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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 6

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ヤマトは順調に航海をしていた。毎日地球と連絡を取りながら通信衛星の調子も確認しがらだった。ギリギリの距離で行われる連続ワープの衝動に少しずつ慣れ山崎も第一艦橋での勤務をそつなくこなしていた。





気付くとマゼランが目前だった

  「イスカンダルに通信してみましょうか。」

相原が提案した。藤堂は

  「届くかどうかわからんが時々連絡取って見てくれ。」
  「了解です。」

相原は満足そうにうなずくと“腕が鳴るな”とつぶやいた。以前イスカンダルへ行った時はスターシアが一方的に通信を送ってくれたのでヤマトは通信を傍受して繋いでいた。今度は反対の立場となる。

しかし一瞬にして相原の嬉しそうな表情は一変した。それに気付いたのは山本だった

  「…相原?」(山本)
  「…あぁ……いや、何でもない…ちょっと…」

相原はそう言うと立ち上がって第一艦橋を出て行ってしまった。山本は一瞬あぜんとしたが島にアイコンタクト取ると不思議そうな顔をしてる藤堂に向かって

  「ちょっと相原と話してきます」

と言って相原の後を追って第一艦橋を出て行った












  「相原、どうした?」

山本が少し遅れて後部展望室へやってきた。相原は今にも泣きそうな顔をしている

  「…なぁイスカンダルと連絡が取れて守さんが出て古代がいないことに気付いたら…
   どうやって答えたらいいのか分からなくなっちゃったんだ。」

相原はそう言うと宇宙空間に背を向けて座り込んでしまった

  「イスカンダルへ行く、って目的は達成できる…だけど…真実を伝えるのが…もし
   自分だったら、って思うと…辛くって…」

山本は肩を叩くと

  「…みんながいるよ。遅かれ早かれ分かる事だ…それを伝えるのがお前か島か…
   長官かまだわからんが…深く考えるなよ。俺がいるときに連絡とれよ…な。」

山本はなんて言ったらいいかわからなかったが相原に“一人じゃない”て言いたかったのだ

  「山本くん…俺さ往路でみんなに迷惑かけたじゃん?古代はそんな俺を責めな
   かった。どれだけ心が軽くなった事か…」

相原が涙声で言うと

  「親が死ぬ事の辛さを古代が一番身に沁みてるんだろう。それに俺達は普通の
   クルー達と違って一緒にいた時間が長い…眼を見れば…俺達は分かる。」

山本は

  「俺だって古代に救われた最初の乗組員だよ。俺は諦めてたのにあいつが…俺を
   呼び戻してくれた…何があっても古代だけは護らなきゃって、思いながら戦って
   来た…俺とお前は古代の分まで精いっぱい生きよう。」

山本の言葉に相原はうなずくと第一艦橋に戻った









  「こちら地球防衛軍“YUKI”イスカンダル、応答願います!スターシアさん、
   応答願います!」

相原は以前スターシアの通信を受けた時と同じ周波数に合わせて何度か通信を試みたが繋がらなかった

  「こちら地球防衛軍“YUKI”イスカンダルのスターシアさん、応答願います!」

一日に数回繰り返される相原の呼びかけに聞こえるのは雑音だけ。

  「以前はヤマトがどこまで来てるかとかガミラスの攻撃に遭って苦戦していないか、
   とか気になる事がたくさんあっただろうけど今は二人で静かに暮らしてるはずだ。
   余り宇宙(そと)の世界を意識していないのかもしれないな。」

南部がため息をつきながらインカムを外す相原に向かってそう言うと

  「そうだよな…今まで一人だったけどいまは話し相手もいるし…な。」

島がユキと二人で第一艦橋に戻って来た時のすっきりした進の顔を思い出した

  「守さんが降りたって古代が俺に言った時あいつさ、今までにないすごいいい顔
   だったんだ。まぁなんとなくユキといい感じになったせいもあると思うんだけど
   守さんが幸せになる事がすごい嬉しい、って。中学を卒業して防衛軍に入って
   ずっと戦ってきたけど普通に暮らす事が出来る…本当によかった、って。
   その分自分が大変になる事なんて何も考えてなかっただろうけどな…

   あの時点でもし守さんが地球に戻ったら防衛軍の上層部の組織自体が違うだ
   ろうから…今回の事も…違った結果が出ていたかもしれない。
   まぁ結果論だからな。でもスターシアさんと守さんが幸せでいてくれたら古代は
   それだけで満足だろう。」

島はときどき実家に連れて行った時の進の笑顔を思い出していた