続 さらば宇宙戦艦ヤマト 7
島はアナライザーを連れて部屋を出て昨日スターシアと一緒に向かった部屋の前にいた。
固い扉をノックすると軽い金属音がして扉が開いた
Tween
「おはようございます、島です。」
二人はソファーに座って何かを覗き込んでいた。
「「おはよう」」
二人は振り返って島を見てにっこり笑った。島はなんだろう?と思ってソファーに近付くと二人の間に小学生くらいの女の子がいるのが見えた
(え?子供?)
島はあれから2年とたっていないのに小学生くらいの女の子がいることに驚いていた
「見つかっちゃったわ。驚くわよねぇ?」
スターシアはクスクス笑う
「こら、スターシア、島くんに悪いだろう?島くん驚くよなぁ?いきなりこんな大きな子
がいたら…」(守)
島はうなずくしかない。アナライザーもいろんな色を点滅させている
「この子…サーシア、って名前で私と守の子です。」
島の眼は更に大きくなった
「イスカンダル人は2年たたず大人に成長します。守は“犬とかネコ”みたい、って
言っていたけど…」
スターシアはそう言って困った顔をしたが
「初めまして」
サーシアが笑顔で島にそう笑いかけたので島は驚きと余りの可愛さにテレながら
「初めまして・・地球から来た島とこのロボットは…」
「あならいざーデス!ヨロシク!」
美人に目のないアナライザーは島は弾き飛ばす勢いで自己紹介した
「サーシアちゃん?」
島が守とスターシアを見てそう聞くと
「えぇ…私の星と守の星の間を取り持ってくれた妹の名前をもらいました。そのせ
いかとても似てるの…」
スターシアはそう言ってサーシアを抱きしめた。
(ユキとよく似ている…)
島はユキとばったり遭遇した時のように固まってしまった
「ユキさんにも似てるでしょう?」(スターシア)
「えぇ…とても似ています。」(島)
島はぼんやりしてしまったが我に返って守を見ると
「長官に預かってきました。古代と土方艦長の日報です。」
そう言って端末を守に渡した。
「長官が守さんに渡すためにあらかじめコピーしておいたそうです。なのでそちらは
差し上げます、と言っていました。」
守はその端末を立ち上げるとスターシアと一緒に見た。島は反対側のソファーに座り二人の様子と隣におとなしく座っているサーシアを見ていた。
守は日報を見る勇気がなくて“テレサ”とあるファイルを開いた
「…私はテレサ…」
きれいな声が端末から聞こえてきた
「その方がテレサさんです。古代と真田さんと空間騎兵隊の斉藤とアナライザー
だけがその姿を見ています。それはアナライザーが残した映像です。」
島が補足を付け加える間にもそのきれいな声が流れている。端末の映像にはあの美しい姿のテレサが黄金に輝く姿で映っている。
「島くん、この映像は?」
テレサの映像が終わったようで白いモヤの映像に切り替わったようだったので島は二人の後ろに回り説明を始めた。島の横にはアナライザーがいる
「これはテレサとヤマトが一緒に巨大戦艦に特攻した場所です。アナライザーの頭部
だけを乗せて救命艇で行った時なんですが壊れてるアナライザーがこの時だけ反
応してこの場面だけを映像で残していました。よく見ると白いモヤがヤマトの形を
してるんです。この甲板…見てください。よく見ると白い服の胸の部分、色がついて
見えるんですよ。この赤が古代、その横にいる黄色がユキ、ユキの後ろにいる青い
のが真田さん…古代の後ろにいる黒いのが加藤…ユキの前にいる白いのが佐渡
先生…」
島がそう言うとその影は消えて今度は第一艦橋が明るくなった
「みんな第一艦橋に移動したんですよ。ユキがウエディングドレス着てみーくんを抱い
て手を振ってるんですよ。ヤマトはイスカンダルへ行く、と…古代が夢の中で私に
言いました。」
気付くと白いモヤは消えていた
そして写真のスライドが始まった。守とスターシアが食い入るように画面を見ている
「島くん…これは?」
守が驚きながら聞くと
「あの時壊れてるはずのアナライザーが“自分も連れて行ってほしい”と嘆いていま
した。その時相原が何気なく救命艇から見える宇宙空間の撮ったものに映って
いたんです。あのモヤのなかでみんな幸せそうに笑っていました。誰も苦しんで
いないんです。笑顔で…イスカンダルへ向かったんです。」
島がそう言うと
「私が見た夢が…そうです、これです。ユキさん最初隊員服だったんですがいつの
間にかドレスを着ていました。とても幸せそうで…みんなに囲まれて…」
スライドはどんどん変わって行った
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 7 作家名:kei