続 さらば宇宙戦艦ヤマト 8
スライドを閉じると別のフォルダーが出てきた。さっきはフォルダーが3つ…ひとつは進の、もう一つは土方艦長の…もう一つは動画と写真のスライドだったが三つを開いた後四つ目が出来るよう作られていた。
「相原か?これを先に見られないようにしたかったのか?」
守がそのもう一つのフォルダーを開いた。すると懐かしい声が聞こえてきた
〈これじゃとてもあそこまで行けない〉
(真田の声だ!)
守はすぐに分かった。懐かしい…親友の声…
〈古代、援護してくれ!〉(真田)
〈分かりました、援護します〉(進)
〈俺達が向こうへ着いたら…お前は帰れ〉(真田)
〈何ですって?バカな!三人一緒に帰るんです!〉(進)
〈向こうに着いたらこっちに戻ってこれない…お前は艦長なんだ。
艦長は艦に戻って最後まで指揮を執る責任がある。〉(真田)
〈真田さん!〉(進)
〈古代…俺はお前を…本当の弟のように思ってきた……いいな?りっぱな艦長に
なるんだぞ?(少し間を置いて)行くぞ!〉(真田)
〈ここまでくりゃ大丈夫だ〉(斉藤)
〈行け!行かんか!!〉(真田)
それからしばらく進の絞るような声を聞いた。それから真田はもう一人の男と話してる様子が敵のレーザーガンの合間に聞こえてきた
〈技師長、慌てず急いで正確にな!〉(斉藤)
〈隊長、あともう少しだ、持ちこたえてくれ!〉(真田)
それからわずかな時間だった。ドスンと何か大きなものが倒れる音が入り
〈…隊長…ありがとう。〉(真田)
そう聞こえた後プツリと音声が切れた
守とスターシアは無言で涙を流していた。真田の最期がどれだけ壮絶だったのか安易に想像できた。
「真田…辛かっただろう…真田…真田…ありがとう…」
スターシアは守の背中をそっと抱きしめることしかできなかった
作品名:続 さらば宇宙戦艦ヤマト 8 作家名:kei