続 さらば宇宙戦艦ヤマト 6
YUKIは自動操縦で太陽系外を目指していた。
クルー達はというと相原が撮影した写真に釘付けになっていた。
「…ここは七色星団ですね。」
太田がそうつぶやくと
「…そうだな。だいぶ進んだな…。」(島)
「そうだな。」(相原)
相原の端末には相原のひまわりを抱えてスズランを受け取るしぐさをするユキが写っていた。リボンに付いている飛行機を進が持っている。
バックには七色星団の色とりどりの星が見えた
「いい顔してるな。」
相原はスライドにして撮った写真をみんなにみせた
最初は紫のバラと青いバラを抱いて笑顔で写っている。次々と花束を換えていろんな人と写真に収まっている。その笑顔はいつもヤマトのなかで見せる笑顔だった。
(次郎…手紙、ちゃんと古代は受け取ってくれたぞ。)
島は心の中でそう次郎に報告した
やがてYUKIは太陽系外へ出た。
障害物がぐんと減ったので藤堂はここで連続ワープを行うことを決めた
「今までのワープとは違う。心してほしい。…島用意はいいか?」
藤堂が確認すると
「準備はできています。いつでもOKです。」
島がそう言うと太田がアイコンタクトする
「よし、島、連続ワープだ。」(藤堂)
「了解……(マイクに切り替えて)ただいまよりYUKIは連続ワープを行う。今までの
ワープと違うから慣れているものも充分注意してほしい。5分後に行う。」
島はそう告げると大きく深呼吸して太田をもう一度見ると太田がうなずいた
(大丈夫だ…ヤマトのワープもクリアーした。真田さんの造ったものだ…絶対大丈夫だ)
ヤマトと同じ仕様のシートに身を預けると島はそう自分に言い聞かせた
4分半が過ぎ
「間もなくYUKIは連続ワープを行う。ベルト着用!」
全員がベルトを確認する
「…5…4…3…2…1…ワープ!」
島は同時に左手のレバーを一気に引いた
一度通常空間に出た後すぐワープになった。何とも言えないワープの感覚が乗組員を襲う
「ワープ終了。」
通常空間に出たのを島が確認した
「各部署、異常がないか確認せよ」
初めての連続ワープで特にエンジンルームに異常がない事を祈った
〈エンジンルーム異常なし〉
島のもとへ一番確認したい部署からすぐ連絡があった。追うように各部署から異常なしの連絡が届いた
「長官、…艦長、異常なしです。」
島が報告すると
「よし…よかったな、これで安心して連続ワープが行える。…ところで島、相談なんだ
が…徳川さんが座ってた席なんだが…そこに徳川さんの右腕だった山崎さんを
座らせたいのだが…どうだろうか?」
藤堂が提案した
「そうですね、山崎さんなら安心です。」
島が即答すると藤堂は安心したように
「島ならそう言ってくれると思っていたよ。ではちょっと見に行きがてら話してくる」
藤堂はそう言うと第一艦橋を出て行ってしまった
「長官…ってつい出ちゃうな。」
島は頭を掻いてそうつぶやくと
「長官はどっちでもいいみたいだけどな」
相原は笑っていた
「長官はずっと前からヤマトのクルーたちと一度一緒にゆっくり話したり食事したり
してみたかったらしいんだ。立場上なかなかできなくて…やっと夢がかなったって
言ってたよ。思わず笑っちゃったけど…」(相原)
「へぇ、そうなんだ」(島)
「意外だな」(太田)
「改めて食事をしたい、何て言ったら絶対みんな構えちゃうだろ?自然な形で話をし
たかったらしいんだ。ユキさんにもそれはポツポツ話してたらしいけどやっぱりユキ
さんだってじゃぁみんなで食事会でもしますか?なんて言えなかったと思うし…
長官さ、一度も艦長室で食事とった事ないんだぜ?」(相原)
「そう言えば食堂でいつも誰かと一緒に食べてるよな。」(太田)
「いい人だよな…長官って…」(島)
島は一緒にユキの実家に行った事を思い出していた。
「島サン、ソロソロ星間通信機ヲ置クぽじしょんデス。」
アナライザーが黄色のライトを点滅させながら言った
「お、アナライザーお仕事ご苦労さん。(マイクに向かって)星間通信機の準備できて
ますか?間もなく設置予定場所を通ります。」(島)
〈こちら技術班新米です!大丈夫です、いつでもOKですよ〉
「了解、では予定通りで頼む。タイミングは任せたから」(島)
〈了解です。お任せください!〉(新米)
島は通信を切るとシートに深く座った
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 6 作家名:kei