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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 3

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島が言葉を続ける

  「先日そのヤマトが消滅したとされるところへ行ってきました。本当に何も残っていませ
   んでした。せめてなにかカケラでも浮遊してないかと思いましたが本当に全てのもの
   が消滅していました。」

藤堂が後ろを向いて涙を拭いている

  「これが…ヤマトの最期です…」

島が肩を落としてそう告げた。記者達も何も言えず涙をぬぐっていた

  「また…私たちはヤマトに救われたんですね…でも…だからこそヤマトには帰ってきて
   ほしかった…飛び立つときは反逆者扱いだったかもしれないけれど誰もそんな風に
   思っていません。だから…早く心の整理をしてクルーの皆様が地球へ戻ってこられる
   よう願っています。」

女性記者が涙ながらにそうクルーたちに告げた

  「…実は私、ユキの小学校の時の同級生で…ここで会えると思っていたので…かなり
   衝撃を受けています。すみません、私情が入ってしまって…ありがとうございました。」






  「疲れただろう…ありがとう。」

藤堂がねぎらうと秘書室から伊藤がお茶を持って入って来た

  「お疲れ様。」

伊藤はそう言いながら一人ずつお茶を配った

  「やはり、まだ早すぎたかもしれんな。」

藤堂はお茶を飲みながらそうつぶやいたが

  「いえ…すみません。大丈夫です、と言いながら…」

島がもらったお茶を眺めながら言った

  「でも正直な気持ちが話せました。あれをもう一度話せ、って言われたらまたニュアンス
   が変わって伝わっちゃうかもしれないし…」

相原がお茶を飲んでそう言った

  「人って言葉尻で遊ぼうとするでしょう?」

そこにいた全員がウンウン、とうなずいた

  「みんな、疲れただろう…。もう部屋に戻っていいから…」

藤堂は5人を長官室から送り出した







  「長官、ヤマトはどうするんですか?」

伊藤が聞くと

  「そうだな…私もどうしようか考えているんだが…消滅した証拠がないからなぁ…
   アンドロメダは明らかに彗星帝国に飲み込まれた…しかしヤマトは消えて行った
   から…だから私はなんとなく帰ってくるような気がしてならないから…」
  「長官?」(伊藤)
  「行方不明艦として残す事にしようと思う。」(藤堂)
  「と言うと?」(伊藤)
  「死亡が確認できない乗組員…つまり密航のユキ、戦死を確認していない古代は
   行方不明リストに乗せようと思う。」(藤堂)
  「帰ってきたら復職できますね。」

伊藤はやっと藤堂の言った意味がわかったようでニヤっと笑った

  「…斉藤は佐渡先生が乗組員リストに載せちゃったからなぁ…」

伊藤は残念そうにつぶやいた。

  「古代、ユキ…帰ってきたらちゃんと戻る席を用意しておくからな。その時はちゃんと
   ヤマトに乗って帰ってこいよ」

藤堂はあの空間に向かってそうつぶやいた


ちょうどその頃地球では午前中に収録された記者会見の様子が放送されていた。すべてノーカットで各局同じ時間に同じ長さで流されていた

それは地球だけでなく各惑星、衛星にも流されていた


  「そろそろ始ってるな。」

島は自室でベッドに横になってそうつぶやいた。

  「俺達、どうなっちゃうんだろう…」

相原が島の部屋のソファーに座りながら心配そうにテレビを見つめていたがテレビはOFFになっていた。

  「俺達は俺達だ。正しいと思った事をしただけ…まぁ事の発端を掴んだのが相原自身だから
   その気持ち分からないくないけど…さっき話してる時自分だったらどうするか、ってそれ
   ばっかり考えちゃったよ。だけど…」

太田が相原の隣で肩をたたきながらそう言った

  「だけど?」(山本)
  「相原だったから…録っておくことができたんだと思うぜ?」

太田がそう言って笑った

  「もし録ってなかったら…って考えた事あるか?もし録るのが遅くて肝心な部分が聞けな
   かったら…数日遅れで行ってたら間に合わなかったかもしれないんだぜ?」(太田)

まさしくその通りだった。一日遅れれば地球は白色彗星に飲み込まれていたか完全服従し奴隷として生きる道を選んでいたかもしれない


放送時間は2時間…島の部屋にはメインクルーだけではなく全てのクルーが集まっていた