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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 4

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  「ユキ…ユキ…あなた本当に死んでしまったの?」

手紙を胸に抱えるように涙する母を父は無言で抱きしめる

  「あなた…ユキは…」
  「逝ってしまった…私たちより先に…進くんと一緒にね」

父はそう言ってもう一つの荷物を見せた

  「でもユキは“古代くんをよろしく”って…」(母)
  「あぁ…ユキが亡くなった後…進くんも…」(父)

ユキの母は泣き崩れた

  「そんな…もうすぐ結婚式だったのに…キャンセルなんてしてないわ。ちょっと
   延ばしてもらっただけなのよ?いつ戻ってきてもいいのよ?」

父は無言で抱きしめるだけだった








  「ただいま」

島が藤堂に頭を下げてエアカーを降りて寮に戻って来た

  「お帰り。大丈夫?」

寮母さんが心配そうに島の顔をのぞく

  「はい、大丈夫です。」

島が自室に入ると携帯が鳴った。相手を見ると見た事のない番号だった

  「島…ですが?」

おそるおそる出ると相手はユキの父だった

  <すみません、ユキの携帯番号から見て電話してますユキの父です>

島は安心したように

  「すみません、初めてみる番号だったので…失礼しました…。あ、何かありましたか」
  <実はユキの荷物をみたら少し妻の様子が変わりまして…ユキの死を受け入れる事
   が出来たみたいなんです。これから少しずつリハビリじゃないですけど進くんの荷物
   をみながらでも、って思っています。>
  「そうですか、よかったです」
  <ありがとう、島くん。島くんがユキを連れて還って来てくれたみたいだ。
   もしユキの何か引き取るものがあったらなんでもいい、ください。ユキだけ
   じゃない、進くんのも責任もって引き取るから…多分寮とかいろいろあると
   思うんだ。>

島はユキの父の声が全く別人のようになってるのがわかった

  「ありがとうございます。その時第一艦橋のクルーで押し掛けてもいいですか?
   多分みんな行きたいと言うと思うので。」

そう聞くと

  <…ぜひ。今度はヤマトの中のユキを・・あの二人の様子を教えてください。>





島は今日ユキの実家に行ってよかった、と思った











翌日島はメインクルーを寮の談話室に呼び出した

  「どうした?」

全員が集まると南部が島を見て聞いた

  「英雄の丘なんだけど…今工事してるんだ。」(島)
  「あぁ、知ってる。」(相原)
  「行ったのか?」(島)
  「うん、多分みんな行ったでしょ?」(相原)

相原の投げかけに全員うなずいた

  「だよな…俺も行って来たんだけど…長官に提案した事があってさ。」

島は“独断で話して悪い”と付け加えて

  「土方さん、古代、真田さんの順番になると思うんだ。あの並びがね…。」

島がそう言うと全員がピンと来た

  「真田さんには悪いけど古代と真田さんの間にユキを入れてください、って長官に
   お願いしたんだ。やっぱりそばにしてやりたくて…で、後、テレサなんだけど…」

島がバツ悪そうに

  「乗組員じゃないし…それってどうなの?って言われてしまえばそれまでなんだけど」

とつぶやいた。

  「もしダメなら地球の守護神として…沖田艦長の裏に残してくれないかな、って思って
   お願いしてるんだよな。」(島)
  「へぇ…いいじゃないか。」(山本)
  「一緒に並ぶより沖田艦長の後ろの方がいいんじゃないか?」(南部)
  「どうして?」(太田)
  「だってそこだけ花束すごかったら隣のやつがかわいそうじゃないか。それに…」(南部)
  「それに?」(太田)
  「守護神をみんなと並べるのどうよ?あのメッセージがあったから俺らはこうして
   話す事が出来たりするんだぜ?下手したら奴隷だったんだからさ。」(南部)

そう言われればそうなのだ。ヤマトの出航が二日遅れていたら…間違いなく白色彗星の真正面に出る事も出来なければ戦う事すら出来ず…恐らく地球に戻れずジプシーになっていたかもしれないのだった

  「俺らにとっても神だけど地球市民全員の神だと俺は思うぜ?でもってアナライザー
   の映像見たら…守護神、ってより女神、だよな。ユキさんと同じくらい…のな」

南部はそう言うと“ユキさんどこかで聞いてますかぁ”と叫んだ

  「一応みんなの意見を聞いて長官にメールすることになってるんだ。じゃぁそれで
   送るけどいい?文句ある人いる?」

島の声かけに反対する人は誰もいなかった