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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 3

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そして南部が言葉をつなげた

  「私もそこにいました。しかし長官がその後の会議の決定を伝えに来た時“ダメだ、
   行かなくては”と思いました。」(南部)
  「その決定は何だったんですか?」(田辺)
  「ヤマトの廃艦決定です。未知の航海を遂げてたった1年で廃艦なんて…どう考え
   ても乗組員とヤマトを切り離したいのだと思いました。だからヤマトで行ってその
   “何か”を調べてこないとだめだ、と思いました。」(南部)
  「山本さんに伺います。山本さんはコスモタイガーの一員として月面基地にいた
   はずですがどうしてヤマトへ向かう決意をしたんですか?」(田辺)
  「月面基地でもすぐにヤマトの廃艦の事は知った。基地の中でも“地球の連中は
   何をしてるんだ?”って話してたんです。そこへ相原通信士から連絡がありました
   連絡、と言っても一方的なもので“ヤマトに乗る。出航は未定だが間もなくだ”と。
   私たちのリーダーは加藤三郎といってやはりイスカンダルへ行った仲間です。
   月にはブラックタイガー出身者がほとんどです。そこで話しあいました。しかしすで
   に警戒態勢が敷かれていて訓練飛行も元ブラックタイガー隊は禁止されていました
   でも何も状態は分からないけれどヤマトが飛び立つという事は何かが起きてる、
   と言うのは安易に想像できました。
   元ブラックタイガー隊と一緒に行きたい、と言った月基地での仲間を連れて命令違反
   を承知で月基地を後にしました。」(山本)

田辺と周りの記者はうなずきながら聞いていた

  「やはり地球防衛軍の対応は悪かったと思いますか?」(田辺)
  「身内を責めてはいけないと思いますが私たちは最前線でいろんな事を見ました。
   誰かが別の星を支配する事は決してあってはいけない事で…それを目の当たりに
   した私たちは少しでも異常があれば確認しなくてはいけない、と五感で感じていま
   すが防衛軍の上層部にその危機感が少しでもあればこの最悪の事態は免れた
   と思います。」

島は淡々と語った

  「せめて5隻でいい、ヤマトと一緒に行ってくれる艦を用意してくれたら…時々あった
   戦闘ももっと早く決着がついたでしょう。そしたらアンドロメダを先頭に繰り広げられ
   たあの海戦だって全滅は免れたと思います。」

南部は戦闘班の立場からそう言った

  「長官だけが私たちの味方でした。多くは語らないけれどいつもそっと力添えして
   くださいました。土方艦長を保護した時私たちを認めさせたのは長官だったと…
   伊藤さんから聞きました。」

相原の言葉に藤堂がハッとして伊藤を見た。伊藤は悪びれた様子もなく相原を見ていた

  「ヤマトがその発信元へ着いた時どう思われましたか?」(田辺)
  「やっと着いた、と言うのが最初の感想ですが敵も手強くて大変でした。」(南部)
  「メッセージは受け取れたのでしょうか?」(田辺)
  「残念ながらここにいるメンバーは直接メッセージを聞いていません。」(島)

島がそう言うと相原が隣に控えさせていたアナライザーを呼びに行った

  「アナライザー、テレサの映像出せるか?」

島の問いかけに青いライトを点滅させながら

  「スグ出セマス。」

そう言うと長官室の白い壁にテレザートのテレサの映像とメッセージを流した
  
  「…壮大すぎる…」

田辺もそうだったがその場にいた取材クルーも驚きを隠せなかった

  「ヤマトはその情報をもとに地球へ向かいましたが途中デスラーの攻撃に阻まれ
   復路に遅れが生じました。しかしデスラーが死の直前古代艦長に…白色彗星の
   弱点を教えてくれました。」(島)
  「デスラーってあの遊星爆弾を落としていたガミラスのデスラーですか?」(田辺)
  「そうです、デスラーは白色彗星帝国に拾われていました。執念でしょうか…
   ヤマトをつぶしにきました。白兵戦で辛くも勝利を得ましたが…ヤマトにとって
   失うものが多すぎた戦いでもありました。」(相原)

取材クルー達は息をのんで聞いていた

  「その時…イスカンダルの帰りに負傷したレーダー士の森ゆきが重態に陥り結局
   完治する間もなく都市帝国との戦いの最中第一艦橋で亡くなりました」(太田)

誰もが涙を隠す事が出来なくなって涙ながらに語り始めた

  「都市帝国を倒すには“内部に入って動力炉を破壊するしかない”と前艦長の土方
   さんが死の間際に最後の命令を下したのでコスモタイガー隊を中心に戦闘員を
   後部座席に乗せて飛びました。私は被弾して…都市帝国に体当たりしました。
   きっと無意識に脱出ボタンを押していたんだと思います。」

山本が涙をこらえ切れずそう言った