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続 さらば宇宙戦艦ヤマト 7

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  「島さん?」

翌日島がマザータウンから出てひとり海を眺めていると後ろから声をかけられた

  「サーシアちゃん、おはよう。」(島)
  「おはようございます。」

サーシアはにっこり笑うと

  「島さんには大切にしたいもの、ってあります?」

そう唐突に聞いて来た。島は一瞬?という顔をしたが

  「…古代がそう言ってた?」

と切り返した。サーシアを見ていた視線も海に落とした

  「…えぇ…叔父さまが“あいつが大切にしたいと思うもの、守りたいと思うものは
   なんだろう”って…とても心配してました。いつもは反対だったのに、って…。」

サーシアも海を眺めた

  「そうか…古代に心配されるようじゃ余程どうしようもなく見えるんだろうな…古代…
   俺もお前がいなくなって“俺ってこんなにダメなヤツだったか?”って思ってるよ。
   我ながら…お前がいて俺だったんだな、ってお前がいたから俺もここまで頑張れた…
   サーシアちゃんには難しいか?」

サーシアは黙って聞いていた

  「ユキ、って呼ばれてた女性もとても心配していました。」
  「人の事はいいから、って…全くお前たちは…」

島はそう言うと大きく伸びをした

  「サーシアちゃん、二人を見習っちゃダメだよ。人の事ばかり心配してたら自分の
   幸せを逃しちゃうからね。君のお父さんも自分を犠牲にする人だしスターシアさんも
   そうだった…妹と二人なに不自由なく自分達は暮らせたはずなのに地球へメッセージを
   送るために妹さんを送り出した…
   ユキが言った言葉“人生は自分で切り開くもの”サーシアちゃんには難しいと思う
   けどその時何かを犠牲にしなくてはいけないかもしれないけどそれでもその時しな
   くてはいけない事が絶対あるはずなんだ。」

島の視線の先には昨日ヤマトが浮かんでいた所だった

  「島さんにもそう言う時がくるの?」

サーシアが聞くと

  「…時…は過ぎてしまったんだ…毎日その事で後悔ばかりしてる…」

島の小さな声だった。

  「その時…島さんが何かしたら島さんは幸せになれたの?」

サーシアの言葉に島はその後の言葉が見つからなかった

  (自分が特攻していたら…俺は幸せだったのか?あぁやってヤマトのなかで笑って
   られたか?)

  「…どうかな…よく、分らないな。…サーシアちゃんはいつも何をしているの?」

島が話題を変えた

  「いつもお父様かお母様と勉強しているわ。イスカンダルの歴史もね。もう誰もいない
   けど…でも歴史は動いてる…こうしてYUKIがやってきてくれて私はお父様と
   お母様以外の人と会うのも初めて。今までも楽しかったけれどもっともっと楽しい!
   地球なんて星、知らなかったわ。お父様何も言わなかったから…。」

サーシアは少し寂しそうにした

  「守さんは本当にイスカンダル人になろうとしたんだね。だから敢えてサーシアちゃんに
   そう接していたんだと思う。」

島がそう言うと

  「…そうね…そうかもしれないわ。でも、もしもイスカンダルがいよいよ、と言う時
   私にはもう一つ行く場所がある、って思うとほっとしてる感じもあるの。お母様には
   悪いな、って思うんだけど…。」

サーシアはそう言ってにっこりほほ笑んだ

  (…似ている…あのサーシアさんとユキと…)

島はふと涙が浮かびそうになったので

  「また午後にでも散歩しよう、戻ろうか。」

そう言ってサーシアの前を歩いてマザータウンに戻って行った








  「島~」

フロアーに戻るなり南部が声をかけてきた

  「全く…油断も隙もないなぁ~サーシアちゃん独り占め!」

相原も続いてきた

  「え?」

島は驚くと

  「何を話してたの?ふたりっきりで!」

太田も乗ってきた

  「…古代とユキの話だよ…」

島はそう言うとフロアーをでて昨日泊まった個室へ戻って行った





  「…島、入るぞ」

山本がノックしながら入ってきた

  「あいつら、責めないでくれな。おちゃらけてたけどお前が入ってきた時肩が随分落ち
   てたから心配で声掛けたんだ。」

そう言ってベッドに腰かけた

  「…判ってる。でも…」

島も山本の隣に座った

  「でも?」(山本)
  「古代がヤマトで特攻するって言って俺達は説得されて残った…俺はそれをずっと後悔
   してきた。ヤマトと一生を共にしたかった、と言うのもあるけど…俺は多分…いや
   古代と一緒に行きたかったんだ。いつも…一緒だったのに…あいつがいたから俺も
    ここまで頑張れた。」