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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 3

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5人が戻ったのをかわきりに続々と乗組員が地球へ帰って行ったがメインクルー達はなかなか戻る決心ができなかった

  「悪いな、ちょっと元いた基地に行ってくる。コスモタイガー隊の遺品の整理
   してくるよ」

山本が島の部屋に来てそう告げた

  「山本一人で行くのか?」

島が聞くと

  「いや、もう一人…田中を連れて行くよ。あいつデスラー戦で怪我してその後は
   管制塔と同じ仕事を格納庫でしてくれてたんだ。隊の全滅でかなり憔悴し
   ちゃってて…
   ぼんやりすることが多すぎるから辛いだろうけど少し…ここから出してやる
   のもいいかな?って思って…」

と、そこへ南部がやってきた

  「おぅ、山本…?どうした?隊員服来てどこか行くのか?」

山本がヤマトの隊員服で無く通常の隊員服を着ていたので南部が尋ねると月基地へ行って遺品の整理をすることを告げた

  「…そうか。じゃぁ俺も行くよ。戦闘班長がいないから…俺、副だし。エアポートは
   どこ?」

南部が聞くと

  「あぁ…Bにある定期便が30分後に出るからそれで連れて行ってもらおうと
   思って島に頼みに来たんだ。」(山本)
  「すぐ準備してエアポートに行くよ」

南部はそういうと島の部屋を飛び出して行った

  「あいつ、俺に用事があったんじゃないのか?」

島はあっけに取られて山本に向かってそう言ったが

  「世話ヤキのおぼっちゃまだからな。戦闘班の事は自分がやらなきゃって思って
   るんだろう?古代の代わりに…連れて行ってやってくれよ。」

島の言葉にうなずくと

  「田中の部屋に行ってそのまま行くよ。手配、頼むな。」

山本は右手を挙げて島の部屋を出て行った




  「行ったな…」

時間を見ながら島がつぶやいた。島は太田の部屋にいて相原も来ていた

  「なぁ、俺達これからどうする?」(太田)
  「そうだよな、いつまでもここにいるわけにいかないよな」(相原)
  「あぁ…わかってるけど…」

島は地球に戻る勇気がなかった。地球には家族もいるしヤマト以外の仲間だっている。そして何よりユキの両親も…

  「整理してるつもりが…でもあの場所のそばにいたい気持ちがどうしてもあって
   踏ん切りつかないんだ。太田も、相原も俺を待たなくていい…戻りたくなっ
   たら遠慮なく言ってくれ。」

島はそう告げたたが

  「何言ってんだよ、俺達仲間だろう?一緒に地球に帰ろう…俺も古代とユキさん
   と一緒に帰りたいよ。」

相原が涙声でそう言うと太田もうなずいた

  「そうだな…一緒に連れて帰ろう…」

島はわかってくれる仲間がいる事を心の底から幸せだな、と思っていた







  「田中、大丈夫か?辛くなったらすぐ連絡しろよ?」

スペアーキーを3つ借りてコスモタイガー隊の部屋の前で山本は田中に声をかけた

  「あぁ…」

田中は心ここにあらず、と言う感じだったが自室を前に息をのんだ

  「じゃぁ…」

短く声をかけると田中は自室に入って行った。山本と南部はその様子を見て加藤の部屋のカギを開けた

  「入るぞ」

山本がいつもそう言いながら入っていたのだろうまるで加藤に許可を取るかのように声をかけて入った

  「うそ…」

山本は思わずそうつぶやいた。いつも洗濯物が散乱していたのに整理整頓されていたのだ

  「そうだ、いつもは散らかってたけど遠征に行く時は必ず掃除してから出掛けて
   行っていたんだ…」

山本は涙をこらえてそう言った

  「なんだか落ち着かないな。加藤の部屋じゃないみたいだ」

南部もそう言いながら“お邪魔します”と言って入った

  「なぁ、南部」

実家に送るものと捨てるものと分けていると山本が不意に南部に声をかけた

  「お前もさユキさんの事好きだったろ?」

突然南部は山本に聞かれて慌てて立ち上がると

  「お前何急にそんなこと聞いてくるんだよ!」

と叫んだ

  「ははは、なに慌ててるんだよ。こないだは島に聞いたんだ。だからお前に一度
   聞いてみたかったんだ。図星だろ?否定できないだろ?」

山本は楽しそうに笑う

  「お前なぁ人で遊ぶなって」

少し怒り気味で南部は言うが山本は全く気にする様子もなく

  「南部は慌てたりヤバかったりすると話し相手をお前、って呼ぶんだよ。おもしれぇ~」

山本は手を動かしながら、笑いながら話す。南部は何も言い返せなかったが

  「じゃぁお前もかよ」

ボソっと小さな声で聞くと

  「んあ?正直に言うと…な。」