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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 3

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  「すまんな、一足先に戻るから…地球に戻りたくなったら連絡しなさい。足は用意
   させるから。」

藤堂は5日間滞在して伊藤と一緒に地球へ戻って行った。が、出発の見送りの時相原がいたので

  「相原、キミはユキの後任として私の秘書を、と思っている。地球に戻ってきたら覚悟
   しておいてくれ。」

藤堂はにこやかにそう言うと特別機で戻って行った









  「へ?秘書???」

相原はわけもわからずそう叫ぶと

  「あ、悪い、長官がユキの後任の優秀な秘書を探さないと、って言ってたから相原を
   推薦したんだ。」

島がとぼけて言うと

  「ユキさんの後任なんて務まるわけないでしょ?伊藤さんがいるじゃないですか!」

相原が興奮していうと

  「伊藤さんに護衛は無理だろう。護衛を考えるとやっぱり相原だよ。」

山本もそう言うと

  「そう言えばユキさんが相原の議事録読みやすくて私より秘書向いてるかも、って
   言ってたしな」

太田も思いだしたように言った

  「まぁいいんじゃないか?ユキさんだって全く知らない人が後任になるよりお前の方が
   安心できそうじゃないか。」

いつも茶化す南部が納得したように言ったので

  「いいじゃないか。頑張ってみろよ。多分今までの経験が絶対プラスになる職場だよ」

島が背中を押した






  「なぁ俺達もそろそろ結論、出さないとダメなんじゃないか?」

南部が島の部屋に相談しに来ていた

  「…あぁ、俺も考えてた…やらないといけない事もあるしな…」

島が部屋に置いてある小さな荷物を二つ眺めながらそう言った








  「ユキさんの両親に全部預けるんですか?」

その二つの荷物は進とユキの荷物だった

  「…他に預けるところがないからな…それに分けたら古代の行き先がなくなってしまう…
   あいつ…俺達しかいなかったからな…本当に必死だった…倒れながらも絶対に離れまいと
   必死について来たんだ…」

島は必死に涙をこらえてそう言った

  「そうだよな…」

進の肉親ははるか遠くにいる守しかいない…

  「でも地球に帰ったらそれこそあいつがいなくなったのを認めなくっちゃいけない感じが
   して…耐えられそうにないんだ…」

島は耐えていた涙がポロポロこぼれてきた

  「もし…地球に戻りたい、ってクルーがいたら優先して帰れるよう長官に頼む
   ようにする…南部も遠慮しないで申請してくれな」(島)
  「…その時は遠慮しないで言うよ…でも…一緒に帰ろう。古代とユキさんを
   連れて…」

南部は真っ赤な目で島の肩を叩いて部屋を出て行った





  「…島さん、すみません…」

長官が帰って二日、三日すると体調の戻ったクルーから地球へ戻りたいと言う申請があり特別機で5人が戻るようなっていた

  「いや…地球でゆっくりしてくれ。地球に戻ったら自宅までの足が用意されてるそう
   だから何も心配しないで大丈夫、って話だ。俺達が戻る事はシークレットになってる
   そうだから安心してほしい、だと。」

島が見送りでそう告げると

  「ありがとうございます。イスカンダルの航海中に生まれた息子が待っているので…」

クルーの一人はそういうと泣き崩れた

  「戻る場所があるのは幸せなことだ…なんで泣くんだ?」

南部が聞くと

  「古代さんとユキさんの事を思うと気持ちの整理ができなくて…この幸せを味あわせて
   あげたかった…息子の写真見てうらやましそうな古代さんの顔が息子の写真を見てると
   よぎってくるんですよ…将来の自分達を夢見ていたんだと思います。
   古代さんが天涯孤独なのは知っていましたから…」

島はそのクルーに手を貸して立たせると

  「その気持ちを大切に…あいつの分もお前が幸せになれ…あいつだけじゃない…死んで
   逝ったクルーの分まで俺達は生きなくてはいけないんだ。
   だから…どんなに辛くても悲しくても…生きてほしい…俺も精いっぱい…古代に負け
   ないように…ユキに笑われないように生きる。」

5人のクルーは泣きながら特別機に乗り込み静かに地球へ戻って行った