宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 3
「ただいま。」
30分程散歩をして少年と幕の内が戻って来た。少年は少し疲れた顔をしていた。
「疲れたかね」(藤堂)
「うん、ちょっと足が重い…もう少し遠くに行きたかったけど帰れなくなると
困ると思って帰って来たんだ。」
疲れた顔をしていたが少年は嬉しそうだった。
「道にたくさんお花が咲いてるの。かわいいね。」(少年)
「雑草なんですが…めずらしいらしくしばらく動かなかったですね。」
幕の内も嬉しそうに話す。
「ちっちゃい動物…イヌだっけ?吠えられて怖かった!」
移民船団が出発した時、一緒に連れて行けないペットを放したのが原因で公園に元ペットの小動物が集まっていた。
「だけどきっと僕らの星のせいだよね…あの犬だって飼い主、死んじゃってる
かもしれないんでしょう?」
少年の顔が暗くなる。
「ボク…今日からキミは隼(ハヤト)だ。」
突然父が少年に向かって名前を告げた。
「この名前はユキが男の子だったら付けようと思っていた名前…いつか男の子
が産まれたらこの名前を付けようって思ってメモを取っておいたんだ。
いいか?ボク?今日からキミは“森 隼”だ。隼、と言う意味は素早く
賢く、だ。」(父)
「隼…」(少年)
「いい名前だ…ボウズは意味が判らないだろう?今度勉強しような。」(幕の内)
それからしばらく森宅にお邪魔して帰って行った。
「あそこ、お姉さんの家なの?」
エアカーの中で“隼”が聞いた。
「う~ん、実家…わかるかな?ユキさんのお父さんとお母さんの家でユキさんは
別の場所で暮らしてるんだ。軍の仕事してるから寮と言って同じところに
勤めてる人が一緒に暮らしてる所にいるんだよ。」(幕の内)
「じゃぁお姉さんとは一緒に暮らせない、って事かぁ…」
隼がすごく残念そうに言ったので幕の内は笑ってしまった。
「まぁいいじゃないか。これでユキさんと隼は姉弟だ。進くんとは義理の兄弟
になるのか。あいつ弟気質バリバリだからなぁ~一緒に遊んでてもムキに
なりそうだな。」
幕の内は一人想像して笑ってしまった。
作品名:宇宙戦艦ヤマト 完結編 アナザーエンディング 3 作家名:kei