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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 6

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そこへ昼食をとるために食堂へ行っていた藤堂が戻って来た。

  「長官、イスカンダルと連絡取れませんでした。」

相原がそう伝えると

  「そうか…すまんが続けてくれ。」

藤堂が残念そうにそう言った。

  「守は元気に暮らしてるだろうか…」

そう一言つぶやくと

  「私を怨むだろうな…守は本当に古代をかわいがっていたからな…。

   君たちも…同じだな…辛い決断を迫られたんだろう?提案した側としても後から
   後悔したよ…年端もいかない年齢の子供たちに敵を倒して自分を守る訓練をし
   なくてはいけない…本当にすまなかった。」

藤堂はそう言って頭を下げた

  「長官、私は後悔していません。」

南部が藤堂の眼を見てしっかりそう言った

  「私はここにきて“南部”の名前でなく実力で勝負する事が出来ました。いつも
   付いて回っていたこの苗字をここにいるメンバーは完璧にスルーしてくれました。
   予備生の時も訓練生になった時もこの苗字は付いて回りました。だけど最初に
   月基地に行った時…古代に挨拶行った時、本当に肩の力が抜けたんです。
   一生の仲間と出会えた事…それが辛い別れだったとしても全ての始まりはあの
   予備生だったと思うと本当によかったと思っています。
   ただひとつ…悔しかったのは古代に何一つ勝つことなくアイツが逝ってしまった
   事なんです。いつもあいつに追いつこうと、追い越そうとそう思いながら頑張って
   来たのに…目標を失ってしまった感じです。だけどヤマトで一緒だった時…古代
   が飛んで私がここで指示をして…全てがうまく行くと古代じゃないとダメなんだ、
   って何度も思いました。古代は…今も生きていて飛んでいるんです。そして私の
   想像通り全てがうまく行くように導いてくれる、と思ってるんです。」

島は南部が挨拶に来た時の事を思い出した

  (そうだ、あの人見知りの激しい古代がブンブン振り回す握手を受け入れていたっけ)

  「でもケンカ増えたよねぇ」

太田が当時を思い出して笑いながら言うと藤堂が

  「ケンカ?」

と尋ねたので

  「あ、南部は“南部工業”古代は“守さん”をダシ、と言うか…いろいろありまして…
   なんやかんやいわれてケンカをよく売られてたんですよ。だいたい相手が複数
   だったので私も一緒に連れて行かれたんですけど…月基地で一緒になってからは
   みんなでよく繰り出したよなぁ~」

太田はまるで遠足に行く小学生のように楽しそうに話す

  「だいたい私以外はすごい強く見えるんですよね。私のいでたち、こんななので…」

太田はそう言ってお腹を叩く

  「だから数発殴られた相手はだいたい握りこぶし作って私のところへくるんですよ。
   でも私ケンカは嫌いなので…」

藤堂は興味津津で聞いている

  「え?嫌い?」

いつも聞き役の山本が“ちょっと待て”と言わんばかりに言うと

  「うそつけ!あ、って思ったら太田はニコニコ笑ってたけどその後ろで何人も悶絶し
   てたじゃないか!俺それ見て“こいつを敵に回しちゃヤバい”って思ったんだ。後
   から聞いたら防衛軍の柔道世界大会だっけ?それの準優勝選手…って南部か
   ら聞いて…」(山本)
  「南部、それは言うなって言ったでしょ?カッコ悪いから、って…」(太田)
  「そうそう、でもその後ちゃんと介抱してるの。あれ笑っちゃったよな」(島)
  「だって死んじゃったら困るでしょう?だいたいねぇ自分が強いと思ってケンカ売って
   くる連中は手加減しないで突っ込んでくるからけがもハデになるんだよね。こっちは
   避けてるだけだけど…」(太田)
  「…避けてるねぇ…」(南部)
  「まぁ…避けてる、って事で…」(太田)
  「ははは、君たちのチームワークの良さはそのあたりから来てる、って事がよく
   分かったよ。君たちの一つ上にも予備生はあったんだが…なかなか成果が出ず
   本当に予備生制度がよかったのか、って思ってたんだが…君たちの代に限っては
   成功だったようだな。」

藤堂は満足そうに笑うと

  「さて…“YUKI”の調子を見てくるよ。山崎がエンジンに惚れこんで暇さえあれば
   エンジンルームに籠るからな…少し話してくる、ここは大丈夫だよな?」

そう言って島を見たので

  「大丈夫です。」

そう返事をすると藤堂は笑顔でエレベータに乗って第一艦橋を出て行った