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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 2

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  「大介、地球に戻ってくる時は前もって連絡頂戴ね。」

翌日島の家族が戻るのでエアポートに来ていた。戻るのは島の家族だけでなく南部も太田もほぼクルーの家族が戻るよう手配されていて特別機は1機じゃたりなかったので一般の定期便がスポットで充てられていた

クルーらの見送りを受けて家族達は後ろ髪をひかれる思いでチェックインして行った





  「アナライザー」

島はスクラップ状態になっているアナライザーを部屋の中央に運び込み頭部をなでながら話しかけた

  「お前には何が見えたんだ?」

自然と涙がこぼれる

  「頼む…お前に見えたもの、俺にも見せてくれ…」

そう言いながら真田の端末をアナライザーの横に置いて先程ドッグから借りてきた工具を取りだした

  「痛かったら“痛い”って言えよ?ちょっと素人チックな所があるからな」

真田の端末はすぐに開けた。きっとパスワードだらけで大変だろうと思ったのにあっさり開けたのでおかしいな、と思ったがすぐメッセージが出てきた


   この画面を誰かが見てると言う事は俺がすでにこの世にいないと
   いう事の証だ。しかしそれは多分ヤマトのメインクルーだと俺は
   確信している。

   俺に何かがあったらパスワードを解除できるよう右手の義手に
   解除のパスワードを入れてある。

   もし…ユキと会う事が出来たら伝えてくれ

   ユキに逢えて本当に幸せだった、と。
   ユキと古代が幸せになる事が俺の本望だ、と。

   俺にも両親がいるが疎遠になっていて今どこに住んでいるのか
   軍に聞かないと分からない。だから俺にとってユキは肉親同然
   実の妹と同じくらい大切な存在だった。

   俺はどうなってもいい、ユキだけは幸せになってほしい。
   そう思いながらイスカンダルに行く決意をした。

   そして古代、ユキの事を頼む。



   二人を頼む。そっと見守っていてほしい。






島はあふれる涙を止める事が出来なかった。これをいつ入力したのかは定かでないが恐らく随分前から用意していたのだろうことだけは容易に想像付いた


  「真田さん、俺が聞きたいですよ。そっちで当てられてませんか?って
   こっちじゃみんな泣いてばかりですよ。ヤマトを想い、クルーを…
   だってそっちの方がうんと賑やかでしょう?

   今、どの辺りを飛んでいますか?ガミラスの攻撃がない分もう
   銀河系は出てますよね…」

島が端末に向かって話しかける

  「俺、なれないのにアナライザーの修理しないといけないんですよ。
   あいつ、機械のくせして俺達に見えないものが見えてるらしいん
   です。生意気でしょう?どういう造りになってるんでしょうね?」

島は遺書ともいえる真田の言葉をメモリーに登録すると誰にも見られないようパスワードをかけた

…と、その時ノックする音が聞こえたので涙を袖で拭きながらロックを解除した

Tweeen

軽い金属音とともに扉が開くと山本が立っていた

  「大丈夫か、歩いたりして」

家族の見送りも車いすだったが

  「大丈夫さ、家族が心配して乗せてただけさ。低体温で辛かっただけ
   だからな。さっきドッグで工具借りてたのを見てたから何するのか
   気になって…アナライザーを引き取ったのか?」(山本)
  「あぁ…長官に許可はもらった。ちゃんと直るかわからないけどこのまま
   の姿にしておくのは忍びないし…佐渡さんがいないんじゃ誰も引き取り手
   ないと思って…俺が引き取ったんだ。」(島)
  「そうか…手伝おうか?」(山本)
  「…本当か?」

嬉しそうな島を見て山本は

  「やけに嬉しそうだな」

そう言いながらいろんな工具を物色してると

  「実は余り機械いじりしてないんだ。ほら、大型艦ばかり乗ってただろ?
   慣れてないんだ」

恥ずかしそうに言う島に

  「そうか、じゃぁその辺りは俺に任せろ、かもしれないな。艦載機は
   自分でカスタマイズするからな。」

山本は自信有り気ににやっと笑った