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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 1

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  「起きたか?」

山本はベッドの横に人の気配を感じて目を開けた

  「…島?俺…」

山本が起きようとしたが島が

  「寝たままでいいさ…コレが役に立ったな。お前、低体温でヤバかったんだってよ。
   カプセルで暖めたんだ。もともとの体力が人の数倍あるから復活も早かったって
   看護士も言ってたぜ。」

島が自分の羅針盤を見て言ったが

  「看護士?佐渡先生じゃないのか?」

あの戦いの中佐渡が死んでしまった事を知ってる人は少ない。島の一瞬の動きで山本は察してしまった

  「佐渡先生が…他…誰か…コスモタイガーのみんなは…」

島は何も言えず首を振り山本から視線を外した

  「島…頼む…教えてくれ。俺の知らない間に何があったのか教えてくれ!」

島はポケットに入れていた加藤の遺品を山本に渡した

  「…これは…この色は……加…藤………」

次に

  「それは山本に預ける…後二つ…俺預かってるんだ。…これと…これ…」

もうひとつのポケットから出てきたのは真田と進のものだった。山本はそれを茫然と見つめるだけだった。山本は我に返ると

  「ユキさんは…ユキさんはどうしたんだ?それ…」

島は何も言えずじっと山本の顔を見たしかし島の眼から涙があふれてきた

  「うそだろう?なんで?なんであいつが…あいつらが…もうすぐ結婚するはずだった
   のに…俺達でお膳立てしてたくさんお膳立てしてやって…あと3日だったのに…
   ユキさんの幸せそうな笑顔…見れたはずなのに…」

山本は声を出して泣いた、今まで人前で泣いた事なんて一度もなかったのに…島も声を出して泣いた。




  「加藤は…どうして死んだんだ?」

山本は加藤の羅針盤を見ながらつぶやいた

  「…加藤は都市帝国内部に入った連中をヤマトに戻すために一人エアポートで
   コスモタイガーを死守していたんだ。そこに戻ったのは古代だけだった。
   最後古代が操縦するコスモタイガーの中で息を引き取った…」

山本が羅針盤を見つめている

  「俺が退艦するときに古代に渡されたんだ…それと…あいつの分と真田さんの分

   なぁ…古代が初めて俺たちの教室に来た時の事覚えてるか?守さんと一緒で
   カリスマに会えてすっげぇ嬉しかった記憶があるんだけど、山本はどうだった?」

島ができるだけ明るい話題にしようと話を変えた

  「あぁ、そうだった。ちっこくってひょろっこくてな。着てるものもまるでセンスなし。
   すぐバテちゃってな。まさか被爆治療受けてたなんて知らなかったから…でも
   気付いたら俺ら抜かれててさ…本当にすごいヤツだったよ。」

島はうなずきながら聞いていた

  「島なんか秘密訓練も一緒だろ?もう空気みたいなもんだったろ?俺が加藤と
   ずっと一緒だったのと同じで…加藤も手がかかったけど古代も手がかかりそう
   だな。」(山本)
  「あぁ、でも加藤ほどじゃないと思うぜ?一応身の回りの事は全部出来てたからな
   加藤は本当に何もできないだろ?気付くと洗濯物の海で暮らしてる感じだった
   もんなぁ。」(島)
  「ははは、寮生活長いのにできなかったよな。」(山本)
  「古代はそれはなかったな。でもさアイツおいしいところ持って行きすぎだろ?
   マドンナ射止めちゃってなぁ!」(島)
  「やっぱりそう思うか?島だって結構力入れてただろ?」(山本)
  「え?」

島がとぼけようとしたので

  「いまさら何言ってんだよ、島か、古代か、って言われてたの知ってるだろ?
   気付いたらいつも古代のそばにいたからやっぱり古代か、って思ったけど。
   まぁあれだけ非の打ちどころがない女性も珍しいだろ。惚れない方がおかしい
   と思うぜ?」(山本)
  「お?山本くんも惚れちゃった内の一人ってわけ?」(島)
  「ははは、加藤だってユキさんの事好きだったさ。もう時効だよな…誰もがユキさん
   に惚れてたさ。玉砕覚悟で復路に告ったやつだっていたし。」(山本)
  「でも古代見てたら自然と応援しようって思っちゃったんだよな」(島)
  「お?島もとうとう白状したか!」(山本)

いい感じで話してた二人だが大きなため息をつくと

  「イスカンダルの後ユキもヘンな一般人に惚れられて大変だったんだ。拉致事件
   までに至っちゃって…まぁ、事なきを得たけどさ。両親説得するのも大変みたい
   だったし。後から聞いたらそのバックに南部あり、真田さんあり…だったし」

島がほんの1年前の話を随分前の話のように伝えた

  「もうすぐ…俺も踏ん切りがつく予定だったのにな…」

島が遠い目をした