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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 7

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  「それに…私はもう一人ではありません。スターシアがいます。」

守はすっきりした顔でそう言った

  「森さんがスターシアに“運命は自分で切り開くもの”と言ったそうです。森さんの
   お陰で私は家族を得ました。」(守)
  「そうか…ユキが…。」(長官)
  「長官も森さんの事“ユキ”と呼ぶんですね」(守)
  「あぁ…気付いたら私もそう呼んでいたよ。ユキは私の第一秘書としてヤマトを降りて
   からずっと働いてくれていた。とても優秀な秘書でな…。世界のVIPから引く手
   数多で大変だったよ。何度縁談を断った事か…」(藤堂)
  「進より条件いいのたくさんいたんじゃないですか?」(守)
  「そうなんだよ、条件でいったらそばに一番いいのがいてね…ほら、メガネかけてる
   のが南部財閥の長男でね…父上が熱心に口説けと言ってたそうだ。」

藤堂の言い方が面白くて守は大笑いした

  「テロにも屈しないあの精神力はヤマトに乗った自信から来てるのだろうか…と思う
   事もあった。一度VIPの集まる会議の最終日にユキとVIPとSPと4人で取り残さ
   れた時も落ち着いて外部と連絡取って解決したんだ。こう言っては女性差別と言われ
   てしまうが女性と言うのがもったいなかったよ。結婚して子供ができたら仕事を
   辞めてしまうんじゃないかとうんと先の事まで心配してたよ。」

藤堂は当時を思い出してしみじみ話す

  「そうなんですか。」(守)
  「古代は本当に素晴らしい女性を見つけた。出会うべくして出会ったんだろうけど
   ユキは古代を守り通した…すべてをかけて…私自身、本当の孫娘を失ったようで…
   ユキが死んだと聞いた時は信じられなかった…私が死に追いやったようなもんだった
   古代は地球に置いていくつもりだったのに私が古代から離れるな、と言ったから…
   島は長官に言われなくてもユキは付いて行ったとはずです、って言ってくれたがな…」

藤堂は複雑な気持ちでいっぱいだった

  「長官、イスカンダルをご案内しましょうか?遊星爆弾が落ちる前の地球みたいで
   とても気持ちいいですよ。」(守)
  「守が案内してくれるのか?スターシアさんはいいのか?」(藤堂)
  「YUKIが地球へ行けばまたずっと一緒です。」(守)
  「じゃぁ頼むかな。」

二人はそう言うと部屋を出た













  「お母様…私、さっきの写真の方たち…見た事あるの…お父様がいる時は言えなかっ
   たけど…」

サーシアがスターシアに告白した

  「いつ頃?」(スターシア)
  「いつかしら…そう…大事そうにいつもお花を抱いているの…この女の人が…そして
   いつも笑っているの。だからね、聞いたの」(サーシア)
  「何て?」(スターシア)
  「何でいつも笑っているの?そんなに楽しそうなの?って」(サーシア)
  「答えてくれた?」(スターシア)
  「えぇ…もう苦しまなくていいからよ、って。」

スターシアの瞳から涙がこぼれた

  「お母様…(心配そうに)」(サーシア)
  「大丈夫よ。ユキさんはとても苦しんだのね。」(スターシア)
  「えぇ…時々この人の心が流れてくるの…本当はこの男の人と幸せに暮らしたかった
   って。たくさんの人と一緒で楽しいけど、って。」

サーシア自身も辛そうに答えた。

  「サーシアは優しいからきっと優しいユキさんと心が通じたのね。ユキさんは私の
   運命を変えてくれたすばらしい人よ。もし夢に出てきたらたくさんお話なさい。
   そして私に教えて。」

スターシアはもう泣いていなかった

  「わかったわ、お母様。」

スターシアはそっとサーシアを抱きしめた