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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 1

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やがてどこからともなく神父がやってきて結婚式は粛々と進み指輪の交換も終わった

  <ハネムーンはどこへ行くんだ?何も聞いてないぞ?>

島が尋ねると

  <二人で…守兄さんとスターシアさんに会ってくるよ。ヤマトでね。長官には
   OKもらったんだ。>

島はおかしいと思い

  <え?イスカンダルへ行くのか?ふたりで?>
  <<えぇ…>>

ユキの顔は幸せいっぱいだった。ユキだけじゃない、進も…

  <これからはずっと一緒…>(ユキ)
  <そうだよ、ユキ…永遠に…>(進)
  <待てよ、イスカンダルまでヤマトで二人っきりでなんか無理だ!>(島)
  <大丈夫だよ、島。俺たちはずっと一生ヤマトと生きるんだ。>

進がそう言いきった

  <待て、古代…古代…ヤマトは…>

島はハッとなった

  <古代…これは夢か?ユキ?>

島の一言に二人は一気に寂しそうな顔を浮かべた

  <島くん、今までありがとう…>(ユキ)
  <島…>

島は慌てて叫んだが気付くと結婚式に参加してたクルーはいつの間にか甲板からおろされていてドッグに降りてヤマトを見上げていた

  <古代、待ってくれ!行かないでくれ!>

ヤマトが静かに出航しながら姿が薄く消えて行った




…そこで…島は目を覚ました

  「…古代…お前たちは今幸せか?」

とめどなく涙は出てくる

  「ずっと俺たち一緒だったじゃないか。それなのに…お前は俺を置いて逝っちまった
   残された俺たちはこれからどうすればいいんだ…なぁ、教えてくれよ…古代!」

島はこの気持ちをどこへぶつけたらいいのか判らずただ泣く事しか出来なかった





翌日朝食が部屋に運ばれてきた。もちろん食欲なんてない。…が体が資本なのでぼんやりしながら食べ物を何となく口に運んでいるとノックと同時に扉が開いた

  「にいちゃん!」

次郎だった。後ろに父親と母親が涙ながらに寄り添いながら入って来た

  「次郎…父さん、母さん…」

島が立ち上がろうとしたが

  「いい、座ったままで…大変だったね。長官から連絡があって…」
  「父さん…古代が…古代が…」

その後の言葉が見つからない

  「…お前たちは精いっぱいの事をした…今まで突っ走りすぎたんだ。何も考えず
   休む事も大事だぞ。」

父親はそう言うと島の横に座りそっと肩を叩いた





長官は地球がまだ混乱していたが緊急回路を使ってヤマトを退艦した乗組員の家族を全員月面基地へ向かわせていた。ギリギリで山本の家族も間に合っていた

  「にいちゃん、ヤマトってすごい艦だよね!…でもヤマトは戻ってこないってみんな
   が言ってた。ニュースでもそう言ってたけど本当?」
  「次郎!」

母親が咎めるように次郎の名前を呼んだが島は真っ赤な目で次郎を見つめて

  「…そう…にいちゃんは二度とヤマトに乗る事はない…そして古代にいちゃんは
   二度とうちに遊びに来れないんだ。」

次郎は意味がわからなかったが両親は全て判った様子で母はその場に泣き崩れ父が母を支えた

  「古代くんが?だって結婚式だって決まってて…そうよ、森さんは…」

母が崩れながらも島に聞いてきた。島は黙って首を振った

  「そんな…あなたたち同い年でしょう?なぜ…あぁぁぁっぁぁ・・・」

母は何も言えず号泣した
次郎だけが意味がわからず不思議そうに3人の顔を見ていた