステキなドレスですね。今までいろんなドレスを見てきましたが初めて見る
タイプのドレスです。とてもお似合いですわ。」
係りの人もため息をついている。ユキは改めて姿見を見てドレスに見入ってしまった。
「えぇ…でも着られちゃってるような気もするんですけど…」
ユキが気になる裾を見ながらつぶやくと
「いえ、そんな事ないですよ。この色を着こなすの難しいはずなのにとても
お似合いで…私達普段はお世辞いいますけど今日は本音で言っています。
こんな素敵な方を迎えられる方は幸せですわ。本当におめでとうございます。」
係りの人が扉を開けると悠輝が待っててメイクを直すよう別の係りの人に頼んでいた。
「ほほ紅は控えてください。紅はパープル系で…。」
ユキは真っ白なドレスの時の自分と随分違く大人っぽい印象になった。
「…できました。ではこのブーケとヒールでどうぞ…ご主人がお待ちですよ。」
悠輝が送り出した扉の先に進が待っていた。
写真を撮り終えると係員が待っていて“ご案内します”と言って進にユキの手を取らせエレベーターに乗せた。
「どこへ?」
進の問いに係員は
「南部様がお待ちでございます。」
とだけ言い最上階で下りると扉の前で一度止まった。
「新婦さまの腕は新郎の右腕に通し腕を組んでください。ブーケは右手で
お持ちください。…はい、それで結構です。それでは扉を開けますので
そのまま真っ直ぐお進みください。」
ドレスのオーガンジーを軽く整えブーケのリボンを見栄え良く整えると係員は目の前の扉を開いた。
作品名:宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 2 作家名:kei