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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 5

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翌日島のメールボックスに藤堂からメールが入っていた

  〈今日の、午後3時に時間があったら長官室に来てほしい〉

島は相原がまとめた慰霊祭の予定を藤堂に送っていた

  〈予定はないので伺います〉

と短く返信した





  「急に呼び出して悪かったね。めずらしく今日の午後予定がなかったからちょうどい
   いと思ってね…乗組員の様子も知りたかったし…みな、どうかね?」

伊藤がコーヒーを運んできて会釈しながら出て行った

  「はい、相変わらず泣いたり笑ったり…です。でもよく笑うようになりました。」

島がそう答えると

  「そうか…笑顔が出てきたか…よかった。」

藤堂は疲れ切っていた

  「長官こそ…大丈夫ですか?随分お疲れのようですが?」

島が心配すると

  「伊藤くんもよく働いてくれるがやはりユキの事を思い出してしまうのだよ。
   あんないい子はいないだろうね。私に孫娘がいるんだが…手本になってほしいと
   常々思っていたくらいだよ。一度も顔合わせ出来ないまま終わってしまって孫も
   残念がっていた。まぁヤマトの乗組員と言えば普通の人からみたら雲の上の人、
   だからな。こうして私が普通に話してるのがうらやましいらしい。
   君たちがやたらとマスコミに追いかけられてる時、そのニュースしかない頃だったから
   仕方ないのかもしれないが…いや、すまんな。孫がミーハーだと言ってるような
   ものだな。すまんな、休暇中に呼び出しておいて…では本題に入ろうか」

藤堂はそう言ってメールをペーパーに印刷したものを島に手渡した

  「まず艦載機で登場だが月面基地に確認して人数分は確保した。ゼロの予備機が一台
   あるが…島、どうするか?こっちに持ってくるか?」(藤堂)
  「ゼロが?あるんですか?」(島)
  「あぁ、2台制作して1台はイスカンダルの時に古代がポッシャっただろう?航海日誌
   に書いてあったよ。沖田が残した言葉を古代が削除しなかったから残っててな…
   その残った1台を月面基地に保管してたのを持ってこようと思ってる。
   ただ、そのゼロを持ってきても乗れないんじゃ…と思ってな。山本あたり
   なら乗れるだろうか?」(藤堂)
  「…それ、私が乗ります。」

キッパリ島が言いきった

  「島が乗るのか?」(藤堂)
  「はい、古代の代わりに…私が乗ります。クセはありますが多分古代が援けてくれると
   思います。きっと一緒に乗ってくれるはずです。」

藤堂は最初心配そうに島の顔を見たが

  「古代も島が乗った方が喜ぶかもしれんな。わかった、こちらに運んでおこう。駐車場
   での着陸も可能とでた。オーバーランに備えることにはするがな。
   君たちの腕だ、大丈夫だろう。来賓者の駐車場は少し離れているが別の場所に
   設けることにした。シャトルバスを運行させるよ。」(藤堂)
  「そこまで話が進んでるんですか?」

島は昨日の午後送ったメールでそこまで話が進んでいることに驚いた

  「あぁ、これは君たち主催のイベントだからね、私たちはそれをバックアップする
   だけだから…しかしこの私のあいさつはどうにかならんかね?」

藤堂が困った顔をしたが

  「長官は言葉が悪く聞こえたら申し訳ないですが私たちの“ボス”ですからね。
   ちゃんと決めるところ決めてもらいますよ。それと伊藤さんに進行役お願いしたい
   んですがその辺りどうでしょうか?」(島)
  「本人裏方に徹したいと言ってたが私が説得したから安心したまえ」(藤堂)
  「ありがとうございます。これは相原が頼もうと言って譲らなかったんです。伊藤
   さんには恨むなら相原を恨んでください、と…。」(島)

  「ははは、伊藤くんが更にゴネるようだったらそう伝えよう」(藤堂)
  「私にとばっちりが来ないようにお願いしますね。」(島)
  「ところで式典の内容はこれだけでいいのか?」

藤堂が確認するように聞いた

  「いいんです。本当はもっと質素にやりたかったんですが山本が“コスモタイガー隊員
   は青い空を飛んでいないやつがいた”って…で、加藤がパイロットに志願したのが
   兄貴のフライトを見たのがきっかけ、というんでハデになりますが航空ショーをし
   て全滅してしまったコスモタイガー隊に敬意を、と思っています。最初だけハデで
   後は歓談だけでいいんです。最初と最後は長官が締めてください。普通同じ人が
   最初と最後しないと思うんですが…」

島がバツ悪そうに言った