宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 2
「お待ちしておりましたよ。評判、良かったでしょ?」
悠輝が満足そうに待っていた。
「えぇ…須藤さんのおかげです。自分一人じゃ絶対選ばないドレスですもの。
須藤さんずっとこちらでお待ちいただいていたんですか?」
ユキが気になって聞くと
「えぇ、デザイナーですから。コレクションを思えば休憩があるだけ幸せ
ですからね。全然平気ですよ。さぁ次の準備をしましょう。リニアの中で
選んだものですが…ちょっとサイズが大きかったので直しておきました。
待ってる時もやる事あるんです。さぁ新郎が待っていますから…こちらで
着替えてください。」
悠輝はそう言うとドレスを係員に渡してメイクさんと話し始めた。
「森さんは何を着ても似合っちゃいますね。」
メイクを少しクールに仕上げてもらい満足そうに悠輝は鏡の中のユキを見ていた。
「新郎は何度も惚れ直しちゃいそうですね。では行きましょう。」
控室を出ると進が待っていたが動きが一瞬止まった。
「…イスカンダルを思い出すような色でしょう?」
ユキが選んだドレスはスターシアを思わせるようなスカイブルーのシンプルなドレスだった。
「ユキ…」(進)
「サーシァちゃんを忘れないでほしいの。」
ユキはそう言うと進の腕に手を通した。
「新婦がお色直しをして入場します。」
相原がマイクを取りそう言うと誰もが扉の方を向いた。歓声の中にため息が漏れる。しかしスターシアとサーシァを知るわずかなクルーは息を飲んだ。
(サーシァとよく似ている…)
真田はユキに見入ってしまった。ユキも真っ直ぐ真田に向かって歩いて来た
「真田さん…私、サーシァちゃんによく似ているでしょう?指輪を作って
もらって…このドレスを選んだの運命のような気がするんです。なんだか
サーシァちゃんがこのドレス選んで、って言ってるような…。」(ユキ)
「ユキを見た瞬間、サーシァが入って来たかと思ってしまったよ。驚いた…
よく、似合ってる。ありがとう…」
真田が涙をふく。
「いえ…私にとっても姪っ子になる予定だったんですもの…それに私もサーシァ
ちゃんに助けられた…」
ユキは夢に出てきたサーシァを忘れてはいない。
「あの子の分も幸せにならないと…真田さんも…」
真田は頷いてユキの顔をしっかり見た。
「ユキさん、どんなドレスも着こなしますねぇ~」
相原が暢気にシャンパンを片手につぶやいた。
「本当…長官のお供であのドレス着たらハイエナが寄って来て大変そう…」
太田が心配する
「左手に指輪してても言い寄られる事結構あったみたいだからなぁ~ハイエナは
まだ寄ってくるかもしれないな。それより相原…」(南部)
「ん?なに?」(相原)
「ドレス、オリジナルを借りたければいつでもいとこ、紹介するぜ?晶子さん
一度会わせてやろうか?」
南部がいたずらっ子ぽく言ったが
「まだ話は進展していません、って!」
相原が叫ぶので
「全く…早くプロポーズしないと晶子さん、おばあちゃんになっちゃうぞ?」
南部が言うと
「今は仕事が忙しくて話しが進まないんです。軍は壊滅状態になるし移民
船団の日程を組まないといけなかったり…全く暇がなかったんです!
それにそんな話ができる時じゃなかったし!」
相原が叫んだので
「ほぉ~とりあえずプロポーズは済んでるけどお互いの両親にはまだちゃんと
報告していない、という状態だな。フムフム…式場抑えるのははやり両親
に了承得てからじゃないとなぁ~下手に反対されてキャンセルになると
ちょっと恥ずかししな…」
南部は勝手に想像するがそれがドンぴしゃなので何も言えない相原…
「図星でしょ。」
相原の顔を見て南部が笑う。
「おもちゃの古代が結婚しちゃったから次は相原で遊ぼう。」
実に南部は楽しそうだった。
作品名:宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 2 作家名:kei