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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 2

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島は写真を眺めながらそうつぶやいた

  「ユキから連絡もらったんです。」
  「乗る前に?か?」(藤堂)
  「はい、ユキはどうしてもヤマトに乗りたかった。でも荷物を
   持って行った時に古代に下ろされてしまったんです。だから
   どうやって乗りこむか、それを考えていて佐渡先生にも相談
   したみたいなんですが佐渡先生は“待ってるのも花嫁修業の
   うちの一つだ”って言われていたんですよね。
   でもユキは古代と一緒にいたい、と言うのも本音ですがそれ
   以外に自分一人が置いていかれるのが辛かったんです。
   コスモクリーナーで放射能を除去してる時もそうでしたが
   ユキは一人病室にいました。後から聞いたら最後まで仕事が
   したかった、とヤマトの航海の最初から最後までやり遂げた
   かった、と言っていました。
   だからどうしてもみんなと行きたかったんだと思います。

   そしてその背中を押してくれたのが長官だったんですよ。」

島が休憩中に乗る過程の事をお互い話してた事を思い出していた

  「自分もとても悩みました。古代がどうしても行く、と…
   真田さんも行くと言っていてあの場にいる全員が“行く”
   状態になっていました。でも冷静に考えてイスカンダルの
   時とは状況が違いすぎる…もし何もなかった時の責任を
   第一艦橋にいる自分がきちんと取れるのか…それも心配の
   一つでした。

   でも佐渡先生が行って後悔するのと行かないで後悔するなら
   行って後悔した方がいい、って言って“ワシは行く”と
   言い切りました。そこで自分は決心したんです。

   ユキは密航だったので薬品庫に隠れていました。時々食料を
   運んでいたのは自分と佐渡先生でした。いつバレるか…
   せめて太陽系を出るまではバレないでほしいと思いながらの
   航海でしたがユキを独り占め出来てちょっと嬉しかったです
   よ。だって古代はユキは地球にいると思ってたんですから。」

島が当時を思い出して少し笑ってしまった。

  「そうそう、時々レーダー席振り返ったりしているのがアナライ
   ザーだからすごい肩落としながらため息ついちゃってな!」

太田はその様子が見えるのでとても楽しそうに笑った

  「そんなロコツだったか?」

南部がククク、と笑いながら聞くと

  「そりゃ…俺の席は隣だからな、ため息バッチリ聞こえてたぜ?」

島が笑った

  「一度…ヤマトに乗って航海してみたかったな。私は結局送り出
   すばかりで…飛ぶ前のヤマトしか乗った事がない。」

藤堂が大きく肩を落とした

  「長官、お願いがあります。」

島が仕事口調になった

  「私達18名をイスカンダルへ行かせてください。」

藤堂が一瞬止まった

  「今すぐでなくていいんです。イスカンダルへ親善大使として
   行かせてください。長官はその艦の艦長として…ダメですか?
   イスカンダルには守さんがいます。守さんにとってたった独り
   の肉親がいなくなりました。その事を知る権利があると思いま
   す。そして所々の惑星に通信衛星を落としてリアルタイムで
   通信できるようにしましょう。イスカンダルは命に限りのある
   星です。あの時スターシアさんは地球に来る事を拒みましたが
   時間がたってイスカンダルに別れを告げる覚悟ができたら地球
   へ迎え入れることもできるじゃないですか。

   長官、お願いします。私達を親善大使にしてください。」

島が頭を下げるとみんなも頭を下げた

  「いや、待ってくれ、頭をあげなさい。…イスカンダルへ…か。
   それはいい考えかもしれないな。しかしイスカンダルへ行くには
   それなりの強度と設備を兼ね備えた艦じゃないと無理だろう。

   今すぐどうこうなる問題ではないがやってみる価値がありそうだ
   その話は私の方で進めさせてもらおう。」

藤堂の眼から涙は消えていた

  「それと長官、あの話ですが…ここで受けてそれを地球で流して
   もらうことはできますか?」

島の一言で藤堂はすぐわかったが他のクルーはわけがわからなかった

  「島?なんだそれ?」

南部が聞くと

  「すまん、みんなには何も話してなかったが今回の航海の件で
   マスコミが記者会見開いてほしいと希望があったんだ。
   先日島には伝えてあって土方くんも古代も真田くんもいない
   とのことで島が同席することになったんだ。」