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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 5

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月から戻ってきて気付くと休暇の一週間はあっという間にあけてしまった。相原は有給を消化して昨日から実家に二泊の予定で帰っている。島と太田、南部、山本は時々実家に顔を出す程度だったがまだ職務に戻る気力もなく一週間有給をもらい寮で何する事もなくぼんやり過ごすことが多かった。

島の日課は英雄の丘へ散歩する事だった。外側だけだったレリーフが内側へ所狭しと並んでいた。それは今回の戦いのすさまじさを物語っているようだった。島は毎日ここへ通っては全員のレリーフに手を合わせていた。雨が降ろうが風が強かろうが関係なく毎日通った。時々クルーを見かける事もあり一緒に手を合わす事もあった。



  「島!」

相原が走って島のもとへやってきた。

  「相原、お帰り。実家のお母さんは元気だったか?」(島)
  「はい。おいしいものたくさん食べてきましたよ。」

相原はそう言いながらリュックからリンゴジュースと紙コップを出した。

  「ユキさん、リンゴジュースですよ。」

そう言いながら島に紙コップを持たせて注いでユキのレリーフの前に置いた。

  「ビールの方がよさそうですけど…飲み過ぎると胃に悪いからリンゴジュース買って
   きました。おいしいでしょう?」

相原はそう言いながら紙コップを二つ島に持たせるとそれにもリンゴジュースを注いだ

  「かんぱぁい!」

島からひとつ紙コップを取ると空に向かって乾杯した。

  「相原、古代の分が無いぞ?」(島)
  「いいんです、ユキさんのためだけに買って来たんですから!…でもユキさん優しい
   からきっと一緒に飲んでるだろうなぁ…」(相原)

相原は紙コップのジュースを一気に飲み干すとレリーフの中央に入りリンゴジュースを一気に捲いた

  「全員味わう事できたかなぁ…これ、冷凍保存されてた100%のジュースなんです。
   おいしかったでしょう?」

そう言いながら後ろを振り向いて

  「テレサさん、すみません。その他大勢になっちゃって…今度はちゃんとテレサさんの
   分わけますからね。」

そう言ってポケットからハンカチを出すと顔を拭いてやった






二人は英雄の丘の中央の芝生のところへどっかり寝そべった

  「空が…すごい青いな…ブラックタイガー隊はこの空を見れなかったヤツがいたな
   んて思わなかったよ。青い地球のために戦ったのにすぐ月面基地に配属だった
   もんな。俺達を通してちゃんと見てるかな?」(相原)
  「あぁ…ちゃんと見てるさ。きっと自由に飛んでるだろう。」

島は静かに目を瞑った。季節は寒かったがこの日は風がなく陽が当たるところはポカポカとしていい陽気だった

  「ん、だよ…寝てんじゃねぇよ」

南部の声に島の眼が開く

  「寝てねぇって…眩しくてさ。寝ころぶと気持ちいいぜ?…あ、でもさっき相原がリンゴ
   ジュース撒いたから濡れちゃうかも…」(島)
  「え?なんでそんなの撒いたの?」(南部)
  「そのあたりは平気だと思うよ…なんでって?全員に飲ませるにはコップが足りな
   かったからユキさんだけに分けて後は撒いたの。」

時々相原は普通の人がやらなさそうな事をする

  「…島、飲んだ?」(南部)
  「あぁ、うまかったよ。でも俺に注ぐよりユキの方が多かったぞ?」(島)
  「だって島よりユキさんの方が大事だからね」(相原)

相原はそう言って大きく伸びをした